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異世界なのだから最強の剣を求めるのは普通だろ  作者: 雪兎
1章 始まりと学園と青年紀
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第20話 不安定と仮説と黒い炎と

遅くなりました。ようやく家のゴタゴタが落ち着き行動再開。

本当に何でまぁ結婚前に解決した問題が又襲ってくるのか……普通に生きたい

 俺の目の前で剣の刃が紅に染まり、一振りで多重積層材を溶断してみせた。

 それも唯の積層材ではなく、外面から、チタン、ウーツ、高張力鋼、銀三鋼、白鋼、不銹鋼、これを逆にも施した積層材の10mm鋼材をだ。


 だが、


「あっ。熔けた」


 俺の目の前で振りぬかれた剣は切っ先から熔け落ち、刃も波紋上に熔け始め、剣身中央も一瞬熔けたのか、表面は黒くなり更にはスが出来、見るも無残に穴ぼこだらけになった。


「普通に紅蓮剣を使ったはずなんだぜこれでも。なのに、炎も纏わないで剣だけが真っ赤になって振れば剣が熔けるんだ。ヒルトどう思う?」


 そう少し落ち込み気味に言うグラン。


 どこか俺の技に近い? いや、ノエルの[勝者の(イクスキャリバー)]が一番近いのか? どちらにせよ、剣の内部で炎が発生して、その熱で剣が赤火(セキカ)しているんだろう。 でも有りえるのか?俺や親父(オヤジ)のように魔力が霧散し易いくらい粘度が無いなら判るが、グランは[中]の魔力適正で粘度が高いはずだ。


 そう俺は少し考えてから。


「グラン、普通に炎魔法を使ってくれないか?」


 俺の言葉にグランは、一旦首を傾げるが、


(ギェーフ)閃光(フンケルン)


 そういつもの火炎放射機のような魔法を使用する。


 しかし、その炎は俺が知っている物とはまるで違っていた。

 炎の色は黒味掛かった青色の炎で、集中して直線的な物だった。しかも、周囲には熱量を全く感じさせない冷たい炎だったが、その炎に触れた斬り残された積層材は容易に熔けた。


「おっおい、何だよその魔法は? お前の炎どうなってんだよ?」


「いやっっっ! 俺にもわかんねぇよ。昨日までは普通の炎で……」


 グラン自身も何が起きたのかわからない様で焦り出す。 



 暫く俺は、グランに落ち着く様に促しながら互いに落ち着く方向に会話をし始める。


 再び落ち着いてから再度同じ魔法を使う様に俺は指示をだし、再度魔法を使用してもらうと通常の炎魔法、火炎放射に戻った。

 その事で益々疑問が増える。


 そんな疑問まみれで悩んでいると、


「騒がしいがどうしたんじゃ? なにか解決策でも判ったのかのう?」


 そう首を傾げながら師匠が遅れて姿を現して、俺達に尋ねてきた。


 それに対して俺はさっき起きた事を説明するが、


「良う判らんが、精神的な事が魔力に影響していると解釈して良いのかのう? しかしのう、わしも長年多くの者と関わってきたが、そんな事は始めて聞くぞ? それに、その事が本当なら尚の事、使える武器なんてありゃせんぞ。もしも、純粋な魔力も剣に流し込んでも、そうなるのなら尚の事じゃ」


「あっ」


 俺はその最後の言葉に、その方法を完全に失念していた事に気がつく。


 俺は慌てて、腰にぶら下がっている予備で使っていた剣をグランに渡して、


「その剣に有りっ丈の魔力を注ぎ込んでみてくれ。それで駄目だったら、もう魔法士として生きろ」


「お前な! 無責任な事を言うなよ。こっちは真剣に悩んでるんだぞ」


「とりあえずだ、とりあえず。素材が調達できるまでの話だよ。あと金な」


 そん風なやり取りをしていると


「時間が無い時に茶化しとる場合じゃ無かろう。少しはグラン君の心情を察してやらんか、馬鹿もんが」


 そう師匠が呆れたように俺の頭を小突き、


「心配せんでも良いぞ、もしもそれで駄目でもワシが武器に関してはどうにかしてやるからのう。安心して良いんじゃぞ」


 そう、グランへ声をかける。


 その言葉に安心したのか、


「ありがとうございます。エイズル様」


 明るく声をだして返事をして、渡した剣に魔力を込め始める。


 内心俺は、緊張を解くためのお茶目なのにとボヤくが、あの反応を見る限り俺の方法は間違っていたようだ。



 そんな思いの中グランと剣の様子を見ていると。

 剣から甲高い金切り音が鳴り始め、それに合わせる様に剣が、淡く青白い光を発し始めたが、それ以上何も起きずに、グランは魔力フローを起した。


「大丈夫かグラン?」


 俺は直ぐにグランに駆け寄り、手を貸して立ち上げてから師匠の元に運んでいった。



 それと同時に、


「それよりお前そんなに魔力量少なかったか? あんな短時間しか持たないなんて?」


 俺の疑問の言葉に、


「俺にも判らない。魔力を普通に込めた筈なのに一気に持っていかれた、そん感じなんだよ」


 肩で息をしながら答える。


 謎だ、コイツの魔力出力が上がっているのは確かだろう。もしも、後もう少し長く魔力を注げていたら純粋な魔力が決壊して、この剣は砕けていただろうな。

 現にグランと一緒に回収した剣には、微細な亀裂が発生していた。 俺が全力で魔力を流し込んでもこうはならないだろう。 


 そんな事を考えながらも俺は師匠に、


「あの魔力に耐えられる材料は有りますか? 魔力伝導力は関係無くです。有れば教えてください」


 俺の質問に師匠は一瞬だけ考えてから


「ウォルフラム鋼なら耐えられるじゃろうが、切れ味と硬度、耐熱性はいいんじゃがな、如何せん質量が重くて、魔力伝導率も悪すぎる。魔法適正のある通常の騎士が使うには使いが手が悪すぎるぞ。あんな金属をどうするつもりじゃ?」


 ウォルフラム鋼? 元の世界で聞いた事のあるような? なんだっかな? 師匠の説明から導き出される性質は、電気抵抗が大きくて、硬度と融解温度が高い金属物質となるが……思い当たる物は2つしかないがまさかな……


 そう考え込んでいると、


「そういえば御主等が持って行った剣の一部分にも使っとるが…… ところであの剣は何処に…… やっ…… かのう……」


 積層材の近くにまるでゴミの様に転がり、元の面影もなく、無残な姿を晒す剣を見つけ、言葉を詰まらせてながら絶望したような表情を浮かべ、最後には、


「ワシの最高傑作がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 そう叫び、その場に膝から崩れ落ちた師匠…… 


 その後師匠から、懇切丁寧な悲観と説教を受けたのは言うべくもないだろう。 

 その中で、材料と使い手の適正があり魔力適正によって様々な組み合わせや、最悪の組み合わせがある事を必要以上に語っていた。


 纏めると、発現魔法の適正によって相性があるとの事。火廣金(チタン)が中間でどの魔法にも一定の適正を持つが、どの魔法でも最大火力は発揮しない。

 これは俺が武器として使えると証明してから判明した事だそうだ。また、昔から武器として使われる素材に関して、鉄が中間の代表で、ウーツ鋼は炎寄りの中間、銅系なら雷系寄り、銀系が水寄り、等々と後は合金化や魔物素材によって変わるとの事を長時間説教された。 

 その事で俺は心の中で、

 そういった大事な知識は先に説明しろと叫んでいたが、隣で小さくなるグランを見て巻き込んでしまったという思いで同じように黙って反省する事にした。



 説教が明けて、外の景色が赤く夕焼けに染まっていたが。


「でっ師匠、そのウォルフラム鋼は未だ有りますよね? 見せてもらえませんか?」


 俺は、さっきの説教はどこ吹く風に師匠に言い放つと。


「はぁ……時間が無いからか……それともじゃが……奥の棚の上に有るはずじゃが、本当に何に使うつもりじゃ? 金と同じだけ重い素材じゃぞ? それこそ全体に使う……って、もうおらんし」



 俺は師匠の説明をそこそこに指示された棚の上の方を探す。

 そこには鈍く黒めの銀灰色をした金属の木っ端材が並んでいた。それを手に取ると確かに重い。


 この感覚と色合いはまさか、


「おいおい、これってタングステンじゃないだろうな? ジルコニウムなら良いけど……」


 俺は徐にその木っ端材のうち棒状で先が鈍角に尖ったの物を手にしてから、その辺に転がる鉄板に対して電撃魔法を使ってみる。


 あら不思議、棒状の素材から電撃が走り鉄板を溶接したではありませんか、それも綺麗な溶接目ではありませんかって、

「タングステン電極になっとるやないかァァァイ」


 俺は手にした木っ端材を床に叩きつけて叫んだ。


 クソが、ジルコニウムだったらワンチャン合金にして試せたものを。よりにもよってタングステンかよ、そういや、師匠が重いって言ってたか……いやでも……


「そうだ、そうだよ。もしも、魔力の性質が俺の予想通りなら――」


 俺が一人で狂気乱舞をしているのを師匠とグランに見られていたのは当たり前のことで、その後、頭を心配され、恥ずかしくなり顔面を真っ赤にした事は内緒だ。



 『なんやかんやあったが』


「先ほどのアレはなんじゃ? 何か良い解決策でも思いついたのかのう? しかし、あの素材じゃと重過ぎてグラン君には合わんと思うぞ」


 少し呆れ気味に物を言う師匠、


「確かに多少重くはなるとは思いますが、俺の仮説が正しければ火力はそのままに、剣が壊れたり不安定な魔法も幾分かはマシになるはずです。物は試しですよ」


 グランも師匠も首を傾げてチンプンカンプンといった感じを見せるが、


「とりあえず、合金を作るので魔力を貸してください」


 そう言って俺はチタンとタングステンを用意し、魔力による合金化を始める。試しだし単に合金化させてから棒状に鋳込んでいく。


 言葉で言うのは簡単だが、タングステンは思ったよりも魔力抵抗が高く注ぐ魔力量も相当なもので、この試作だけで師匠も俺も殆どの魔力をつぎ込んだ。


 結果、


「ワシを幾つじゃと思っとるんじゃ、もう少し老人を労わらんか」


 と流石の師匠も疲れた様子を見せる。


 しかし、もし俺の予想が外れていればこの苦労は水の泡でしかなく唯、魔力を消費しただけになってしまうが、


「とりあえずグラン。この棒でもう一度[紅蓮剣]を使ってくれないか? 本気で頼むぞ、これで、お前に仮の剣が用意できるか決まるんだからな」


 俺は成功を祈りながらグランに棒を託す。


 受け取ったグランは、少し重そうな表情を浮かべつつも、


「わかった……ごめんな俺の為に色々苦労を掛けて」


 なぜそこで謝る、いつもみたいに明るく馬鹿をしてろよとも思ったが、


「馬鹿、友達だろ」


 そう俺は答える。 

 きっとコイツはコイツなりに不安なんだろうと俺は思ったからだ。



 俺の言葉に、グランは覚悟を決めた様に棒を握り剣を振るい、


「おおっ スゲー」


 声を上げて喜ぶ。


 振るった棒からは普段の[紅蓮剣]よりも赤く煌くような強い炎が上がり、棒自体も無傷の状態で形状を保っていたからだ。


「ふー、良かった。俺の考えが合ってて」


 俺はタメ息を吐き安心して天を仰ぐように首を上げる。

 でも一つ引っかかるのは、何故そんな物をグランの魔力が発しているかだ。純粋に魔力が上がり出力が上がっただけで有り得るのだろうか? 心的要因としてもグランはそんな奴じゃないだろうし。なら何故?


 そう俺が疑問に思って悩んでいると、


「ヒルトや。どういった方法でこの問題を解決したんじゃ? そもそも何が問題だと思ったのか説明してくれんか? ワシにはさっぱり理解ができんぞ」


 そう師匠が尋ねる。


 一瞬話すか迷ったが、話して何か根本的な解決になればと思い、


「実は――」




 俺は元の世界での知識を元に、この世界の人にもわかり易い言い回しを選択しながら魔力の説明を行った。


「魔力の揺れや波の大きさのう。それも一定の大きさと振動になると悪さをすると言う事か。何とも不思議な話じゃ、一部の魔法研究を専門に行なっとる魔法師も何やら似たような事を言うて居ったが、此処までの影響が有るとはのう……」


 師匠は何かを真剣に考えている様子で顎髭を触りながらブツブツといい始める。


 確かに目に見えない魔力に波だとか振動だとかを言っても伝わらない。現に元の世界で電線の中で動く電流を数値化、視覚化する装置があればこその話で、そこにスパイク電圧だの、破壊周波数だの、共振動だのが加わった話を魔力に置き直して話したのだから当たり前だろうけど……


「えっと……俺の魔力自体がそんなに不安定で危険な物になってるって事なのか? でもどうしてそんな風になってんだよ? 俺は、どこもおかしくもないし、どこも悪くないぞ。説明してくれよヒルト」


 少し取り乱した様にいうグラン。


 取り乱す気持ちもわからなくはないが……


「正直わからないし、本当にそうなっているのかもわからない。結果的にはあの合金で魔力調整が出来たという話で、あくまでも仮定の話でしかないんだ」


「でも実際にこの素材で俺の魔力が調整できたのならそれは……」


 グランは言葉の途中で押し黙るので。


「いや、お前の思っているような理由ではないと思うぞ。お前の魔力や出力が何の理由で上がったのかは知らないけど、危険云々というより、その上がった魔力増幅の制御が出来ていないだけなんじゃないのか? 現に、(むら)があるんだから。あま、その(むら)に対して抵抗をかけるために、その合金を使うんだけどな。それにな、俺がその合金に魔力を流してもまともに技を出せないはずだぞ。それでも[紅蓮剣]を出せたという事は、それだけお前の魔力出力がデカイんだよ、俺よりも確実にな」


 慰めと事実を伝えるが、正直俺がグランより弱いみたいな感がするのでぶっきら棒に言葉を発してしまった。

 

 でも……本当に増幅のせいだけなんだろうか? あの青黒い炎からは……それに、タングステンチタン合金の特性は、電子こっちだと魔力になるが、外来物を遮断するために使う所謂、分離材なんだが……それに魔力を流せるなんて事自体、仮定が間違っている事になるんだが根本的な部分は魔力と電子は同じ動きの物だが、一部では違うという事になる。そこを解明しないと答えは出ないな。


 そんな考えを一人で廻らせていると、


「強くなった魔力を操れてないだけで実質お前より強くなってちゃったって事かよ。真剣に悩んで損したじゃねぇか」


 そう笑いながら言うグラン。


 その余りの落差と、言葉にされた事実に、


「あぁ? 出力が上がっただけで魔力量がそのままじゃ一発͡こっきりの早漏やろうと変わんねぇんだよ」


 真剣に悩んでいた俺まで馬鹿らしく思えてきて、いつもの様に返しながらグランの腹に軽く拳を入れていた。


 それに対してグランは、


「妬くな妬くな。これから増えるかも知れないんだからな、今のうちだぜ一発屋なのは」


 と前向きな意見と共に俺の頭をワシャワシャと手でしてくる。


 本当にいつもの反応で少しホッとする。でも、コイツに負けたと認めるのは癪に障るし、

 これは俺も技を磨くか新しい剣に何か仕込まないと本気で不味い……

 そう焦っているのが本音だ。



 俺とグランがじゃれ合っているように見えたのか、暫く放置した後、


「仲良くするのは其処までじゃ。解決策が出来たんじゃからなトットト武器の制作に入るかのう。時間もあまり無いことじゃし」 


 そう師匠が鎚を持ち上げてから俺に声をかけた。


「わかりました。グラン明日の昼にまた来てくれるか? その頃には有る程度お前に合わせる工程だからな」


 そう伝えたが、


「いや、俺も手伝うよ。居ないよりは居た方が何かと早いだろう?」


 そう買って出てくれるが……素人が居ても邪魔なんだよな正直。


 そこで俺は師匠に目配せをするが、


「ありがたい話じゃな、合金作りにどれ程の魔力が必要か、わからんからのう、助かるぞ」


 俺の意図に反して受け入れてしまう師匠。




 『そこから長い夜が始まった』


 先ずは素材の確保からなので共同作業になる。

 グランの芯金は決まっているので皮金と刃金の合金造りと、俺用の合金になる。

 最初に倉庫にあった火光獣つまり炎の中で生きるデカイ鼠なんだが、そいつの毛皮が余っているのでそいつと純鉄を合金化する。これは俺と師匠で魔力融解を行なう。わりとすんなり解けた。


 だが次の素材が厄介だった。

 刃金にする火竜(サラマンドラ)、火を噴くトカゲという認識で良いが、コイツの鱗と不銹鋼にコバルトを融解させる事に時間をくってしまった。

 原因は鱗と師匠の魔力の相性が悪かった事だ。そこで仕方なく師匠の代わりに、グランが魔力を注ぐが余りの不安定な魔力のため俺が外側からグランの魔力を押し込めて融解させる事になるが……正直一人でやった方が楽だったと思う。


 次に俺の番だがこちらも難物の牙が、魔力許容量が多き過ぎて三人がかりで魔力を注ぐ事に、この時は流石に、あのグローブをブースターにして三人分の魔力を流す事に。

 だが、男三人が真剣な顔をして、せせこましくなり手を合わせて長時間魔力を流す行為は汗臭く、気分の良い情景ではなかった。 


 そんなこんなで揃った合金が、

 火光獣の毛皮の鉄、火竜(サラマンドラ)の鱗のシャガール鋼、雷光狼(ソーンスコル)の牙のTi-Nb鋼、の三種類の合金だ。


 この時点で全員魔力切れで、精神的にキツイものもあるが時間も無いので、無理やり次の工程に入る。


 グラン用の剣の積層材造りだ。

 コイツは前に使った方法で溶着後に……魔力補助による折り返し鍛造という鬼畜の作業。しかも火光獣の毛皮の鉄と高張力鋼の重ねた物だ……これを16回折り返し、芯金と刃金を挟み、そこから打ち延ばし、形成、火造り、の工程を純粋な魔力を流しながら行なう。

 言葉では簡単だが、常に俺が魔力を流し、師匠が魔力を込めて鎚を打つんだ。

 魔力云々よりも、それを調整するための集中力で精神が先に音を上げるレベルだ。それも徹夜で行なってようやく昼からグランの手に合わせた持ち手の削りと荒仕上げ作業をする。

 まぁその工程は師匠が担当して、俺は自分の剣の製作をする。



 『そして迎えた遠征日』


 俺とグランは腰に新しい剣を携えてダンジョン入り口の前に立ち、


「何とか間に合ったが……ぶっつけ本番ってどうなんだよ?」


「俺は一応試し斬りとか、この剣の使い方とかはある程度できたぜ? なんでお前はギリギリだったんだよ?」


 俺の疲れた言葉に対して、ワクワク気分を隠せないグランの言葉が返ってくる。


「その剣を見てから言えェェェェ」


 俺はキレた。

 しかし、その言葉はダンジョンに木霊するだけで当人には届かなかった。


 そして俺達はダンジョンに潜るが……


「は? 火龍? なんでこんな下層部にいるんだよ? 皆逃げ――」


 一人の衛士が俺達の目の前で爆音と共に巻き上げられたドス黒い炎によって消えた。

今回は※なしです。

次回はようやくモンスターパーリー 


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