18 食事
もう探検を済ませたことを言うと、地下通路について教えてもらった。ここを通れば雨でも濡れずに往復できる、という説明だったが、本来ならもっと血生臭い目的のために使うものなのではないかと思う。
なるべく覚えるように言われ、頑張って思い出しながら調理場で夕食の準備をリオルドさんと共に作る。
こちらの料理はよくわからないけれど、どうやらすいとんのようなものを作っているようだ。粉を練って生地を作り、沸騰したお湯に野菜や水餃子もどきを一緒に煮ている。一緒にフライパンで鶏肉を焼いている。
食文化は結構もとの国と近い。ハンバーグもラーメンもスパゲティもある。野菜も少し南国の種類が多いけど豊富だと思う。
主食は基本的にパンだけど、たまにお米みたいなものも見かける。基本的にチャーハンやリゾットのように味がついている。
そんなことを考えながらリオルドさんを手伝う。
劇団の厨房でお手伝いしていたので、なんとか助手くらいならできるつもりだったが、リオルドさんはかなり料理がお得意のようだった。あまり手伝いもできないままに終わる。
ちょうど鶏肉を返してじっくり火を通そうとしたところで、フォーラさんが顔を覗かせた。
「あ、サラ様どうも。リード、着いたよ。食堂にしとく?」
「そうだな、上よりはいいだろ。もう少しでできる」
「了解。サラ様、こちらでテーブルの準備を手伝っていただいてよろしいですか」
「あ、はいっ」
私は慌てて台拭きを持って隣の食堂に向かった。
食堂に入ると、フォーラさん以外にもう一人男性がいた。
少しびっくりすると、赤の色が強い茶色の髪に茶色い瞳のその男性が頭を垂れた。
「お初にお目にかかります。イレリア王国14代国主ランス陛下の筆頭護衛官ジエルク・オラトリオと申します。お見知りおきを」
「……はじめまして、サラです」
3人の中で一番がっしりとした体格の人だった。フォーラさんは穏やかな印象だったが、この人は生真面目なオーラをむんむんと発している。
「どうぞジークとお呼びください、サラ様」
「……あの、その様、っていうの、やめていただけませんか」
「お気に召しませんか」
「その敬語も。私、皆さんより年下ですよね?あまり居心地の良いものではないので」
「……了解した。では、お互いに気兼ねなく話そう」
にこりと笑ってこたえてくれる。お互いに、ということは、私も敬語無しかな。
「サラ嬢はアリスから何も聞いていないらしいが、本当か?」
「何もって、何を聞いていれば良いかもわからないのに。どう答えろっていうの」
私が困って言うと、ジークさんもフォーラさんと同じように眉間に皺を寄せた。
「……なるほど。じゃあ最初から説明しないといけないな」
「だからそう言っただろう?ジーク。今日集まっても特に意味は無いよ」
「いや、ここで話をしないと後が無い。俺たちで説明できることは言おう」
私の目の前でなにやら話し合いが行われていたが、その時厨房から声がした。
「おいこら、くっちゃべってる暇があったら夕飯取りに来い」
「あ、リードか。忘れていた」
「うるせえ、おまえらの分抜くぞ」
「あーごめんごめん」
フォーラさんが慌てて厨房に向かったので、私も厨房で運ぶのを手伝う。
結局4人で食事をすることになった。
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