13 証拠
少し話が動き出します。
※2013/03/15、サブタイトルを訂正しました。本文は訂正していません。
重複してました。おかしいなぁ……。
大変失礼しました。
朝起きると調理班が作ってくれた朝食を食べる。その後準備体操と運動を軽く行い、発声練習。歌を何曲か練習し、この国の歌集のようなものからステージで歌うものを選ぶ。
この国に来てから1ヶ月が過ぎた。覚えた曲も多い。
初めての公演と2回目の公演の間は短くて、ほとんど同じ曲目になっていたが、最近はほぼ重ならない選曲ができている。そろそろ新曲を盛り込みたいところだ。
楽譜をぱらぱらとめくりながら考えていると、道化の兄妹が駆けてきた。
「サラ、アリスが呼んでるよ!急いで来てって」
「アリスが?わかった。今行く」
曲集を小脇に抱えて走る。
テントに近づくと、中からアリスの声が聞こえたので、入り口に立つ人に声をかけて入れてもらう。
「サラ!」
「アリス、用事って?」
「説明は後だ。とりあえず来てくれ」
アリスと話していた隊長さんたちが険しい顔をしているのを見て一瞬竦むが、アリスが慌てたように私の手を取ってテントを出た。
「どうしたの?」
「ごめん、移動しながら言う。とりあえず街の店に行く」
「え、今から?まだ明るいのに」
私は戸惑った。私もアリスも目立ってしまうので、いつもなるべく暗い時間に移動しているからだ。今はまだ昼にもなっていない。
「今しかない。私も一緒に行く」
アリスは説明しながら馬車に私を先に押し込んだ。その後素早くアリスが乗った瞬間、馬車が進んだ。
「どうしたの?」
「今日の午後、本拠のほうに国の人間が来る。あちらのほうが隠れる場所が少ない。街の店には衣裳部屋があるから、そこにいよう」
「……何をするために来るの?」
「税収の話と言ってきたが多分建て前だ。あいつらは怪盗ゼリカと放火の犯人を行商者の中から探そうとしている。うちは槍玉に上がったんだ」
「そんな」
「最近やっかみも多かったし、仕方が無いこともある。とりあえずわたしが姿を出さなければ証拠が無いから、サラも隠れてもらわなくちゃならない」
アリスが申し訳なさそうに私を見た。
「いいな、皆が出ていいというまで隠れているんだぞ」
「わかった」
アリスは私を衣装部屋の一番布が散乱している場所に連れて行き、いざとなったら奥に隠れるよう言って本拠地に戻っていった。
お読みいただき、ありがとうございます。




