バカ
どうしよう。
あれから、俺とミサは、仲良くしている。
と言っても、周りが想像するような仲じゃない。
俺は、そうなっていいんだが。
「はい!今回は、手汗にじまーぬを開発してみました」
俺に渡して来るのは、一見、普通の手袋。
周りから見れば、俺に贈り物をしてるように見えるだろう。
「使ってみて、感想を教えてね」
俺は金も口も出す実験台だ。
「うん、これは良いが、、、肌触りがいまいちだな」
「やっぱりそうかー、でも、これ以上、革にお金をかけると、、、」
最近は、自分で商品を開発することに目覚めたらしい。
「値段は、良いものは高くなるのは仕方ないだろう」
「かぁーっお金持ちは、言うこと違うね!そこを、お手軽な値段にしてこそ、売れるんでしょーが」
こんな調子で、淑女の教育をしてないのか、と思うこともある。
しかし、そこもまたミサらしくて好きだ。
「ミサ、ところで、今度のお茶会だが、、、」
ミサが、どこかを見てる。
その視線を俺は知っている。
視線の先には、ヒルク。
あいつは、あの舞踏会以降、ミサから距離を取っていた。
馬鹿なのか、あれから成績も右肩下がり。
常に成績トップのミサとは、もはや並ぶべくもない。
だが、ミサは、いつもあいつを見てる。
ゴホンと咳払いする。
「あっなんだっけ?ドレイン?」
「次の週末のお茶会だ。王妃が、ミサも連れてこいとうるさいんだ。どうだろう」
ミサの表情が、ほんの少し曇る。
「うーん、私、お茶会苦手なんだよね。みんなで、上品におほほ、とかさ。仕事ならやるけどね」
そう言うミサに、俺は名案を思い付く。
「ならば、仕事にしよう」
王子か、ヒルクか。




