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ひどいや

努力

僕だって、一生懸命やったんだ。


ドレスだって、何ヶ月も前から、お爺様とも相談して。


デザインを決めるのに、僕が迷い過ぎて、お針子さん達には迷惑をかけちゃったけど。


ギリギリ当日には間に合ったのに。



僕はミサの色で全身を包んだ。


ほんの少しだけ、期待したんだ。


もしかしたら、僕のドレスでって、、、


でも、彼女は真っ黒なドレスで現れた。


王子と仲良さそうに談笑しながら入場してきた。


「ミサ、、、」


「ドレイン、、、」


漏れ聞こえる会話は、親密そのものだった。


「ドレイン王子は、あの方と婚約されるのかしら」


「まあ、お似合いだわ、素敵ね」


そして、僕に注がれる哀れみの視線。


「王族が相手ではね」


「可哀想に」


まるで御伽噺の絵のように美しく王子と踊ったミサが、僕のところへ来た。


あんなに楽しそうに、ダンスも何もかも完璧な王子と踊った後に。


僕は逃げた。


何もかもから。


そのまま寄宿舎の部屋に閉じこもった。


どこかで期待してたんだ。


ミサが来てくれるかもって。


それからしばらく経って


僕の部屋に手紙が届いた。


『練習場で待ってます』


ミサだった。


あのダンスの練習場へ急いで向かう。


そこには、僕が贈ったドレスを来たミサがいた。


僕の贈ったネックレスも着けて。


「やり直しましょう、舞踏会」


そう笑う彼女が、あまりにきれいで。


僕は、彼女の顔が見れなくて俯いてしまう。


そうすると、そっと顎を上げられる。


「ほら、背筋伸ばして」


僕は、彼女の瞳を見つめながら、これが最後だと思った。


こんなに美しい彼女が、僕なんかと結婚してくれるなんて、ただの僕の夢だったんだ。


彼女は、王子と結婚するだろう。


それが、彼女にふさわしい将来で、最も幸せになる未来だ。


そう思うと、涙を流しながらも、自然と笑うことが出来た。


ようやく、僕はミサを諦める決心がついた。

根性ー義理人情ー

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