勉強は大切
恋愛小説になってる
学院での授業は、本当に為になる。
各国の特産やそれぞれの特徴も分かりやすくて、人口や人の流れも、とても詳しく教えてもらえる。
そうそう、私が求めていたのは、こういうこと!
「先生!ここは、どういう構造なのでしょうか」
ついつい、熱心に教師に質問してしまう。
ほとんど、私一人で質問してる。
他の生徒たちは、なんていうか、良くいえばお上品。
悪く言えば、あんまり熱心ではない。
最低限、成績を落とさない程度に勉強してる感じ。
「ミサは、ほんと熱心よねー」
仲良くなった王都の貴族のお嬢様からは、褒められてるのか、呆れられてるのか。
「私は、刺繍だけ出来ればいいって言われてるのよ。あとは、恥ずかしくない成績を取って、同じクラスの良い方を見つけるようにって」
そう言う彼女は、聡明で、とても美しい子。
「でも、それじゃあ将来はどうするの?」
私の質問が、余程面白かったのか、笑いが止まらない。
「やっだぁー、もう、ほんと面白いんだから。私、あなた好きよ。退屈しないもの。ミサのような男性がいたら、とっくに結婚を申し込んでるわ」
なかなか、バイタリティも溢れている。
「だからね、将来は結婚するのよ」
笑いながら、そう答える彼女。
「結婚?それで?」
「ふふふ、ほんと変わってるわね。結婚したら、それで終わりじゃない。あとは、旦那様に幸せにしてもらえば良いだけでしょう。だから、良い方を学院にいるうちに探すのよ」
だめだ、全然共感出来ない。
「でも、ミサはもう居るから良いわよね」
「なにが?」
ヒルクを指差している。
「もう将来が決まってて、羨ましいわ。あのダグラス商会だもの、かなりな成功よね」
まだ、その噂続いてるんだ。
「だから、あれはただの噂で、、、」
「はいはい、最近は、ドレイン王子も貴方を見てるって噂になってるわよ。モテる女は罪作りねー」
笑って去っていく友人は、他の貴族の男子生徒に人気らしい。
あちこちから、声をかけられている。
よし、私は勉強だ。
「ミサ、何してるの?」
ヒルクが覗き込んできた。
「次の授業の予習よ」
こいつが、こうやってしょっちゅう声を掛けてくるから、噂になってるんだ。
「ねぇ、ヒルク?」
「なんだい、ミサ」
にこにこ笑うヒルクは、いつまでも子犬のような男の子だ。
「私達、もう2年生になるわよね。13歳になるでしょう?」
「うん、僕達、大きくなったよねぇ」
のほほんとしている。
「だからね、その、もう子供の頃と同じじゃまずいと思うのよ」
ぱあっとヒルクの表情が明るくなる。
「僕も、そう思ってたんだ!ミサも、僕と同じように思ってたの?」
ヒルクも、やはり距離を置いた方がいいと思っていたんだ。
少し寂しいけど、これも成長だもの。
「ええ、もちろんよ。私達、そろそろ」
ぎゅっと手を握り締められる。
「分かったよ、任せてね」
ウインクするヒルク。
あれ?なんだろう、この違和感。
「ヒルク?大丈夫かしら?本当に、、、」
「安心して?ミサの気持ちが1番大事だと僕も思ってたから。本当に良かった」
るんるんと席へ戻って行くヒルク。
そんなに、ヒルクは私と離れるのが嬉しかったのね。
少しどころか、かなり寂しいし、なんだかショックだわ。
楽しい勉強も、なぜか手につかなかった。
うわー
ま、いいか




