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王都での暮らし

囲い込み

私は、王都の上流階級の人が通うらしい学院に入学した。


正直、家の近くの普通の学校で良かったんだけど。


あんまり、金持ちばっかりのところって、居づらいじゃない?


でも、お父様お母様は、この学院からの手紙で、すっかり喜んじゃって。


「あの王都までも、ミサの優秀さが響いているとは!やっぱり私達のミサはすごいな!」


「普通とは違うと思っていたけれど、そこまで私達の娘が素晴らしいとは!私、間違っておりましたわ!」


手を取り合って、感動の涙を流してる。


私は正直、あんまり素直に喜べない。


うーん、言わないでおこう。


「僕は、王都の学院に行くことになってるんだ。向こうに両親もいるしね」


ヒルクはそう言っていた。


「へー、そう。私はこの近くの学校に行くから、なかなか会えなくなるわね」


私は、さして興味も無かった。


他に友達もたくさんいる。


「大丈夫だよ、僕たちは、いつも一緒だよ」


ヘラヘラ笑うヒルク。


変わらないわー、この子。


「そうね、ヒルクにもらったネックレスもあるし。いつでも一緒よね」


あれからの誕生日プレゼントは、花だったり、髪飾りだったりと、割と普通だった。


髪飾りも、ヒルクの色だったけれど。


「ふふふ、楽しみだな」


ヒルクは、やけに上機嫌で、なんとなく嫌な予感はしていた。



あの子、またお爺様使ったわね。



「ミサ?片付け終わった?」


王都では、生徒は全員寄宿舎に入る。


週末には、みんな自宅へ帰るのだ。


寄宿舎では、自分のことは自分でやる。


当たり前のことだけど、お金持ちはあんまり出来ないみたい。


「ええ、終わったわ。ヒルクは?」


あんたのお陰で、王都に来るようになっちゃったじゃない!とは言わない。


「僕も終わったよ。ねぇ、まだ時間あるよね?街へ遊びに行こうよ」


ヒルクにしては、珍しい誘いだ。


引っ込み思案で、家の中ばかりに居るのに。


「あら、いいわね。行きましょう。ついでに買い物もしたいわ」


子供の頃からの癖で、自然と手を繋いで街へと繰り出した。


「まあ、あれ見て?素敵じゃない?」


さすが王都。


見たことも無いような珍しい物がたくさんだ。


「ほんとだね、ミサに似合うんじゃないかな」


きれいなショールを私の肩にかけてくれる。


「うーん、でも、さすがにこんな高い物はね。見るだけで十分だわ」


前世の親のようにはなりたくない。


「待ってて」


ヒルクが、お店の奥へ行って、包みを持って帰ってきた。


「どうしたの?」


「ふふ、内緒」


いや、それさっきのショールでしょ?


こいつ、なんか面倒くさく育ってきたわー。


無駄に見た目がいいから、周りの視線も集めるし。


そろそろ、幼なじみ止めてもいいかな。


「美味しそうー!あのお肉、何かしら」


「あれはね、、、」


ヒルクは、私と違って、お爺様に連れられて、もう何回も王都に来てるらしい。


御両親も、もうほとんどこっちに居るみたいだから、仕方ない。


だから、王都に詳しくて、あちこち私を連れて行きたがる。


「ミサと王都で、こうやって歩けるなんて、夢みたいだ」


そう笑うヒルクは、絵本の中の王子様みたいにキラキラしてる。


うん、私とは合わないわ。


「ほんとね、私も嬉しいわ。王都って賑やかで良いところね」


さり気なく話をずらす。


「そうだよね。ミサも、王都で暮らしたいよね

。僕、学院を卒業したら、そのまま王都で両親の仕事を手伝って行こうと思ってるんだ」


ヒルクが、前向きなこと言ってる。


「それはいい事ね!うん、とてもいいわ!私も応援するから!」


是非、ヒルクには私から巣立って王都で暮らしてもらいたい。


「ありがとう、ミサ。僕、きっと頑張ってすごい商人になるからね」


「ヒルクならなれるわ!絶対よ」


二人で、しっかり手を握り締め合いながら、励ましあった。

追い込み漁

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