噂
噂ってあてにならんもんです。
「ねぇ、聞いたわよ?」
最近、よく家に遊びに来る商家の子から急に言われた。
その子は2歳上だから、やたらに噂話が好きみたい。
懐かしい女子の世界だ。
「なに?なんの話?」
他の子も加わる。
気付けば、4人で団子みたいに固まってる。
「ミサには、もう決まった人が居るって」
「は?なにそれ?」
ポカンとする私と反対に、みんなはキャアキャアと喜んでいる。
こういう話がみんな大好きだ。
「えーっ、誰?もしかして、フレイル?この前のお茶会でミサにデレデレだったじゃない」
「やめてよ、あんな脳みそお花畑」
あははは、とみんなで笑う。
そもそも、9歳が恋愛対象になるはずが無い。
前世だけで25年生きてるのだから。
「ふふふ、、、なんと、ダグラス商会の一人息子よっ」
「「えーーーっ!?」」
私まで声を合わせて言ってしまった。
「私、知ってるわ、その子。なんか、暗くて一人でぶつぶつ喋る子だって聞いたけど」
「そうそう。親があんまり家にいないから、お金持ちだけど、可哀想な子よね」
みんな、好き勝手に喋る。
「ヒルクは面白いし良い子よ?私は仲良しだもの」
そう言うと、みんなキャーっと大喜びだ。
「やっぱり本当なのね!」
「あのねぇ、、、まだ子供よ?そんなはずないでしょう?」
それでちょうど、みんなお迎えも来てお開きになった。
人の噂も75日。
私は無視することにした。
「ヒルク!今日もしっかり勉強しましょうね」
ヒルクと週1回、お父様の仕事を見学させてもらっている。
もちろん、質問なんて出来ないから、近くの椅子で見てるだけだけど。
私は全く退屈しないし、ヒルクも楽しいみたい。
お父様も、遊びに来てる子供たち、と私達を紹介してくれるから、よく珍しいお菓子までもらう。
なんてお得な社会見学!
「こちらは、、、ダグラス商会の?」
ヒルクに気づく人もいて。
「ええ、娘と仲が良いもので、一緒に遊びがてら見学に来てるんです」
そうお父様も紹介して笑っていた。
しかし、噂とは恐ろしいものである。
気にしていては、生きて行けませんな。




