お爺様
絡め取ろうとしてくる大人。
僕の両親は、王都に仕事へ行くことが多くて、1ヶ月の半分は家にいない。
お父様は、もっと家にいない。
もう慣れたけど、ほとんどが召使いとお爺様だけの暮らし。
僕は、地面と空ばかり眺めて暮らしていた。
たまにお爺様がお友達として、何人か遊びに連れて来たり、僕が行ったりしたけれど、みんな決まってこう言うんだ。
「つまんない」
「なに言ってるのか分かんない」
僕もつまらない。
だから、誰とも仲良くなれないし、仲間はずれにもされた。
もう、誰もいらないや。
そう思っていたから、いつもヘラヘラ笑っていた。
でも、ミサは違った。
僕のことをすごいって褒めてくれた。
初めてだった。
僕を認めてくれる女の子。
それに、ミサはすごくかわいいんだ。
僕は、ミサとの遊びをお爺様にも話した。
ミサは、少し変わった遊びが好きみたい。
「それでね、お金を紙で作って、物と交換するんだ」
「ほう、それは商家の娘らしいな」
お爺様は、僕の話を嬉しそうに聞いてくれる。
「ミサはね、稼いで増えたお金で、今は安くても、これから高く売れそうな物を買うんだって。僕、よく分からなくて」
ミサの話は、時々、少し難しい。
「ふぅむ、それはすごい発想だな」
「ミサはね、もうずっと前から家庭教師に勉強を教わってるんだって。僕、ミサよりも、あんまり物を知らなくて恥ずかしいんだ。だから、、、僕も勉強したいんだけど、どうかな」
お爺様は、これにもすごく喜んでくれた。
「まだ6歳になる前から勉強をするとは、これからが楽しみだ」
そして、すぐに家庭教師がうちに来た。
ミサに追い付きたいから、僕は必死に勉強した。
「あら、勉強始めたの?それはいいことね。いつまでも、あると思うな親と金、よ」
「え?なに?」
ミサは、僕が知らないことを言って、一人で笑う。
「お爺様、どういう意味?」
だから、お爺様に教えてもらうんだ。
「ほっほっほっ、面白いことを言う子だ。まさに商会を背負って立つのに最適だ」
お爺様も、ミサのことを気に入ってるみたい。
誕生日プレゼントも、お爺様と街へ行ったら、入ったことの無いようなお店に連れて行かれた。
「この子の髪と瞳の色に合わせてネックレスを作ってくれ」
お爺様が注文して用意されたネックレスは、まさに僕の色。
「お爺様、これをミサに渡すの?」
なんだか、恥ずかしいような、ムズかゆいような。
「ヒルクよ、これは商家に生まれた者にとっての大切な勝負だ。いいか、優れたものは、他の者より先に手に入れるのが商人だ」
そうウインクしながらお爺様に言われた。
えー、このネックレス、そんなに良いものなんだ。
僕、ドキドキしちゃう。
そんなすごい物をプレゼントするなんて生まれて初めて。
ミサ、喜んでくれるかな?
ミサレイは、上手く逃れられるか。




