6歳
誕生日プレゼント
「おめでとう!!」
シェフのマリオがものすごい気合いを入れて作ってくれた私の誕生日ケーキ。
超特大。
いや、これウェディングケーキじゃね?
一昔前の。
「わーぁ!すごぉーい!こんなに大きなケーキなら、毎日たくさん食べられるわね!ミサレイ嬉しい!ありがとう、マリオさん」
マリオさんは、照れてる。
みんなから、プレゼントの嵐。
両親は、歳の数だけのプレゼント。
いやいや、まだ6歳なんだから、こんなに金かけんなよ。
貯金しろよな、金のある時は。
いつ何が起こるかわかんねーだろがよ。
「お父様、お母様、ありがとう!こんなステキな誕生日、初めてだわ!感激しちゃう」
2人に抱きつく。
「ミサレイが元気に育ってくれて、本当に嬉しいよ」
「ええ、すっかり女の子らしくなって」
2人の愛情をめいっぱいもらってますから。
スクスク育ってますよ。
「あの、、、ミサ」
モジモジしながら、ヒルクが前に出た。
お爺様が、後ろでにこにこしてる。
なんだろ、なにか嫌な予感?
「ヒルク!来てくれて、本当にありがとう。お爺様も、嬉しいわ」
そう挨拶するけれど、ヒルクは上の空。
「───っこれ!」
グイッと箱を渡される。
綺麗に包まれたプレゼントの箱。
少し端が潰れてるのは、力を入れて握り過ぎたんだろう。
「あ、ありがとう!プレゼントね?嬉しいわ。ヒルクからプレゼントが貰えるなんて。次のヒルクの誕生日も、楽しみにしててね?」
そう言って包みを開ける。
両親も、私達のやり取りをにこやかに見守っている。
中から出てきたのは───
「ネックレス?」
それは、細い金の鎖に薄い紫の宝石のトップが付いた、ちゃんと私サイズになっているネックレスだった。
うん?
なんだろう、これは、まるで───
「あのう、ダグラス様、これはさすがに、、、」
お父様の表情が、明らかに狼狽している。
やっぱりね。
これ、6歳の子供の誕生日プレゼントとは、ちょっと違うよね。
ヒルクの髪の色と同じ金の鎖と、瞳の色と同じ薄紫色。
これって
「子供同士とはいえ、これでは婚約者の贈り物のように ───」
そうそう。お父様、頑張って!
「ほっほっほっ、そんなに深く考えることもあるまい。これは、ただの6歳の子供の贈り物。ヒルクがこれが良いと強請るもので、わしも困ったのだが、わしらの仲ならば、笑って済ませられるかと思ってな。わしに免じて孫のワガママを受け取ってもらえないかな」
そう私にウインクされたら
両親の顔をチラッと見ても、頷かれたし。
「もっもちろんです!こんなにきれいなネックレス初めて見たわ!ヒルク、本当に嬉しいの。ありがとう」
ぎゅっとヒルクに抱き着いた。
これで、なんとかこの場は収まる。
「着けてあげるよ」
ヒルクが、私の首にネックレスを着ける。
みんなが、静かにその様子を見ている。
私まで緊張してきた。
「出来たよ、すごく似合ってる」
にへら、といつもの笑顔のヒルク。
なによ!ヒルクの癖にこんなプレゼントして!
私まで緊張しちゃったじゃない!
「いつでも、これを付けるようにするわね」
社交辞令だけどね。
これ、絶対高いもの。
本物の金とアメジストっぽい宝石。
間違いなく、このお爺様の画策。
ヒルクなら、アリの観察キットが良いところだもの。
これは、悪い予感しかないわ。
思い出のプレゼントってありますよね




