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最終話 やっぱり、先輩
「アキさん」
「え、セックスするたびにそんな風に呼ぶの?」
だ、だから。
どうしてそれが前提なんですか。
「敬語もそーゆープレイなの?」
頭おかしいんですか。
え。
先輩って、こんな人だったっけ。
私、何も見えてなかった?
もしかして。
「あー、そんなことばっか考えてんのか、この人はって思ってるな?」
どうしてわかったんだろう。
「はい」
「残念。もう格好つけても仕方ないから言うけど、またしたい」
「ええっ」
朝方まで、あんなにしたのに。
「もうずっと、文香とすることばっかり考えてる」
「……」
本当に。
先輩って、こんな人だったんだ。
もっと余裕があって。
もっと大人で。
いつだって私より冷静で。
高校生の頃からずっと。
そんな人だと思っていた。
でも。
たぶん。
私が勝手に、そう見ていただけだった。
「で、なんて呼ぶ?」
そう聞いてきたくせに。
答える前に、唇を塞がれる。
「ん……っ」
言葉が、口の中で絡み合う。
名前なんて。
考える余裕もなくなる。
結局。
私は最後まで。
「先輩」
「……うん」
「先輩……っ」
何度も、何度も。
「先輩」を連呼してしまった。
この癖は。
当分、抜けそうにない。




