第4話 ララ村へようこそ
【G級ランカー、5人撃破!スコアUP】
【スコアが一定量を超えたためランクUP】
【フェイ=アリアス、F級昇格!】
【機能解放!聖騎士団要請・単独魔物討伐】
無情に告げる報告が罪の意識を引き立てる。
〜〜〜
「この感覚に早く慣れないと……」
ランカーの存在。
ランカーの弊害。
ランカーの生涯。
全てを考えた時、この感覚は慣れるべき課題だ。
こうしている内にどうやら目的地に着いたみたいだ。
近くの村人に話しかける。
「依頼で来ました、村長はいらっしゃいますか?」
「それはそれは、実は私が村長の【コリテ】でございます」
「ランカー証を確認してもよいですかな?」
「確認しました、それでは仕事を説明します、着いてきてくだされ」
コリテについて行くと一つの井戸が現れた。
「この井戸が村の生命線でございます」
「しかし、干ばつがひどく井戸に水がなくなってしまいました」
「近くに川があるものの、そこには魔物が大量に湧いておりまして………」
「村の戦士が討伐しに行きましたが、深傷を負わされて教会で治療を受けてる状況です」
「もう私たちも限界が来ております」
村長が手を合わせる。
「お願いします…とにかく飲み水を……子供たちが……」
「一つ考えがあります」
そう言い手に水を作る。
「それは…?」
「水魔法を井戸に入れましょう!」
村長は、不安そうな顔をする。
「正気ですか!?」
フェイは不思議そうに聞く。
「何か問題でも?」
「ララ村にも魔法を使える者はいます」
「そして水魔法も試しました」
「……非常に不味く、飲んだ人から下痢や嘔吐、脱水症状等が止まりませんでした」
フェイは、より不思議そうにする。
「僕は毎日、水魔法で飲水を作ってますよ」
そう言いその水を近づける。
「私が倒れてしまったらもう…!」
「信じてください」
その水をさらに近づける。
その水は、キラキラと輝いていた。
「わかりました…どうせこのままでは死んでしまいます」
綺麗で透明な水を手に取る。
「飲みますよ!」
ゴクリ…。
「……飲める」
「……美味しい!」
「なんて上質な水なんだ!今まで飲んだことがない!」
「これなら皆が喜んで飲んでくれます!」
「どれぐらい必要ですか?」
村長は、笑顔で話す。
「一人一杯ほど貰えれば……」
「それだけでいいんですか?」
「これほどの良質な水魔法…魔力を大量使いましょう…あまり無理をなさらないでください」
「………」
丁寧な態度に何かもっとしてあげたい気持ちになった。
「僕が出来る量を井戸に作りますよ」
そう言い水魔法を使う。
「F級水魔法【ウォーターポンプ】」
井戸の中がどんどん潤ってくる。
そのジャバジャバと水が流れる音に村人が集まってくる。
「まさか…こんな事が!」
潤ってくる井戸、喜びに浸る村人。
「この水…飲めるぞ!」
「なんだこの水!!」
「神の所業だ!」
大袈裟な程のリアクションに悪い気はしなかった。
「本当にありがとう…!」
井戸から水が溢れ出てくる。
「よし、終わりました」
水魔法の出力を止める。
「それでは、戻ります」
「またいらして下さい!歓迎します!」
盛り上がっている村を後にする。
〜〜〜
ララ村 教会
「これを飲みになられてください」
シスターが全身を包帯で巻かれた男達に話しかける。
「こ……れは?」
「とあるランカーが水を大量に生成したそうで、その水が美味しいと」
「どうか貴方様にも」
そっと口に流し込む。
「……うま…い」
その瞬間包帯の男は、緑のオーラに包まれる。
「これは!?」
その男の傷が治ってゆく。
「この水…何重にもヒールが付与されている!?」
バタバタと足音が鳴る。
「シスター!」
「作物に、この水を与えたら……葉が急に青くなっています!」
「成長が早いと…!?」
もはや水という分類ではない新たな液体に村全体が興奮に包まれている。
「あぁ…」
「神の使いに祝福を…」
〜〜〜
ビルドハイ ランカーギルド
「流石に…少し疲れたな」
受付係のもとへ向かう。
「素晴らしいです!初回の依頼から評価Sを貰うなんて!」
「評価S?」
「はい!依頼主からランカーギルドへ依頼の評価の提出が義務付けられています」
「その評価によって報酬が変動しまして、最悪の場合二度と依頼を受けれなくなります」
「それで、貴方様は最高評価のSを取りましたので、追加の報酬が貰えます!!」
そう言い渡されたのは、金貨2枚。
「わぁ!!!」
その金色の硬貨に目を輝かせる。
「緊急依頼のS評価なので!」
すると受付係は一つの紙を不安そうに取り出した。
「それと…一つお願いがありまして……」
「こちらの依頼を受けてもらえませんか?」
渡されたのは1枚の紙。
「フィ……」
受付係は急いでフェイの口をふさぐ。
「口に出さないでください…!」
〜〜〜
ランカーギルドへ
いつも通り、良いランカーを一人、家まで招待してほしい。
フィーエルトより。
〜〜〜
受付係がコソコソ耳元で話す。
「一度こちらへ」
〜〜〜
ランカーギルド 接待室
「ここなら大丈夫でしょう」
「実はその依頼は、大人気で…熱烈なファンが大勢いらっしゃるのでここで話をさせてもらいます」
疲れてそうな受付係になんとなく察する。
「そちらの依頼主は【フィーエルト=パール】様……【S級ランカー】でございます」




