表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
142/229

142 バニーちゃんのお出掛け  

 アニマルドームの砂浜に戻って来たかなえは、牧草地へバニーちゃんを迎えに行く。


 えーと、バニーちゃんは何処かな……?

 かなえは鏡の周辺を見渡してみるが、バニーちゃんは居ないようだ。


「シロン、バニーちゃんは何処にいるの?」

「バニーちゃんは、この先のお花畑に居ます」


 へー、バニーちゃんどうしたんだろう?

 かなえはすぐに、お花畑にジャンプして行く。

 

 すると、バニーちゃんはお花畑で花をムシっていた。

 どうしたんだろう……。

 

「バニーちゃん、何やってるの?」


『あー、カナカナ。あたしねあそこにある花を食べに来たの。それでこの花を洋服に付けたら、可愛いと思ったの』


 バニーちゃんは咲いているタンポポの花を、服に付けたかったんだ……。

 でも、ちぎっただけでは服には付けられないよ。


「うん、タンポポは可愛いよね。でも洋服に付けるなんて良く思い付いたね?」

『だって、カナカナの服、たまにお花が付いてるよ』


 バニーちゃんはたまにかなえが着ている、花模様の服や、ブローチ、それにリリララ姉妹の様子も見ていたようだ。


「シロン、バニーちゃん用に花模様の服はある?」

「はい、用意出来ました」


 かなえはポーチを開けてみると、黄色いレースのウサギ用の服に、可愛らしいピンクの花が幾つも付いたワンピースが出て来た。


「バニーちゃん、お花の付いた洋服があったよ。これ着てみる?」

『うん、あたし着てみたい!』


 かなえは、バニーちゃんが着ているピンクの服を脱がせると、お花の付いたワンピースを着せる。


「はい、着れたよ。わぁー、可愛い!」

 バニーちゃんに花のワンピースがとっても似合っている。


『ほんと? あたし、可愛い?』

「うん、本当だよ。鏡の所へ行こうか?」


 かなえはバニーちゃんと一緒に、牧草地の鏡の前へジャンプして来る。

「はい、バニーちゃん。どうかな?」


『わー、お花がいっぱい! 可愛い!』

 バニーちゃんは、新しいお花のワンピースが気に入ったようだ。


「バニーちゃん、そろそろ森のドームに行こうか?」

『うん、いいよ』


 バニーちゃんは、可愛い服を着て出かける準備が出来たようだ。

 かなえは1頭立て馬車をポーチから取りだし、牧草地に移動させる。


「バニーちゃん、馬車に乗ってね」

『えっ、カーペットじゃないの?』


「うん、そうなの。今日はマリーを迎えに行く為だから、馬車で行った方が良いのよ」


『フーン』

 かなえは、バニーちゃんを馬車に乗せて、かなえも御者台に乗り込む。


「それでは出発しまーす」


 一瞬で、森のドームの道にジャンプして来ると、そのままジョンソンさんの家を目指して馬車を走らせて行く。


『すごーい、木がいっぱい!』

「うん、そうよ。ここは家や家具を作るための木を育てているドームなのよ」


 バニーちゃんは、森は初めてだったらしく、興味深そうに眺めている。

「バニーちゃん、回りの様子は見えるの?」


『うん、あたしニンジン触ったから良く見えるよ』

 

 バニーちゃんはブレスレットに付いているニンジンに触って、スイッチのオンオフをしているようだ。


「もうすぐ到着よー」

 

 しばらく馬車を走らせて行くと、開けた所に出て幾つも倉庫が並んでいるのが見えて来る。


 かなえは倉庫を抜けて、家の前の駐車場に馬車を停車させる。

 

 馬車を引いて来た立体映像の馬は、大きく鼻を鳴らして、尻尾を動かしている。


「はーい、お待たせ―。バニーちゃん、着いたよー。バニーちゃん、私と一緒に行く? それともこの辺りにいる?」


『あたし、カナカナと一緒に行くー』

 バニーちゃんは知らない場所に一人残されるのが不安な様だ。


「うん、わかった」

 かなえはバニーちゃんを抱き上げると、家の玄関の所まで歩いて行く。


「フッー」


 バニーちゃんは、以前よりもスリムになって来たが、かなえの細腕で抱っこして歩いて行くのはなかなかの重労働だ。



 扉の前でバニーちゃんを降ろし「カンカン」とドアノッカーを鳴らす。


 しばらくすると、扉が開いて出て来たのはジョンソンさんの奥さんのアンさんだ。


「こんにちはー。うちのマリーがお世話になりました」


「あー、あんたはかなえさんだね。よく来たねー! へー、この大きいのはウサギかい?」


 そして、かなえの足元にいたバニーちゃんを見つけると、軽々と持ち上げて抱っこする。


 アンさんは相変わらず大きな声で、元気そうだ。

「へー、このウサギ、服着てるよー」

 

 アンさんは、バニーちゃんを抱いたまま部屋の中へ入って行くので、かなえも後を追う。


 かなえがアンさんの後からリビングに入って行くと、ソファーにリンジーが座っていた。


「かなえかー、あの犬を迎えに来たの?」

「そうよ、リンジー。リキとマリーは元気かしら?」


「ああ、日中はほとんど一緒にいるみたいで、ここにはたまにしか顔を出さないよ」


「そう……私ちょっと様子を見に行ってみるわ」

「それなら、あたしも行くよ」

 

 リンジーがソファーから立ち上がり、一緒に犬達を探しに行く事になった。


「このデカいウサギは、私が見ていてあげるから行っといで」と、アンさん。


「バニーちゃん、私ちょっとマリーの事を探しに行って来るから待っててね」と、かなえが話しかけると、


『うん、いいよ』と、バニーちゃん。


「へー、このウサギまるであんたの言葉に反応したみたいじゃないかー!」とアンさんが、感心してバニーちゃんの頭を撫でる。


 バニーちゃんはすっかりアンさんの腕の中におさまっているので、かなえはリンジーの後を追い外へ出て行く。


 

 今はリンジーと一緒なので、マリー達を探すのは任せて歩いて行く。


「そういえば、アンディーとデートしたんだって?」

「えっ、デート?」

 かなえには全く覚えがない。


「だって昨日、一緒に食事に行ったんだろう? アンディーが嬉しそうに話していたよ」


「えっ……? あーっ、違うよ! 昨日は偶然お昼時に放牧地で会ったから、お勧めの屋台のギロピタを食べたのよー!」


「なんだー! 屋台のギロピタかー。アンディーせっかくのチャンスなのに馬鹿だなー!」


エッ? チャンスって。そんなんじゃないんだけど……。

「アンディーは奥手だからな……」


 その後もリンジーはぶつぶつと独り言を言っていた。


「それより、リキさんとマリー達はどの辺に居るのかしら?」

 かなえは話を変えたかったので、リンジーに質問する。


「最近はツリーハウスの周辺にいるんじゃないか? リキにも彼女が出来たのに……全くアンディーのやつはだらしない」


 またリンジーがアンディーの事を思い出したようだ。

 

 ……もー、面倒だなぁー。


 かなえはこの世界に来て見た目は16才になったが、感覚は今でも32歳のままなので、20代前半のアンディーはとても恋愛対象にはならない。


 でもリンジーはどこかの叔母さんみたいに、世話を焼きたいタイプみたいだ。


「シロン、マリー達はどの辺に居るの?」と、かなえは隙をみてたずねると、


「はい、こちらの気配に気が付いたようで、近付いて来ますよ」と、シロン。


 はぁー、良かった。これで帰れるな。

 

 かなえとリンジーがツリーハウスの前までやって来ると、リキさんとマリーが奥の方から走って来た。


「おーい、リキーあんたの彼女のお迎えが来たよー。リキはどうするんだ?」とリンジーがリキさんの首の周りを撫でながらたずねる。


『大丈夫だ。どうせ後で会えるからなー』と、リキさんはリンジーの言葉を理解したように返事をする。



「仕方が無いから、あたしがリキの面倒は見てやるからな」と、言いながらまだリキさんの首や背中を撫でている。


「リンジー、遅くなるから私達はそろそろ帰るね」

「そうか、わかった。リキ、おまえの彼女を見送るんだろう?」


 今度はリンジーはリキさんに話しかけながら、歩いて行く。

 

 リキさんの返答を聞いていると、不思議と会話が成立している。

 


 家の前まで行くと、リンジーが一人で家の中に入って行き、

「かあちゃーん、かなえが帰るってさぁー!」と大きな声で叫んでいるのが聞こえる。

 

 そして、

「えーっ、もう帰るのかい?」と言いながら、中からバニーちゃんを抱っこして玄関まで出て来るアンさん。


「はい、長い間マリーがお世話になりました」

「いいんだよ。今回はリキは一緒に行かないのかい?」


「はい、いつも一緒より、たまに会える方が新鮮なのかもしれません」とかなえは答えておく。


「ハハ、それもそうだねー」と、アンさん。

「あのー、ジョンソンさんにもよろしくお伝えください」


「ああ、いつでもおいで」とアンさん。

 かなえはバニーちゃんを受け取り馬車に向かう。


 見送りに来てくれたリキさんに『あとでね』と挨拶し、マリーが馬車に乗り込む。

 

 バニーちゃんをマリーの横へ乗せて、かなえも御者台に乗る。


「それじゃー、リンジーまたね」

「ああ、かなえ気を付けて帰れよ」


 かなえはゆっくり馬車を走らせて行く。


『あたし、あの人好きー。大きくてやわらかい』と、バニーちゃん。

 大柄で肉付きの良いアンさんに抱かれる方が居心地が良いだろうな……。


『ちょっと、バニー! あなたどうして人間みたいな格好してるの?』と、バニーちゃんの洋服姿に気が付いて驚くマリー。


『えーっ、だって可愛いでしょ?』


 かなえは御者台にいるが、マリーがバニーちゃんの格好に驚いている様子が伝わって来る。


「そろそろ、ジャンプするよー」と、かなえが話しかけると、

「かなえ、まだリトくん達がこのドームにいます」とシロン。


「あっ! そうだったー」

 危ない危ない。


「ありがとうシロン。リトくん達はどの辺に居るの?」

「この道をしばらく真っ直ぐ行った、右側の木にとまっています」


 かなえは馬車を走らせて行き、シロンに言われた場所で馬車を停めてリトくん達を呼ぶ。


「リトくーん、ピーちゃーん帰るよー」


 すると、サァーと高い木の上の方から降りて来て、かなえの肩にとまるリトくんとピーちゃん。


「お待たせ―。森のドームは楽しかった?」と、かなえが2羽にたずねると、


『うん、ぼく面白かったよー』

『あたしも沢山飛んだのー』と、森のドームを満喫したようだ。


「はい、それでは今度こそアニマルドームへ帰りまーす!」

 かなえは馬車ごとアニマルドームの牧草地へ移動して行く。


「はい、着いたよー」

 

 すると、リトくんとピーちゃんは、ジャンプミラーのある小屋の方へ飛んで行く。

 

 マリーは馬車を駆け降りると『お先に―』と山の上の方へ空中階段を昇って行く。


 かなえはバニーちゃんを抱えて地面に降ろし、馬車をポーチの中へ仕舞う。


「バニーちゃん、ここでいい? それとも温泉の方が良いかしら?」とかなえが聞くと、


『あたし、ここでいい』と、バニーちゃん。

 最近は鏡の前がお気に入りの場所らしい。


「わかった、それじゃぁー私は行くね」


 かなえはシャワードームへ移動して行き、眠っているキングス達とジジさん達を送り、シャワードームにウオッシュを掛ける。


 一通り終わると、スミス夫妻の庭へジャンプで移動して行く。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ