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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
127/229

127 マリーとリキさん

 

「マリー、リキさん、お待たせ―」

 

 かなえは慌てて雲の上の温泉にやって来ると、マリーとリキさんは横の休憩場でウトウトとしていた。


『……かなえ遅かったじゃない?』


「ごめんねー、実はパオちゃんと子猫達が……」と、かなえは砂浜での様子を眠そうなマリーに説明する。


『フフッ、あの子達、砂まみれになったのー? でも湖で遊んで大丈夫かしら?』

「うん、体は浮くから溺れる危険はないと思うよ」


『そう?』

 マリーは心配そうにして、リキさんと一緒に行こうか迷い始めたようだ。


「大丈夫よ、マリー。子猫達の事は面倒見るから」

『そう? ありがとう、よろしくね』


「リキさんも、これから出発しますけど、いいですか?」

『ああ、いつでもいいぞ』と、起き上がるリキさん。


 かなえはポーチから、1頭立ての馬車を休憩場に出すと、マリー達に乗ってもらう。



『それでは、これから森のドームへ向かいます』

 一瞬で森のドームのはずれに着くと、そのまま馬車を走らせて行く。


「シロン、ジョンソンさんは何処にいるかな?」

「今はこの前の、倉庫の中で仕事をしているようです」


 そうなんだ……。

「マリー、リキさん。ジョンソンさんは、倉庫にいるみたいだから一緒に来てね」


 かなえは馬車を家の前で停めると、マリーとリキさんと一緒に倉庫へ歩いて行く。

 

「あら? ここじゃないのかな?」と倉庫の中を見るが、広いので何処にいるのか見当もつかない。

 

 すると『オヤジはこっちにいるぞ』と、リキさんがかなえ達を誘導してくれる。


 かなえとマリーがリキさんの後に付いて行くと、奥の方に事務所の様な一角があった。


 かなえが扉を開こうとすると、

『ワンワン、親父開けろ―』と、リキさんが扉に向かって吠えた。


 

 すると、いきなり扉が開いて、

「おお! リキじゃないかー。やっと帰って来たかー。元気そうだな―」と、ジョンソンさんが部屋から出て来た。


 リキさんは嬉しそうにジョンソンさんに飛び掛かって、尻尾をブルンブルンと揺らしている。


「あのー、リキさんの足はもう治りました。薬も必要ありません」


「おお、そうか! 良かったなぁー、お前、毛並みがますます良くなったなぁー」とジョンソンさんは、リキの頭や首の周りを、ゴシゴシと撫でる。


「それで、あのーうちのマリーもリキさんと一緒にいたいみたいなので、しばらくまたこちらに、いさせてもらってもいいですか?」


「そうか、いいぞ。リキも隅に置けないなー、こんないい子を見つけて来て!」

 

 ジョンソンさんは身体も大きいが、声も大きいので倉庫中に会話が聞こえているだろう。


「この先どうなるかはわかりませんが、この犬達の互いの家を行ったり来たりさせてもいいですか?」


「それは、いいぞ。リキが嫌がらない限りはな」

「そうですか。そうしたらまた、こちらの方へ来た時に迎えに来ます」


「ああ、わかった。遠い所をありがとよ」

 かなえは話が終わったので、倉庫から出て馬車に向かう。


 

 マリーとリキさんが、かなえを見送りに外に出て来たので、


「マリー、リキさん、また何日かしたら迎えに来るね。何か必要な物があれば用意するけど?」


『それなら、森のはずれにプロの実の木を植えてくれない? ここから直ぐの所にはあるんだけど、奥の方には無いのよ』


「そう? いいよ。それなら今から行こうか?」

『ええ、そうね』と言いながらマリーはリキさんの方を向く。

『ハハッ、そうか。そうしてもらえると助かるな』と、リキさん。


「では、今から森のはずれに、移動しまーす」と、かなえは倉庫のある辺りから一番遠い所へジャンプして行く。


「はぁーい。この辺が森のドームのはずれだけど、ここでいいのかな?」

『そうね、リキはどう思う?』


『そうだな。この辺りだと良いかもしれないな』

「わかった、じゃぁーまず、この辺に植えておくね」


 かなえは地図を取り出すと現在地を表示させ、プロの実の木を開いている空間に数本設置して行く。


『わぁー、こんなに沢山植えてくれたの?!』

『これはいいなぁー』と2頭共、プロの実が沢山実った木を見て喜んでいる。

「この辺にお水はあるの?」


『ああ、この先に細い川が流れているから、水は大丈夫だ』と、リキさん。

 

 本当は小屋や、温泉も造ってあげたいけど、さすがにそれはまずいかな……。


「他には、何か必要な物は無い?」

『そうね……これで十分よ』と、マリー。

『そうだな』と、リキさん。


 うーん、何かしっくり来ないなー。


「シロン、ここに他に設置できるとしたら何?」

「それはいくらでもありますが、効果的なのはジャンプミラーでしょう」


「えー!? それってこことアニマルドームをつないでいいの?」

「はい、何も問題はありません」


 そうか! そうすれば距離的な問題は、解決するな。


「シロン、何処へ設置すればいい?」


「そうですね、それならシモンズさんの家から近い、ツリーハウスの辺りが良いのでは?」

 

 そうか、それならそこにしよう。


「マリー、リキさん。良い事を考えついたから、今からツリーハウスへ来てくれる?」

『ええ、いいけど―』

『ああ、いいぞ』


 かなえはマリー達を連れて、ツリーハウスの横へ移動して来る。

『ここがどうしたんだ?』と、不思議そうなリキさん。


「あのー、この辺で人が寄り付かないところは何処?」


『うーん、そうだなぁー、この辺は小さい頃に子供たちが遊んでいたが、最近はほとんど寄り付かないぞ』


 ふーん、そうか。

 かなえは小さな物置を見つけたので、近くに行き後ろ側に回ってみる。

 

 ……ここが良さそうだな。


 かなえは小さめのジャンプミラーを取り出して、小屋の裏側に設置する。

 丁度、大型犬のリキさんがくぐれる位の大きさだ。


 次に、そのジャンプミラーにリキさんとマリーの名前を登録する。

 

 近寄って来たマリーとリキさんに、ジャンプミラーの機能を説明する。


『えっ? それならこれからはいつでもここと、アニマルドームを行き来できるの?』と、マリー。

『おお? 温泉にこれからも入れるのか?』と、リキさん。


「そうよ。これから向こうもジャンプミラーを設置して来るけど、どこがいい?」


『そうねー。温泉から近い方が良いかしら?』

『ああ、そうだな。眠くなっても戻って来やすいからな』


「わかった。それなら雲の上の温泉に設置して来るね」

『かなえ、この鏡だと目立つから、もう少しわからない様にしてもらえない?』


「あっ、そうね」

 かなえはジャンプミラーを少しづつ、透過させて行き輪郭がなんとなく見えるぐらいまで薄くする。


「これから設置して来るから、少し経ったら来てくれる?」

『ええ、わかったわ』

『ああ、いいぞ』


 かなえは、すぐにアニマルドームの、雲の上の温泉へ移動して行く。

 うーん、何処にしようかな……ここにしよう。


 かなえはジャンプミラーの、もう一つの方を取り出すと、休憩場の一番端の壁に設置する。

 そして、リキさんと、マリーの名前を登録する。


 しばらく待っていると、マリーとその後からリキさんも、雲の上の温泉のジャンプミラーから出て来た。


「はぁーい、無事に来れたねー」

『わぁー、凄いわー』

『ああ、これからはいつでもここに来れるんだな!』


「そうよ。でも、いつもここに居たりしないで、1日に何度かジョンソンさんの所には顔を出してね? マリーはたまには子猫達に会いに来るでしょ?」


『ああ、それは大丈夫だ』

『ええ、もちろんよ』


「じゃぁー、これで準備完了ね。私は馬車を取りに戻るからもう行くわ」

 

 

 かなえは馬車の置いてある、ジョンソンさんの家のすぐ側にジャンプして来る。

 そして、馬車に乗り込みドームの出口の方角へ走らせて行く。


 そろそろ、アニマルドームへ戻ろうと思っていると、前方から荷馬車に乗った、男の子の様な格好のリンジーが近づいて来た。


 すぐ目の前まで来たところで、お互いの馬車を停める。


「リンジー、どこかへ行って来たの?」

「ああ、ドームシティーへちょっとね。かなえはリキを送りに来たのか?」


「ええ、そうよ。またマリーも一緒に連れて来たから宜しくね」

「そうか、わかった。じゃぁー気を付けて帰れよ」

 

 リンジーは、颯爽と荷馬車で走り去っていく。



「シロン、もう馬車をしまっても大丈夫?」

「ええ、もう近くには誰も居ません」



 かなえは馬車から降りると馬車をポーチにしまい、アニマルドームのパオちゃんの小屋の前までジャンプして行く。


 あら? パオちゃん、まだ帰っていないんだ。

 かなえは小屋の中へ入りウオッシュを掛け、空になったミルクタンクを交換する。


「シロン、パオちゃん達は何処にいるの?」

「今は、猫の温泉にいます」

 

 そうなんだ……大丈夫かな?

 かなえは自分にウオッシュを掛け、猫の温泉に移動する。


『キャー』

『アワアワ―』

『ブクブク』

『パオーン』

 

 泡のお風呂で、騒いでるパオちゃんと子猫達がいた。

 休憩場には呆れ顔の、クーちゃんとバニーちゃん。


「うぁー、大騒ぎねー」

『ああ、カナカナ。あの子達はなんだか、気が合ったみたいであれから昼寝もしないで騒いでるよ』


「えー! 昼寝もしてないの?」

 うーん、そろそろミルクを飲ませて休ませた方がいいな。


「クーちゃん、バニーちゃん。あの子達を見ていてくれてありがとう。ちょっとあの子達を休ませてくるわ」


 かなえは泡風呂で騒いでいる、パオちゃん達の所へ来ると、

「はぁーい、あなた達! ここはみんなでゆっくり過ごす温泉だよ。遊びたかったら外に行ってねー」


『あー、カナカナ』

『だって―パオちゃんの鼻がおもしろいんだよー』

『はながグニャグニャだよ―』


「うん、わかった。そろそろお腹が空いたでしょ? 小屋に戻って休憩する時間よ」


『うん、お腹すいたー』

『ペコペコ―』


 かなえはみんなを湯船から出して、ウオッシュを掛けて乾かすと、まず子猫達の小屋へ連れて行く。



「それじゃ―、食べたらお昼寝しなよ」

 かなえはそう言うと、パオちゃんを連れて小屋へ移動して行く。



「はい、パオちゃん。ミルク飲んだら少し休みなね」

『うん、ぼくおなかすいたー』


 パオちゃんは、ミルクタンクに近づいて行くと、ごくごくとミルクを飲み始めた。


 フフッ、お腹が空いてたのに、遊ぶのに夢中だったようだ。

 

 パオちゃんは、やっとお腹がいっぱいになったのか、自分のマットまで歩いて来ると、ドサッと体を倒し横になった。


 パオちゃんの頭を撫でながら「パオちゃん、元気になって良かったね」と話しかけると、


『うん、ぼく元気だよ……』と言いながらパオちゃんは大きなあくびをして、目を瞑った。


 良かった。パオちゃんは体調も良くなったし、子猫達とも仲良くなれたみたいだな。


 

 かなえはパオちゃんが眠ったのを確認すると、シャワードームへ向かう。


 シャワードームの休憩場で眠っているのは、キングスとクイーンだけだった。

 かなえは先に周辺にウオッシュを掛けると、キングスとマリーを小屋へ送って行く。


「シロン、私何か忘れていることはある?」

「はい、お昼を食べていない以外はありません」


「えー!? そうだ……」

 

 お昼に森のドームに行っていろいろしてたから、忘れていた。

 だからお腹がこんなに空いているんだ……。


 

 かなえはジミーさんの庭に移動して来ると、誰も居なかった。

「シロン、みんなはまだ戻って来ていないのかな?」


「ジミーさんはもうすぐ着きます。リリララ姉妹はパオちゃんの小屋にいます」


 へー、あの子達はもう戻っていたんだ。

 小屋へジャンプして行くと、リリララ姉妹が小屋の中で眠っているパオちゃんを眺めていた。


「あなた達、ここに居たの?」

「あっ、かなえさん。はい、今日は温泉は行かないで買い物をして早めに戻って来たんです」


「そう、楽しかった?」

「うん。ララ、新しい服買ったよー」

「そうなんだー。それは良かったね」


 小屋を出ると、ジミーさんの家の庭まで3人で歩いて行く。

 すると、ちょうどジミーさんもドームシティーから戻って来た。


「お帰りなさい、ジミーさん」

「やぁ、ただいま」


 かなえはリリちゃんと一緒に、夕食の準備をしてテーブルに並べる。


「はぁーい、それでは食べましょー」

「いただきまーす」


 今日の夕食は、プロの実ボールのトマトソースパスタ。ミックスきのこのガーリックソテー。

 アスパラのチーズ焼き。グリーンサラダにコンソメスープだ。


 デザートはチョコレートケーキ。

 飲み物はピンクベリージュースとマンゴティー、ジミーさんにはカフェラテにした。


「それでねー、ララねー」と今日買ったララちゃんの洋服の話と、リリちゃんが牧場の温泉の話をする。


「あの、地下の流れる温泉は凄かったなぁー」とジミーさん。

 そして、今日のミーティングでの様子も、簡単に話してくれる。


「そうですか、メラニーさん達のお店も近いうちに出せそうですね」

「ああ、そうなんだ。もう場所は確保出来ているからね」


 かなえは、子猫達とパオちゃんが湖で泳いだこと、リキさんを森のドームへ送って行き、ジャンプミラーで行き来出来るようにしたことを話す。


「そうですかー。動物達はすぐに泳げるようになるんですねー」とリリちゃん。


 かなえは、牧場の流れる温泉の様に、このドームの湖や川も体が浮くように設定したと伝える。


「だから、あなた達もすぐに泳げるようになるよ」

「えー、ララ泳ぎたいなー」


「そう? それなら時間がある時に一緒にみんなで泳ごうか?」

「うん、いいよ!」と、嬉しそうなララちゃん。

 

 この島の周りを、みんなで泳ぐのもいいかも……。


 

 かなえは食べ終わりテーブルを片付けると、動物達の様子を見に行く。

 遊び疲れたのか、子猫達もパオちゃんもまだ眠っている。


 クーちゃんとバニーちゃんが一緒にいたので、

「あの子達の世話は大変だった?」と聞くと、


『いや、騒がしいだけで、危ないことはしていなかったよ』と、クーちゃん。

「そう、良かった。バニーちゃんも湖に入ったの?」


『ううん、今日は見てたの』

「そうなの? バニーちゃんも試して見ればいいのに。泳いだ後温泉に入れば体も乾かせるよ?」


『うん、今度およいでみる』

「そうね。それじゃぁー私は帰るね」



 かなえは自分の部屋へジャンプして来る。


「はぁー」

 今日は長かったなぁー。

 

 もう眠くなって来た。


 かなえはサッとシャワーを浴びて、寝る支度をするとベットに入る。

 

 牧場の牛達の温泉も問題は無いし、マリーとリキさんはもう会いたい時はいつでも会える。

 

 パオちゃんはこのドームで暮らして行けそうだな。


 よかった……。


 

 かなえはゆっくり目を閉じた。



――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス  

 マイナス 

      

 残り   221万5400 

 パワー  497


―――――――――――――――― 

 予定  リキさんを週末森のドームへ送って行く 完了

     動物達を連れてお出掛け

―――――――――――――――― 

 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 



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