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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
126/229

126 パオちゃんと動物達 

「お待たせ―」

 かなえはリリララ姉妹の家まで来ると、居間で待っていた二人に声を掛ける。



「それじゃぁー出発するよー」

 リリララ姉妹と一緒に牧場にやって来ると、

「あの木の後ろから、温泉の様子が見られるから、見ながらでも待っていてくれる?」と伝え、かなえは牛舎へ向かう。


 牛舎の掃除が終わり、牧場も回ってウオッシュを掛けて、リリララ姉妹の所へ戻って来る。


「どう? 中の様子は見れた?」

「あー、かなえさん。本当に地下で牛達が泳ぐんですね!」

「牛さん、泳げるんだねー」


「うん、そうだよ。外だと目立つから地下に流れる温泉にしたんだ。運動不足の解消に効果があるみたい」と、説明すると、


「そんな、地下に温泉なんて凄いです!」と、リリちゃんは興奮して。

「うん、中も見たいなぁー」と、いつものララちゃん。

「フフっ、いいよ。じゃぁー中も見に行ってみよう」


 かなえは自分とリリララ姉妹にウオッシュを掛けて、流れる温泉の歩道にジャンプして行く。


「ジミーさんにも聞いたかもしれないけど、ここの温泉は、牧場の敷地の内側を一周しているの。それで……」


 かなえは二人に、一通り温泉の説明をする。


「あーっ、外が見えるー」と、ララちゃん。

「牛は泳ぎが上手なんですねー」と、泳いでいる牛を見ながら感心するリリちゃん。


「じゃぁー、ここから上に行ってみよう」

「えっ? 上につながっているんですか?」


「うん、そうなの。ここから上まで行けると便利でしょう? さ、行ってみようか」


 かなえはリリララ姉妹を連れて、スロープを上って行く。

 途中上から降りて来る牛とすれ違うが、十分な広さがあるので問題無い。


「わぁー、ここからはもう地上なんですね」

「あっー、牛がいっぱいいるー」


 上の温泉に来ると、休憩場に横たわる牛達がいた。

 

 牛達は急に入って来た人の気配に目を向けたが、かなえがいたので安心したのか、すぐに元の体勢に戻る。


「ちょっと、見学させてくださいねー」と、かなえは周りの牛達に声を掛けておく。


「シロン、この中にジジさん達は居る?」

「いいえ、今は外で食事の時間のようです」


 温泉にいる牛達の様子は、のんびりとくつろいでいる。

 何も問題は無さそうだな……。


「そろそろ行こうか」

 かなえはリリララ姉妹を連れて、牛舎の前に戻って来る。



「私はそろそろ、アニマルドームの掃除に行くけど、あなた達は行きたいところがあれば連れていくよ?」


「そろそろ、新しい服が欲しいので、ハッピーキッズに連れて行ってもらってもいいですか?」と、リリちゃん。


「うん、いいよ。はーい、移動します」

 かなえはリリララ姉妹を連れて、子供服のハッピーキッズから一番近い木の影にジャンプして来る。



「はーい、お待たせー」

「ありがとうございます」

「ありがとー」



 かなえは、二人を見送ると、アニマルドームの砂浜へジャンプして来る。


「シロン、パオちゃんはどうしてる?」

「今は自分の小屋で、眠っています」


 フフッ、さすがにお腹いっぱいになって眠くなったかな。


 かなえは動物達の小屋に、ウオッシュを掛けて行く。

 次に牧草地と隣のプロの実畑に、ウオッシュを掛ける。


 そして、山の温泉の1合目に移動して行くと、グレーの大柄な猫が温泉に入っていた。



「えーと、グレさんでしたよね。温泉の湯加減はどうですか?」

『ああ、良いよ。だけどこの温泉は随分深いんだな―』


「ああ、そうなんです。主に大型の動物用に造ったので……」

 

 そうか、もうジジさん達やキングス達はこの温泉には来ないだろうから、小動物用に作り変えてもいいな。


「あのー、ここの温泉を猫さん達用の大きさに変えることにしたので、ちょっと休憩場にいてもらってもいいですか?」


『へー、そうか。それはいいな。頼むよ』


 お湯から上がって来たグレさんは、身体がビッショリと濡れているので、ウオッシュを掛けて乾かすと、


『おおー、こりゃー凄いなぁー。もう、乾いたぞ?』と、不思議そうにかなえを見る。


「温風トンネルでも乾かせるように造りますねー」と、かなえは地図を表示させ、1合目の温泉の改装を始める。


 まずは、今ある温泉のお湯を抜き、浴槽も取り外す。

 浴槽は3つで深さは遠浅にして、一番深い所でも水深40センチにする。


 今は周辺が岩や石でごつごつしているので、ドームシティーの温泉の様に白くて、滑らない清潔感のある雰囲気に変える。


 床と浴槽に壁を一体化させて、ぶつかっても危なくない様に、丸みを付ける。

 

 効能は、毛並みの良くなる美容効果のある湯と、肉体疲労に効く湯、奥には泡風呂で免疫を高める効果のある湯にした。


 出入り口にトンネルシャワーと温風トンネルを並べる。


 どんどん、温泉が変化して行く様子を眺めていた猫のグレに、


「グレさん、温泉の方は大体で出来ました。今度はその辺りを変えるので、温泉に入っていてもらえますか?」


『ああ……なんだか驚いたぜ。そんな簡単に出来るんだな―』


 かなえはグレさんが美容効果のある湯に入って行くのを確認すると、今度は休憩場の改装をする。


 まず床を白く変え、少し柔らかい素材にする。そして、休憩場の半分を床暖房を低めの温度で設定しておく。


 隅にキャットタワーを二つ設置し、柔らかいクッションを敷く。

 あっ、あとお水だな……。

 かなえは休憩場に一か所、猫に飲みやすい低い位置に水飲み場も設置する。


 こんな感じかな。


「グレさん、出来ましたよー。どこか変えて欲しいとこがあれば言ってくださいね」


『いや、大丈夫だ。あ、えーと、俺達猫はあんたに助けてもらい、よかった……』


「フフッ、どういたしまして。外の広場にプロの実も植えておきますね」


 グレさんは、思ったより性格はきつくないんだな……。

 

 かなえは温泉から出ると、1合目の広場にウオッシュを掛け、猫用のプロの実も何本か設置する。


 その後は、3合目の温泉と頂上にウオッシュを掛け、雲の上の温泉に向かう。



「あっ、マリーと、リキさん。湯加減はどうですか?」

 マリーとリキさんが、並んで湯船に浸かっていた。


『あー、お湯はいつもと同じでいいわよ。それであの鼻が長い子はどうなの?』


「あー、あの子の名前はパオちゃんよ。子猫達が決めたの。今は猫のクーちゃんと、バニーちゃんに任せてるわ」


『ふーん、パオちゃんね』


「ところで、リキさん、そろそろ森のドームに戻らないと、ジョンソンさん達が心配すると思いますけどどうします?」


『ああ、そうだな。じゃぁー、戻るとするか。マリーも来るだろう?』

『えっ……どうしようかしら』

 マリーはかなえの顔をチラッと見たので、


「マリーは好きにしていいよ。子猫達は段々大きくなって来たし、マリーにはもっと自由にして欲しいな……」


『そう? それなら一緒に行こうかしら。温泉に入れないのは残念だけど、あの森の中を走るのも気分が良いのよ』

 

「それなら、もう少ししたら迎えに来るから、準備しておいてね?」


『ええ、いいわ』

『ああ』と、2匹ともますます仲が良くなったような感じだ。


 

 かなえは森のドームに行く前に、シャワードームへ移動して行く。


 今日は、キングス達と、ルークス達がシャワードームの中で跳んでいた。


 かなえは休憩場や気になる所にウオッシュを掛けると、もう一度パオちゃんの様子を見に行く。


「あら、パオちゃんはもう起きたのね?」

 かなえは小屋の中を覗いてみるが、パオちゃんも、クーちゃん達の姿も無い。


「シロン、パオちゃんは何処にいるの?」

「すぐ側の砂浜で砂をかぶって遊んでいます」

「えっ、砂?」


 

 かなえは近くの砂浜にジャンプして行くと、砂浜で寝転んで体中砂まみれのパオちゃんと、真似をして砂を浴びている子猫達がいた。


 その周りにはあきれて見ている、クーちゃんとバニーちゃん。

「ちょとー、あなた達何してるのー」


『あー、カナカナ、おもしろいよー』

『パオちゃん、すなが好きなんだよー』

『パオーン、すないっぱーい!』


 パオちゃんは体中砂だらけなのに、鼻を使ってさらに自分の体に振りかけている。


「シロン、こんなに砂だらけで大丈夫?」


「はい、象はこうやって砂や泥で、汚れを取り除いたり皮膚に栄養を与えるのです。湖での水浴びも喜ぶでしょう」


 ふーん、そうなんだ。

 それなら注意したらダメなんだな。


 でも、パオちゃんも、子猫達も砂だらけで、もう体の色がわからない。

「あなた達、砂で遊んだあとはちゃんと、お水か温泉できれいにしなよ」


『うん、いいよー』

『わかったー』

『もっと、あそぼ―』と、子猫達。


『パオーン、じゃぁー今度はお水にしよー』と、パオちゃんは砂浜から湖に走って行き、水の中へ入って行く。


『お水、きもちいい―! みんなもおいでよ』と、パオちゃんが子猫達を呼ぶと、


『うん、いいよー』

『よーし』

『お水だー』と子猫達が湖の中へ入って行こうとするが、水の中へ入って行けない。


 かなえが首輪を付けたので、子猫達は湖に入れないのだ。


『あー、お水に行けないよー』

『パオちゃんのとこ、行こ―』


 うーん、どうしよう。

 楽しそうだから、水の中には入れてやりたいけど……。



「シロン、何かいい方法は無い?」

「それでしたら、流れる温泉の様に、水の浮力を大きくすればいいでしょう」

 

 そうか! 水に沈まなければ息は出来るから、そこまで危険ではなくなるのね。


「シロン、それならこの湖や川と貯水池の浮力を変えて、沈まないようにしてくれる?」

「はい、出来ました」


「あなた達、水の中に入っても良いから、首輪を外させて」


 かなえは子猫達の首輪とバニーちゃんの首輪も取り外し、ウオッシュを掛けてポーチにしまう。


「はーい、そうしたらみんな湖に入ってもいいよ。深い所に行かない様に気を付けてね」



『ヤッター!』

『キャー!』

『それー!』


 子猫達は、バシャバシャと勢いよく水の中に入って行く。


『大丈夫なのかい? この湖は深いんだろう?』と、心配そうなクーちゃん。

 

 かなえはクーちゃんと、隣にいるバニーちゃんに体が浮くように設定したから、大丈夫だと説明する。


「バニーちゃんも、みんなと湖で遊べば?」

『うーん』と、バニーちゃんは消極的だ。

 

「クーちゃんもどう?」


『はっ? 何を言っているんだい。あたしが水遊びなんてするわけ無いだろう! 温泉で十分さ。バニーは子供らしく、遊んで来ればいいだろう?』と、クーちゃん。


「かなえ、そろそろお昼です」

「え?」

 大変! マリー達を待たせていたんだ。


「あなた達、水遊びは身体が冷えるからそろそろ上がって、温泉に行きなよ」

 


 かなえは後をクーちゃんとバニーちゃんに頼み、マリー達のところへ移動して行く。




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