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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
121/229

121 牛達の感想


「どうですかー? お湯の深さは変えられますけど」


『そうだな、これぐらいでいいと思うぞ』

『ええ、足は付くからこれぐらいなら、大丈夫よ』


 でも特に楽しそうには見えないな。

 何か利点がないと牛達はこの流れる温泉に入ってはくれないだろうな……。


「シロン、牛達に楽しんでもらいたいんだけど、何か良い方法は無い?」


「そうですね、それでしたら浮力を大きくすれば、浮き輪を付けなくても体が浮きますが試して見ますか?」


「へー、そうなの? それなら浮き輪を付けた時と同じ位に浮くことは出来るの?」

「はい、では試しにやってみましょう」


 するとジジさん達が、

『おおっ、何だこれは! 体が浮きだしたぞ』

『まぁー、足が着かないわー』と、騒ぎだした。


「大丈夫です。お湯を調節して体を浮くようにしたんです」

『そうか、あの時みたいだから、大丈夫だ』


 ……前に動物達と湖を泳いだ時の事ね。


『本当に大丈夫? 何だか怖いわ』とババさん。


「大丈夫ですよ。慣れて来たら足を動かして見て下さい。自分の行きたい方向へ行けるようになりますよ」


『おお、そうだな』

 それから2頭は、足を使って泳ぎの練習を始める。


 ジジさんは泳ぐのが2回目だからか問題無さそうだ。


『それっ! エイ! うーん、なんとなくわかって来たわ』と、ババさんも泳ぐコツがつかめて来たようだ。


「お湯の流れはそれぐらいでいいですか?」

『うーん、そうだな。他の牛達が慣れるまでは、これぐらいでいいんじゃないか?』


 体が浮くようになると、少し面白くなって来たようでジジさんとババさんんは真剣に足を動かし始める。


「無理しないで適当な所で休んでくださいねー」

 

 ジジさんババさんは、シャワードームで鍛えていたので年の割には、体力がある方だろう。


「次の出口で温泉の所に出ます。ちょうど1周ですよー」

『そうか、そろそろ休もう』

 

 ジジさん達は上手に泳いで、出口に向かって行く。

 かなえは外にジャンプで移動し、スクーターを片付け洋服に着替える。


 ジジさんとババさんが、温風シャワーから出てきたところで、かなえはもう少し話を聞かせてもらう。



「どうでしたか? 流れる温泉は、他の牛達に受け入れられると思いますか?」

『うーん、そうだな。若い牛達は喜ぶだろう。ただ年寄りにはどうだろうな』


『この流れる温泉は、体が元気になったり、毛並みが良くなったりするのかしら?』

「いいえ、まだ何も付けていませんが」


『うーん、そうだな。元気になるなら年寄りもやる気になるかもしれんな』


 かなえは流れる温泉には何も効能は付けないつもりでいたが、泳ぎを楽しんでもらう為にも、疲労回復の効果と、ババさんのリクエストの美容効果も付けた方が良いようだ。


「わかりました。肉体疲労と美容に効く効能を付ける事にします」


『そうか、それなら誘いやすいな』

『そうね、他の牛達も喜ぶと思うわ』


 かなえはシロンに頼んで、温泉に二つの効能を付けてもらうと、

「準備が出来ました何頭かの牛達にも試してもらえますか?」


『よし、わかった。連れて来るよ』

『そうね、待っててね』


 ジジさんババさんは、温泉のトンネルシャワーの入口から中に入って行く。

 何とかここまで出来たな……。


「シロン、バニーちゃんはどうしてる?」

「お腹がいっぱいになったようで、木陰で眠っています」

 フフッ、それならそのままにしておこう。


 しばらく待っていると、ジジさんとババさんが後ろに牛達を引き連れて、温泉から出て来た。


「ジジさん、温泉の牛達全員に声を掛けたんですか?」

 かなえは次から次へと温泉の温風シャワーから出て来る牛達に、驚いてしまう。


『いや、わしは何頭かに声を掛けただけだったんだがな』

『カナカナが、何か造っているのを気が付いた牛が、温泉にいる牛達に教えたみたいなのよー』

 

 そういえばかなえとバニーちゃんが泳いでいる時に、上から様子を伺っている牛達がいた。


「わかりました。でも一度に入るのは危険なの間隔を開けて入ってもらいますね」


 かなえは外に出て来た牛達に、順番に並ぶように伝える。

「危ないので、ゆっくりとこのトンネルシャワーから入って来てください」


 かなえは水着に着替え、先に流れる温泉の中の歩道に移動して、入って来る牛達を待ち構える事にする。


 しばらくはジジさん達には外で、牛達を誘導してもらおう。

 かなえがスクーターを出して待機していると、最初の牛が入って来た。


「はい、それではここからお湯の中に入って行ってください。足を動かして泳ぐ練習をしてみてくださいね」


『おお、わかった、大丈夫さ』と、1番目の大柄なグレーの牛が、スロープからお湯に入り泳いで行く。


 すると、すぐに次の牛が来たので、かなえは同じ説明をして流れる温泉の中に入って行く牛を見送る。


 温泉から歩道に上がるスロープは幾つも付けたので、途中で疲れてもすぐにお湯から出られるだろう。


 歩道を温風シャワーの所まで歩けば、外に出られるから問題無いとは思うが、泳ぐのが初めてな牛達なので気が抜けない。


「シロン、牛達に何か問題が無いか見ていてね」

「はい、今の所順調に泳いで行っています」


 何十頭も泳いで行くのを見届けると、ジジさんババさんが入って来る。

「もう、牛達は全員入ったんですね」


『ああ、そうだよ。どうだね、問題無さそうかい?』

「はい、大丈夫そうですよ。大人より一回り小さい牛もいましたが、体が浮くので大丈夫そうでした」


『そう、良かったわ。では私達も、もう一回試しましょう? お湯の効果を確かめないと』

『おお、そうだな。じゃあー行って来るよ』と、ジジさん達は再び流れる温泉の中に入って行く。


 ジジさん達を見送ると、すぐに1番目に入った大柄な牛が泳いできた。

「あら? まだ上がらないんですかー……疲れる前に休憩してくださいねー」とその牛に向かって叫ぶと、


『ああ、大丈夫だー。なかなか面白いなぁー』と、2周目を余裕で泳いで行く。

「シロン、あの牛は大丈夫かしら?」

「はい、問題ありません。お湯の効果で体力の消耗は少ないです。あと2周は大丈夫でしょう」

 

 なるほど……元気な牛なら3周は泳げるのね。


「それでこの流れる温泉は、牛達に効果はあるの?」

「はい、運動効果は高いです。毎日1周でも泳げば運動不足は解消されるでしょう」


 その後は、2周目を泳ぐ牛や、疲れて上がって来る牛。途中で歩道に上がって歩いて来る牛など様々だった。


 しばらくするとジジさん、ババさん達が1周して、温泉から上がって来た。


「どうでしたか?」

『ああ、だんだん泳ぐコツをつかめて来たようだ』

『温泉の効果ね? 何だが最初の時より疲れていないようだわ』


『若い者に何度も追い越されたからなー。わしも鍛えなきゃならんな』と、ジジさん。


『シャワードームもいいけど、この温泉は他の牛達とも楽しめるのが良いわ』と、ババさん。

 

 かなえはメラニーさん達と、後でこの温泉に見学に来るとジジさん達に伝えておく。

 ジジさん達は運動してお腹が空いたそうで、温風トンネルから外に出て行った。


 

 早速スミス夫妻の家の前までジャンプして来て、扉のドアノッカーを鳴らす。

「はぁーい」と、声がして、メラニーさんが出て来た。


「かなえ、あら? 珍しい恰好ねー」

「はっ?」

 かなえはまだ水着のままだった。


「すみません、これは水着と言って、水の中を泳ぐ時に着る服なんです。着替えるのを忘れてしまって」

 

 タンクトップとショートパンツの水着ではあるが、いきなり水着で来たら驚くだろう。


「まぁー、そうなの? へー、この生地は伸びるのねー」と、メラニーさんはかなえの水着に興味があるようだ。


 だがこのままでは失礼なので、かなえはその場で一瞬で服に着替える。

「はっ? 何が起こったの?」

 

 かなえはもうメラニーさんだったらいいかと、目の前で着替えたが……思ったより驚かせてしまった。


「驚かせてすみません。服に着替えたんです」


「は? あーもー、いいわ。かなえの事でもういちいち驚くのはやめたんだから。でも着替えが簡単でいいわねー」


 それからメラニーさんに案内され、居間に入って行く。

 そこではジョンさんとジミーさんが話していた。


「こんにちは、ジョンさん。お邪魔します」

「やぁー、かなえさん。よく来たね。また何か面白い物を造ったんだって?」


「はい、それでまた皆さんにも、見てもらおうと思って来ました」

「まぁー、早く見たいわ。行きましょう!」とメラニーさん。


 他の二人も興味があるようなので、これから案内する事になった。


「それではここから、中の様子が見えますので見て下さい」

 かなえはみんなを家から一番近い、地面から流れる温泉の見える所まで連れて来た。


「なんだね、これは? 地下に川が流れているじゃないか!」

「凄いわー! あーっ、牛が泳いで行ったわ」


 ちょうど、流れる温泉を泳いで行く牛の様子が見えた。

「それで、私達も中に行けるの?」


 かなえは、入口のトンネルシャワーと、出口の温風トンネルの説明をすると、


「それでは中に入ってみましょう」と、みんなにウオッシュを掛けてから、地下の温泉の横の歩道へジャンプして来る。


「わぁー、中は広いのねー」

「あー、声が響くなぁー」

 

 みんなは子供の様にお湯に触ったり、泳いで来た牛に声を掛けたりしてはしゃいでいる。


 かなえはこの温泉の設備について説明して行く。

 お湯の成分や温度に、中の空気清浄機能や浄化作用等の事を。


「この流れる温泉は、この牧場の柵の内側に沿って造りましたので、1日に1周泳げば十分な運動量になります」


「そんなに広いのかい! 牧場の地下に大きな川が流れてるなんてなぁー……」


「上手に泳げるのねー」


 かなえは流れる温泉が体に浮き易くしてあり、泳ぎの経験の無い牛でも流れに身を任せながら泳いで行けると説明する。


「そうか……いろいろと凄いなぁー」

「楽しそうねー、何だか私も泳ぎたくなって来たわ」


 えっ! メラニーさんも泳ぎたくなるとは。

 でもさすがに牛達と一緒に泳ぐのは危なそうだ。

 そのうち島に人用の温泉も造ろうかな……。


 一通り見てもらうと、スミス夫妻の家の前に戻って来る。


「それでは、今日はこれで失礼します」

 ジミーさんはまだ帰らないそうなので、かなえは先に戻る事にした。



 ジャンプでバニーちゃんの所まで行くと、まだ良く眠っている。

 かなえは小屋までジャンプし、バニーちゃんをクッションに寝かせて小屋にウオッシュを掛ける。


 次は……キングス達ね。

 

 かなえはシャワードームに移動して行き、眠っているキングスとクイーンを小屋まで送り、シャワードームへ戻りウオッシュを掛けて、マリーとリキさんも送って行く。


 リキさんの足に薬を塗りながら、

「シロン、リキさんの足はどんな感じなの?」と聞くと、


「もう、完全に治っています。体力も付いて来ましたし、何も問題はありません」

 そうなんだ……もう薬はいらないんだな。

 治って良かった。今度リンジー達にも知らせなきゃ。

 

 

 かなえはジミーさんの庭へ行き、夕食の準備をする。

 

 しばらくして、リリララ姉妹が帰って来て、ジミーさんもメラニーさんからのお土産のパイを持って戻って来た。


 今日もリリララ姉妹は、楽しい1日を過ごせたような満足した顔をしている。

「さぁー食べましょー」と、みんなお腹が空いたのか早いペースで食べ始める。

 

 今日のメニューは、ラウンドカフェの野菜たっぷり餡かけのかた焼きそばに、中華スープ。春巻きにメラニーさんのパイにした。


 飲み物は、ピンクベリージュースとジャスミンティー。ジミーさんにはアイスジンジャーティーと、コーヒーにした。


 リリララ姉妹が今日一日の様子を話した後、ジミーさんがスミス夫妻を訪ねて、今度ミーティングに二人も参加する事になったと話してくれる。


 今度のミーティングは顔合わせだから、かなえは忙しければ来なくてもいいそうだ。


「それから、ララちゃんが日曜日遊びに来たければどうぞって言ってたよ」と、ジミーさん。


「あっ、そうでした。メラニーさんに聞くつもりだったのに忘れてました」


「いいよー、ララ、日曜日にメラニーさんとパイ作るんだー!」と、ララちゃんは上機嫌だ。


 かなえは今日造った流れる温泉の事を、リリララ姉妹に話す。

「そうなんですか。私もどんな感じか見学したいです」


「ララも見学したい―」と、リリララ姉妹も地下の流れる温泉に興味があるようだ。

「いいよ。今度休みの時に行こうか?」と、かなえは約束する。

 

 食事が終わり、後片付けをしてかなえは子猫達の様子を見に行く事にした。

「シロン、子猫達は何処にいるの?」


 島の反対側の砂浜で寝ています。

「えーっ、戻って来ていなかったんだ……」


 かなえはジャンプで砂浜に来ると、スヤスヤと眠っている子猫達がいた。


 もう空は暗くなり始めている。いくら温度設定はされていても、ここで一晩過ごすのは寒いだろう。


 かなえはマリーの眠っている小屋へ子猫達連れて行き、同じクッションに寝かせる。

 

 最後に猫の温泉の見回りをして、家に戻って来る。



 あー終わったー……。

 

 かなえはお風呂に入り、寝る支度をしてベットに入る。


 今日も1日色々な事があったなぁー。


 流れる温泉は、問題無さそうだ。

 あとは牛達に続けてもらえればいいんだけど。

 

 リキさんの足は治って本当に良かったな。

 職人達との計画もメラニーさんが入って進みそうだなー。

 


 かなえは1日を振り返っているうちに、気が付いたら眠っていた。

 

 

――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス  1000  肉体疲労、睡眠不足緩和飴、室長

      20000  牧場の流れる温泉設置

      

 マイナス  

 

 残り   223万3900 

 パワー  498


―――――――――――――――― 

 予定  リキさんを週末森のドームへ送って行く

     動物達を連れてお出掛け

―――――――――――――――― 

 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 


 

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