5話 さよなら?
朝になり日が昇る。散歩日和のいい天気。
眠りが浅いのか僕が起きてすぐにララが目を開けた。寝ぼけ顔。僕にはあまり馴染みのない顔だ。
〔おはよう。〕
僕は君の家族かなんかかい?オオカミだよ?僕。
そんなことも数えきれないほど思った。
が、感慨深くなっていてもやることはやるそれが僕。
ララに草を差し出す。あー。この顔もみたみた。これ不味いって訴えてくるような顔。
百年くらいは退屈でも文句は出ないな。それぐらい濃かったな二日間。
食べ終わったララを連れてあの時の川にいく。帰るついでの水浴びだ。
きっと冷たいだろうがララには綺麗になってもらう。
ゴブリン臭がするかもしれないからな笑
冗談はさておきララを乾かすために僕の毛を差し出す。ララも違和感なく顔やらを拭く。サバイバル向いてそう。
そう思ったのは内緒。
そしてまた歩き出す。何分も歩いた頃だろうか進んでいる方向から声がした。
《お嬢様!どこですか?お嬢様!》
使用人か何かだろうか。ララも気づいたのか走り出した。
〔みんな!〕
泣きそうな声色だった。
そうか。ララには待っている人がいるんだよな。当たり前だよな。お嬢様だもんな。
「じゃあね」
小声で言う。きっと聞こえていないと思うけど。
〔ユキ!ここでお別れは寂しいよぉ!また会いにきてね!〕
大声でララが叫ぶ。はは。子供だな。俺も負けじと遠吠えで返事をする。
また会う日までさようなら
…え? 俺の目の前にヒトがいるんだがどうしたらいい?
せっかくの別れだぜ?遠吠えだってした。ララ、君の使用人じゃないか?
《巨大生物接近中。至急応援求。》 いや!俺が応援呼びたいわ!別れを台無しにしやがって!
ここで逃げるか?いやそれは名誉に関わる。ララを呼ぶ?そうしたらララの立場が危うい。
逃げよう。ヒトの頭を飛び越え俺はまた森に帰る。
変な別れになったがララ。君のことは一生忘れないよ。あとお肉もね。
別れから何日が経過しただろうか、再び退屈な日々を過ごしている俺の前にはララがいる。
無意識に西の領地に向かってた?なぜララがいる?
〔ユキ!人型になって!〕
その声に反応し僕は即座にヒトになる。
『お嬢様、そちらは危な…』
目が合った。気がする。顔を隠しているから正確にはあってはいない。
『不届きものめ!お嬢様から離れろ!』
まじか。子供とは違い考えて行動するのが早い。ララなら立ちすくんでいたな。
〔この人。私の友達なの!やめて!〕
ララが使用人に攻撃を止めるよう指示する。
未だに状況を整理できていない。俺が西の領地に近い場所にいたらちょうどララも散歩中で?今、俺が不審者扱いされているのをララが訂正中ってか?
『お嬢様!森から出てきたものを信用することはできません!』
ごもっとも。あなたは何一つ間違っていない。
〔迷子の時、この人が助けてくれたの!〕
嘘ではないな。うん。
「僕はライラの友達。敵じゃない。」
一応僕からも言っておこう。
『お嬢様がそこまで言うなら…』
あー。偉いなこのヒト。使用人としての立場がしっかりしている。
〔飼ってもいい?〕
!?ララさん!?あなた結構危ないこと言ってますよ!今、俺ヒト!オオカミじゃない!
〔あっ〕
言ってすぐに気づいたのかさっきまでの勢いはなくなりオドオドしている。
『飼う?』
あー。食いついちゃった。
「僕は人狼。ヒトの味方。ヒト食べない。」
そういっていつもより小さめ(普通のオオカミサイズ)の姿になる。
使用人も驚いた表情を浮かべた。
〔良い?〕
ララも言っちゃったら仕方ないよね!気分で押し切ろうとしている。
『信用できません。一度旦那様に確認を取らねば。』
〔お父様が良いってくれたら飼っても良いってこと?〕
『はい。』
…。勝手に話しを進めないでくださるかしら?俺、置いてけぼりで悲しいよ。




