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オオカトニン!  作者: ズク9


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4/6

4話 可愛い

飯を食い終わってからのララは僕のヒトの姿に興味深々。

顔を隠しているからか見せてと言われたり意外と小さいと言われたり。

言いたい放題だ。

素顔はそう易々見せるもんじゃない。と言ってもチラチラこっちを見てくる。


子供とは扱いが難しい生き物だな。ララを見ながらそう思う。

夜までには時間があり余るほどある。ならここで見せた方が良いのではないか。と思うようにもなってきた。


(子供だし大人になるまでには忘れるよな)


「絶対秘密にするなら見せても良いよ」とうるさいララに言う。


〔約束する!誰にも言わないよ!〕


じゃあ。腕を覆っている布に伸ばしゆっくりと脱ぐ。そしてララと目が合う。


〔可愛い!〕


あった途端にララが叫んだ。


(かっこいいの間違えじゃないか?)俺が可愛いはずないだろう


「可愛くない。カッコいいだよ。」


動揺が隠せなかったのか変な言葉で返してしまった。



〔可愛いよ!まつ毛とか長くて綺麗だし!目もキラキラしてる!あと髪が長くて綺麗!〕


(まじか。理由付きで言われてしまった。でも全部カッコいいにも繋がるよな)


あと髪はそこまで長くはない。肩にかかるか、かからないくらいだ。

と自分の中で言い訳しながらララには「秘密だよ」と再度言っておいた。

深追いすればするほど俺はこの小さな生き物にやられる。そう思った。


顔を見せてからもララは僕をチラチラ見る。そんなにも衝撃だった?僕の顔。

見せても見せなくても変わらなかってこと?ララ恐るべし。

 

〔夜ご飯は何?〕


僕のお腹で寝そべっているララが話しかけてきた。


「草」


決して馬鹿にしているわけではない。昼も夜も肉やら何やらと種類があるのはお嬢様だけ。

野蛮なオオカミは草ですがな。


〔わかった。〕


妙に素直なララ。色々できたから満足でもしているのだろうか。

でも夕食までにはまだ時間がある。僕だけ色々知られているのも癪だから質問攻めといこう。


「何歳なの?」


〔10歳〕


やっぱり子供か。俺10歳に色々やられてたの?恥ずかし。


「家はどこ?」


〔わからない。西の領地の…コドロスタンって言われてる場所。〕


んー。西の領地ね。コドロスタンの方か。そしたらララはコドロスタンのお嬢様ってこと?

ライラ・コドロスタン?めっちゃかっこいいじゃん。俺の見た目霞んじゃう。

っと。脱線しないで考えよう。西の領地は遠くはない。この森に隣接しているから迷子なのも納得できる。


「場所わかるから明日には帰ろうね」


〔うん。ありがとうユキ〕 


(名前の由来聞くの忘れてたー)


今聞くのも野暮かな。どうしよう。


「名前の由来気になるんだよな。」 


あっ。言葉に出してしまった。


〔私、雪を見てみたいの。〕


あれ?もしかしてララ優しい?


〔お母様が言うにはフカフカで白くて綺麗なんだって。〕


〔あなたをみた時怖いとも感じたし綺麗だなって感じたの。だからユキって名前。〕


思った以上に良いな。めっちゃ良い名前。


「ありがとう。」


心の底からの感情をララに伝える。


話してたら良い時間だ。草をララに渡す。何食わぬ顔でムシャムシャと虫のように食べるララ。

名残惜しい。そう思うほどハチャメチャな二日間だった。退屈な時を忘れた良い思い出だ。


さて、寝る時間だ。ララは当たり前かのように布団代わりの葉を無視して僕の方へ歩み寄る。

それを僕も当たり前かのように体を差し出す。嫌ではない。なぜか落ち着く。


明日にはさよなら。それも当たり前だな。

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