第70話 回想⑥ 犯される身体 ~ミカ視点~
それから、一体どれほどの悪夢のような時間が経過しただろうか。
時間の感覚はとうに麻痺し、泥濘に沈むような意識の混濁だけが、ただ冷たく私を支配していた。
天井のない、どこまでも深い奈落の底で、自分の浅い呼吸の音だけが不自然に大きく鼓膜を揺らす。
涙と汗、直に床にまみれて歪む視界の端には、かつてあれほど笑いあっていたアミとノルンの二人が、男たちの容赦のない欲望によって、文字通り踏みにじられ続けている最悪の光景が映っていた。
衣服の下へと強引に侵入してくる男たちの粗暴な手が、二人の華奢な四肢を乱暴に引っ張り、抵抗する間も与えず、ただ都合のいいように身体の角度を幾度も変えさせていくおぞましい肉体の擦れる音。
その光景は、消えない焼き印のように私の網膜の奥へとこびりつき、心をじわじわと恐怖で焼き焦がしていく……
もちろん、男に完全に重厚な体躯でのしかかられ、両手首を床に固定されたまま肌をなぶられ続けている私自身も、決して例外ではなかった。
冷たい床に直接押し当てられた背中からは、絶望と共に容赦なく体温が奪われていく。
それなのに、身体の上に馬乗りになって自らの欲求を満たそうとする大人の男の皮膚は、不快なほどに熱く、脂ぎって粘ついていた。
ただただ、男たちの下卑た体温と、肌を執拗に這い回る粗暴な手の不快な摩擦の嵐が、暗闇の中で延々と繰り返される。
男の硬い手のひらが、私の脇腹から内ももの先、肌と下着の奥へと、何の躊躇もなく容赦なく滑り込んでくる。
指先が柔らかな肌を力任せに沈め、拒絶している私の秘められた熱に直接触れるたび、生理的な嫌悪感で胃の底から酸っぱいものがせり上がってくる。
耳元で聞こえる男のハァハァという荒い鼻息が、そのたびに私の顔や首筋へと直に吹きかかり、逃げ場のないパニックで頭が狂いそうになる。
抵抗を完全に諦めさせるように、男のもう片方の怪力が私の細い両足を強引に左右へと割り開かせ、人形のようにただ乱暴に姿勢のバランスを崩させていく。
そして…男たちの醜く膨れ上がった欲望が、私たち隠された尊厳に侵入し、貫く……
何度も、何度も。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も……。
貪り蹂躙し続ける。
自分の意思とは全く無関係に、ただ男たちの欲望のままに身体を弄ばれ、汚濁の波となって押し寄せ、引き、そしてまた深く抉り出すたび、私の中の「自分」という存在の輪郭が、暴力の中で、一枚ずつ、ヤスリで削り取られるようにして消えていった。
私だけでなく、すぐ真横に転がっているアミもノルンも、もはやその重い肉体を震わせて抵抗する余力も、あるいはその理不尽な現実に対抗しようとする最後の気概さえも、男たちの獣のような欲望によって一滴残らず吸い尽くされていた。
最初に響いていたはずの喉を引き裂くような悲鳴は、いつの間にか、おぞましい音の真ん中で掠れた呼吸の音へと変わり、最後にはそれすらも失われていった。
そこにあるのは、意思を持たず、ただ冷たい土の上で一方的になぶられるだけの人形。
特にアミとノルンの二人は、もはや涙すら涸れ果てた、焦点の合わない虚ろな目を大きく開けたまま、その精神の意識をどこか痛みの届かない遠くの空へと飛ばしてしまったかのように、ピクリとも動かない。
男たちの乱暴な動きに合わせて揺すぶられるたびに、ただ無機質な肉体の反応だけが虚しく揺れ、そこにあるのがまだ温かい熱を持つ生身の人間であることを、残酷に示していた。
そして、暗黒に満ちたその絶望の時は、唐突にやってきた。
「……ふ~~~、もう出ねーわ。さすがにこれだけやれば、腰がガタガタだぜ」
「いや~~、すっきりすっきり。王都の高級な店に行って高い金を払うより、よっぽど極上の上物だったな」
「でも最後の方はこいつら全く抵抗もしなくなったからさ。ただ体温があるだけの、生温かい物でも相手にしてるみたいだったけどな。まあ、これはこれで悪くねえけど」
静寂の空間に、耳を塞ぎたくなるような卑俗で下劣な会話が、私の耳へと直に届く。
馬乗りになって私たちのすべてを貪り尽くしていた男たちは、満足げな、ひどく不快な長いため息を暗闇に吐き出しながら、ゆっくりと立ち上がり、自らの乱れた衣服を整え始めた。
身体にかかっていたあの恐ろしい男の体重の重圧が取り払われ、ようやく肺に冷たい空気が入り込んでくる。
けれど、汚された身体の痛みと、心に負った致命的な傷は………
「本当に長いのよ、あんたたち。一体どんだけ出したら気が済むのよ……まぁいいわ。終わったなら、そろそろ仕上げと行きましょうか」
第71話は、【 17時10分 】に投稿いたします。
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それでは、次の更新でお会いしましょう。




