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自分が優秀すぎて怖い─── 有能な仲間は俺の輝きを霞ませる不純物なので、活躍したら、即解雇します  作者: 燕尾
第4章:暗い過去と強さは必ずしも比例しないと知るまで ~真相編~
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第66話 回想② なーんにもできない ~ミカ視点~

もう一度言いますが、ミカ=メレナです。




 地下第七階層へとようやく到達して、松明の光を頼りにしばらく通路を進んでいた頃だった。


 突然、前を歩いていた男の一人が、それまでの親切な態度を一変させ、興奮を隠しきれない様子で妙に浮ついた声を上げた。



「な、なぁ……もう良いだろ? ……俺、もう我慢できねーよ。こんな美味そうな小娘どもを前にしてさ」


「我慢できない男ね……。まぁ、ここまで来たらギルドの目も届かないし、良いんじゃない?」


「そうだな」


「ここまで奥に来たしな。誰も助けにゃ来やしないさ」



 ……え? 何の話をしているんだろう?



 あまりにも不気味で歪な会話の内容に、私たちが何が起きたのか分からず、ただ嫌な予感に心臓を激しく脈打たせて顔を見合わせた……



 まさにその瞬間だった。



 一人の男が、私の目の前でアミの身体を乱暴に床の土へと押し倒した。

 悲鳴を上げる間もなく、ドスッと鈍い音を立ててアミの華奢な体が床の赤土へと叩きつけられる。



「綺麗な女だなぁ……っ! おい、その防具の服の下は、一体どんな素晴らしいことになってるんだろうなぁ……!! おい、ちょっと見せてみろよ!!」


「いやッ……! やめて、触らないで……っ! ノイン! メレナ、助け───」



 バリリッ!!! と、暗闇の中でアミの胸元の防具の革紐が強引に引き千切られ、布地が引き裂かれる最悪な音が、生々しく静寂に響き渡った。


 男の耳障りな荒い鼻息と、必死に男の顔を押し返そうとするアミの泣き叫ぶ声。



 私とノインは、目の前で今まさに親友が乱暴に服を剥ぎ取られようとしているその光景に頭が真っ白になり、半狂乱になって自らの武器を構え、必死になって彼女の元へ駆け寄ろうとした。



 けれど、それを薄気味悪い笑みを浮かべて待ち構えていた残りの男たちの、男特有の分厚い肉体の壁に強引に正面から遮られ────

 抵抗する間すら与えない、容赦のない力任せな暴力によって、私とノインの二人の身体もまた、アミと同じように冷たい地面の赤土へとドサリと激しく叩きつけられた。


 そのまま、逃げ場を完全に塞ぐような形で、男たちの巨大な身体が馬乗りになって私たちの体をギチギチと力任せに組み伏せてくる。


 背中にズシリとのしかかる男の尋常じゃない重圧と、自由を奪うために両手首を床の土へギリギリと強く押し潰される強烈な激痛。

 必死に体を震わせて暴れても、大人の男の怪力の前にはピクリとも動くことすらできない。



「おいおい、こっちの小娘も中々いい身体をしてるじゃねえか……っ! ほら、大人しくしねえと、その可愛い顔に刃物で傷がついちまうぞぉ……!!」


「いやっ、離して……っ! 触らないで、やめてよおぉぉぉっ!!!」



 バリバリッ!!! と、私を押さえつけている男の、汗ばんだ粗暴な手のひらが、私の旅装の胸元の防具を容赦なく掴み取り、布地ごと引き裂いていった。



 衣服が乱暴に毟り取られ、冷たい奈落の空気が肌に直接触れる強烈な生理的恐怖。

 さらに、拒絶している衣服の隙間から、強引に素肌へと侵入してくる男の指先の、生生しい、温くてザラザラとした肉体的な拒絶感。



 私のすぐ真横の座標では、アミが涙で顔をグシャグシャに濡らしながら、男の大きな手に衣服の下を弄られて激しく喘ぎながら必死に暴れていた。


 そのすぐ奥では、ノインも同じように、男たちの獣のような欲望の暴力によって服を剥がされ、白肌を無惨に晒されそうになって、喉を枯らして必死に拒絶の悲鳴を上げている。



 親友たちの肌が剥き出しにされていく最悪な光景が、松明の光の中で生々しく視界に飛び込んできた。



「馬鹿だねぇ……あんた達もさ。ダンジョンを女三人だけで探索しようなんて。そのうえ、どこの誰だかも知らない冒険者にホイホイ信用するなんてさ」



 暗闇の中で松明の炎を指先で弄びながら、すべてを見下して嘲笑うような、女の底冷えする鋭い声が冷たく響く。


 三人全員が男たちに馬乗りになられて衣服を剥ぎ取られ、肉体的な自由を完全に奪われながら、ただ陵辱されるだけの絶望に震えるしかない、最悪な暗闇の中。


 男の熱い息が顔に直にかかるパニックの真ん中で、必死に床の土を掻き毟りながら、爪が割れて血が滲むのを感じることしか、今の私にはできない。



「メレナ、助けて!! お願いだから、助けてよおぉぉぉ!!! 嫌だ、触らないで、誰か……っ!!!」


「メレナ!! お願い!!! お前のあの万能な『心理魔法』で、こいつらを……っ!」



 アミとノインの防具の金属が床に擦れる嫌な音と、私自身の衣服がさらに乱暴に引き裂かれる最悪な音が重なるようにして、二人が、涙と鼻水で顔をグシャグシャに濡らしながら、必死に私に向かって助けを求めて叫んでくる。


 自分自身も今まさに無理やり襲われ、肌を弄られそうになって恐怖で頭が狂いそうなパニックの真ん中で、私のあの『心理魔法』の力で、この絶望的な戦況を何とかひっくり返してくれと、私を完璧な最強の味方だと信じて必死に懇願する悲痛な悲鳴。









































 でも……、私には、本当に何もできない。





第67話は、【 17時10分 】に投稿いたします。


もしよろしければ、ページ下部より【ブックマーク】や【評価(☆☆☆☆☆)】をいただけますと、大変励みになります。


それでは、次の更新でお会いしましょう。

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