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自分が優秀すぎて怖い─── 有能な仲間は俺の輝きを霞ませる不純物なので、活躍したら、即解雇します  作者: 燕尾
第4章:暗い過去と強さは必ずしも比例しないと知るまで ~許可編~
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第26話 仲間を募ろう④




 己の大いなる目的のために、栄えある拠点都市セイドウのギルド本部で“ザ・無能な人材”を求めるアロン達……



「さて……この中に果たして俺達の仲間になり得る冒険者はいるかだけど……」



 アロンの退屈そうな呟きと共に、ふたりの足音が、静まり返ったギルド内の冷たい石床に淡く乾いて響いた。



 ダンジョンとの戦いはもうすでに始まっている……

 アロンによる独自性が強い選定により、すでに水面下で静かに始まっているのだ。



 セイドウの広大なギルドの内部には、重苦しい緊張感の中でも、独特のざわめきが常に不気味に漂い続けていた。



 生死を分ける危険な情報の売買、命懸けの依頼の交渉、血に汚れた武器や防具の念入りな手直し……エンバリのようにその場で抜けば血が飛ぶような表立った喧嘩沙汰こそ滅多にない。


 しかし、決して誰もが落ち着いているとは到底言いがたい、張り詰めた空気がそこにはある。



 アロンは一通り、広いホール内を一望するようにざっと見渡す。

 

 その鋭い目に映るのは、それなりに一級の装備に身を包んだ、面構えの良さそうな冒険者たちの姿。

 それぞれに違う獲物を背負い、違う癖を持ち、違う鋭い目つきで闇を睨んでいる。



 だが────その中の誰一人として、アロンの我が儘な名声欲センサーの琴線に触れる者は存在しなかった。




 探す。


 探す。


 探す。









































 ……そして、



「ダメだね……どいつもこいつも、辛気臭すぎる。俺は辛気臭い顔をした奴を視界に入れるのは大嫌いなんだ…お前も確か辛気臭いの嫌いだったよね?」


「そうだな、劇団のストーリーでも辛気臭い作品は嫌いだからな……そんな暗い辛気臭い奴と一緒に潜っていたら、コッチの精神まで辛気臭くなって削られる。ってことは、結局また今回も二人だけで突入か」


「必然的にそうなるな、副リーダー……で、今回はどうする? いつも通りに歩いてゆっくり行く? それとも最初から俺に背負われるか?」


「ふふふ…当然、背中に大人しく背負われる方が良いな。自分の足の無駄な疲労が一切無くて、断然楽ができるからな」



 誇るように胸を張りながら話すリンカ。



「別に俺がお前を背負って進むこと関しては構わないけど、そんな風に甘えて全く運動しないままだと、ぶくぶくと太るぞ」


「お前、前に私に対して『もっと肉を食え、肉』とか言って怒ってなかったか?」


「俺はお前の身体の健康のために体重の分量を増やせと言ったんだ。太れとは一言も言ってない」


「……どこまでも理不尽な奴だ」



 何一つとして噛み合っていないくだらない言い合いのまま、パーティーとしての結論だけは強固に確定した。

 今回の誰も生きては帰還しないという『無明の層』の攻略は、余計な不純物を一切入れず、ふたりだけのいつもの布陣で挑むことになる。



 ギルドの中央にある、受付のカウンターの前。


 手続きを待つ窓口の列には数名の冒険者が並んでいたが、対応する受付嬢たちのやり取りはどれも通常業務の範囲内のものだった────

 簡単な依頼の提出、証明書の更新、あるいは小さな戦利品の査定報告。ごくありふれた日常のやり取りが、淡々と続いていく。


 そんな中、ようやくアロンとリンカの二人の番が回ってきた……窓口の正面へと堂々と立った。



「次の方……本日は、ギルドへどういったご用件の件でしょうか?」



 カウンターの奥に座る受付嬢は、マニュアル通りの見慣れた営業スマイルの笑顔で、アロンたちへと丁寧に問いかける。



「ダンジョン攻略の、事前の公式申請の許可を頼む」


「はい、確かに承りました……本日はいったい、近隣のどのダンジョンへの潜入でしょうか?」

問いかけられたアロンは、表情を崩さぬまま、一言だけ。



「無明の層だ」









































 その瞬間、受付嬢の顔から、人間らしい一切の笑みの表情が完全に消え去った。





第27話は、明日の【 12時40分 】に投稿いたします。


もしよろしければ、ページ下部より【ブックマーク】や【評価(☆☆☆☆☆)】をいただけますと、大変励みになります。


それでは、明日の更新でお会いしましょう。

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