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鋼鉄英雄譚  作者: Negi
裏社会編
13/15

若き雪は語る

「乗っ取りぃ?」

「ああ。ゆくゆくは北海道全域の裏社会を俺の手中に収める。」

「裏社会と奴等の繋がりを断つってのは…」

「そう。俺がトップになれば、お前達にとって不利益が無いように立ち回れる。」

「だがお前はまだ16だ。そんなんで暴力団を乗っ取るなんてできるのか?」

「出来るさ。伯父貴は組内部にも敵が多いからな。反対派で次期後継者の俺に着いて来てくれる者は多い。ここにいる者はその一部だ。」

「なるほど。前々から組の転覆を目論んでいたが、俺が力を得たことに感づいて計画を変更した…そんなところか?」


やっぱりお前は感がいい、颯真。俺のモノローグを読んでるみたいだ。

本当にこいつを巻き込んで良かったんだろうか。

俺はこれからこいつに犯罪の片棒を担がせることになる。それで良いのか?

──いや、今更迷ってどうする。これはお互いのためだ。良いも悪いも無い。

俺は六花組次期組長、高石雪矢だ。ヒーローや騎士(ナイト)じゃなく、強大な裏社会のボスとして、日の当たらない場所で市民を守る。


「ああ。俺は運が良いんだと思ったさ。お陰で随分計画がいい方向に進んだからな。」

「さて。具体的に俺は何をすれば良いんだ?内容によっては取引は破棄する。」

「近々、六花組幹部会が開かれる。そこで伯父貴たち相手に大暴れしてくれ。」

「…その心は?」

「俺達新生六花組のバックに指輪の能力者…お前がいることを裏社会に知らしめる。」

「まさか襲撃しようってのか?」

「いいや。お前、あのクラブで受けた依頼、忘れたわけじゃねぇだろ。」

「お前をつけて家を特定しろってやつか。」

「ああ。あれは伯父貴の差し金だ。伯父貴は俺を殺したいのさ。」

「つまり、幹部会での護衛を俺にやれ、ついでに敵対勢力をボコってわからせろ、と。」

「ああ。六花組を乗っ取ったら、裏社会をまとめ上げ、暴力団絡みの犯罪を撲滅する。悪い話じゃないだろ。」


そう。悪い話じゃない。だから、頼む。YESと言ってくれ。


「──分かった。協力しよう。ただ、殺しはやらない。殺したきゃ自分たちで殺れ。」

「ありがとう。それと、この話、鈴野にだけは絶対にするなよ。」

「だろうな。俺も最近調べたけど、ありゃとんでもない厄ネタだ。この立場にある以上いつ琴葉が()()()について知っても不思議じゃない。」

「すべてが終わったら、話さなきゃならん。」


その時は、俺は鈴野に撃たれるかもしれない。

でも、文句は言えない。()()されるってのは、裏社会の人間にとって当たり前のことだ。

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