6話
久しぶりの投稿です
弥生以外にも確かに存在した。渡辺愛——ワタナベーションの効果を受けない二人目の救世主。
あんな辛い思いをした甲斐があっというものだ。裕太はさっきまでのみんなから無視された悲しみを忘れ去り授業を受けることができた。
ただ授業が終わり愛に話し掛けようとしたら脇目もふらず教室から出て行ってしまったのはなんでだろうか……それも今日一日ずっとだ。
帰りのホームルームも終わり裕太はすれ違いざまに弥生に言われた集合場所へとむかった。そこは生徒校舎の向かいにある理科室の上の階。古びた階段を昇ると卓球場と茶道部の部室が見える。両方とも今は使われいない為余った椅子や机を置く物置と化している。
「あ、裕太君はやいね! 」
茶道部の部室に入り外の景色を見ているところで弥生は現れた。
「おう。で、今から何するんだ? 」
「今からはですね、茶道部の部室の片づけをします! 」
「片付け? え、なに茶道部に入んの? 」
「違う違う、新しく部活を創るんだよ! 」
「部活? なんでまたそんな」
「作戦があるって言ったじゃんか~それが部活を創ることなんだよ! ていうか昨日も説明したんだけどな~おかしいな~」
クラスみんなに早めに来るよう声掛けしてたことを言いそびれていた弥生に仕返しのつもりで裕太もとぼけてみたが、弥生は首を傾げ真剣に思い出しているようでなんともいたたまれない気持ちになる。
「じゃ、じゃあ今日の朝の作戦はほんの一部ってことだな! 」
「まあそうだけどあれがあったからこうやってスムーズに事が進めてるんだよ~。辛い思いさせてごめん
ね田辺君。ありがとね」
弥生はやっぱり申し訳なさそうにしながら控えめな笑顔を向ける。
確か明神高校において部活を創るのは最低三人以上の部員が必要だといっていた。なるほど、
「おう、いいよいいよ。つまり愛を含めて合計三人で部活が創れるわけだな」
「そういうことだね! ほら愛ちゃん入った入った! 」
そういうと弥生の後ろからひょっこりと愛が姿を現す。前髪で目はしっかりと覆われ頬は何故か赤みを帯びている。
弥生にひそひそと何かを訴えてるようだが裕太の距離からは聞き取れない。一つだけ言えるのは弥生よりも一回り小さいため背伸びして弥生の耳元に囁いてる姿がとてもかわいいということだ
「じゃあ早速作業始めちゃおうか~ まずは茶道部の中の机と椅子を卓球部の方に運ぼう! 」
女子二人のひそひそ話は終わったのか弥生は部室へ入りそそくさと作業に取り掛かる。愛はまだ言いたいことがあるのか不満げな表情だが仕方なく作業に取り掛かる。
「そういえば、何部を創るか聞いてねーけど教えてくれよ」
「ああ、言ってなかったね~ごめんごめん。じゃあ活動内容を言うから何部か当ててごらんよ」
「おう望むところだ」
「愛ちゃんにもまだいってなかったから先に当てれた方の勝ちゲームにしよっか~」
「……う、うん」
愛に何と言ってここに連れてきたのかは知らないが入る部活も知らないままでよく付いてきたな……。
「活動内容は生徒や先生の悩みを解決したりお手伝いをすること、だよ~」
「わかったボランティア部だ」
「ほ、奉仕部」
「ぶっぶ~
「う~んじゃあスケット団とか? 」
「あ、じゃあSOS団」
「いや部活だから部はつくんだよね、愛ちゃんは団繋がりでいっただけだよね」
「隣人部」
「えーっと僕は友達が少ない? 」
「おう、正解。じゃあ古典部」
「氷菓! 」
「正解! 愛は意外とアニメ知ってんだな~」
「う、うん……広く浅くって感じだけど……」
「俺もそんな感じだな~最近だとちょっとやらしいところもあるけど妹さえ——」
「もう~私ホウキとチリ取り借りてくるから考えててよ~」
二人の会話に入れなかったのか仲間はずれにされた弥生は軽くふて腐れながらそう言い
「愛ちゃんは呼び捨てなんだね~ゆ・う・た君? 」
そんな言葉を裕太の耳元で笑顔で囁きながら部室を後にする。お、お、おそろしいやつだ……。
「よし、もう少しだから……や、弥生が帰ってくるまでに終わらしちゃおうか、ってどこいくの? 」
冷や汗をかきながら愛のいた方を振り向くと愛は我に返ったかのような表情から火が出るほどに真っ赤に染め上げた顔になり弥生の後を追っていった。なんなんだよまったく……。
一人取り残された裕太はなんだかわけのわからぬまま仕方なく作業に取り掛かった。
読んでいただき感謝感激雨嵐です




