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カラーコート  作者: 真紗
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体験×体験=集まり始めたメンバー達

~side晴翔~

そして、僕たちが準備を終える頃に、昨日体験に来てくれた彰人君と裕貴君の二人も、両親と共に体育館に入って来た。二人の両親は、そのまま保護者の方へと足を進めていく。

それを見た健太が早速二人の方へ走って行き、荷物の置き場所に連れていき、準備を手伝うのを見て、僕と美桜はみんなと一緒に並ぶために待機するのだった。その間も、琉惺君は米村さんに色々と説明していた。琉惺君が米村さんの隣から離れないのは、既にみんなもわかり始めていた。

(彰人君と裕貴君がまた来てくれて、米村さんも来てくれて、一気に三人か!入部してくれたら、これで一気に人数不足が解消に向かうぞ!)。

僕も美桜も、心の中でガッツポーズをしていた。この希望に満ちた空気が、体育館全体に広がっている気がした。


~side山本監督~

私は夢を見ているのか?

あまりにもトントン拍子に体験の子、しかもD2区分(小学四年生以下)の子たちが三人も来ているのだ。先月まで人数不足に嘆いていたのが嘘だといいたくなる光景なのだから、無理もないだろう。

(藤村君、嬉野君は望月君と同級生だから、彼に任せよう。幸い、健太君も知り合いのようだから、何かあった時のフォローは任せておけば大丈夫だろう)。

私は今日のメニューを少し変更しないとな、と思いつつそんなことを考えていた。

(米村さんの方は……琉惺に任せておけば、過保護なほど気をつけてくれるだろうから大丈夫だな。ただ、琉惺の練習がおざなりになるのはいけないから、稲村さんにフォローに入ってもらおう)。稲村さんは同級生で同じ女の子だ、似た様な境遇の彼女が初めてドッジボールに触れる子をサポートするのに最適だと私は思った。

プランもある程度固まったので、私は並んでいるみんなの所へ向かう。

「挨拶も終わって練習したいかもしれないけど、少し時間を貰うね」

練習前の挨拶を済ませ、そのタイミングで今日体験に来てくれた三人を紹介する。

「今日から見学と体験に来てくれた、嬉野彰人君、藤村裕貴君、そして、米村詩穂さんだ。みんな、よろしく頼むね」

軽く紹介が終わったら、私はすぐに指示を出した。「望月君、健太君、藤村君と嬉野君の二人を頼む。2人も分からないことがあれば彼らに聞いてね。そして琉惺、米村さんのことは頼む。稲村さんは、琉惺と米村さんの二人のサポートに入ってくれ」。

それぞれの子どもたちに役割を任せ、練習が始まったのを見て、コーチ陣に少し子供たちを任せる。

そして、私は体験に来てくれた保護者の方たちに挨拶に向かうのだった。


~side詩穂~

(やっぱりみんな凄いな)。

最初の水分補給のタイミングで、私はそう思った。みんなの動きは速いし、ボールのパス一つとっても真剣さが違う。そして、既に私は息も絶え絶えだ。体育館の熱気と、慣れない運動で、心臓がバクバク言っている。

そんな私を見て、琉ちゃんはすぐに心配そうに聞いてくれる。「詩穂、大丈夫か?」。

「まだ大丈夫」

本当は少しキツイ。でも、まだアップの段階だ。ここで根をあげるわけにはいかない。私は気合いを入れ直して、次の練習に取り掛かろうとした。

「よし、ここからは、体験の子と部員を分けて練習するぞ!」

監督さんの声が響く。

体験の人たちを見てくれるのは、木村コーチと呼ばれていた人だった。私達三人は、木村コーチの方へついて行き、説明を聞く。

「こんにちは、初めまして。僕は木村と言います。宜しくね」

木村コーチは、人当たりの良さそうな優しい笑顔で笑いかけてくれた。私達も「よろしくお願いします」と答える。

それを見て、木村コーチは「今日は、まずはキャッチ練習と、ボールを軽く投げてみようか」と言った。

「はい」と返事をして、木村コーチからの説明を受ける。彼は、ボールの持ち方や、キャッチする時の手の形を、とても丁寧に教えてくれた。これなら、私でも無理なくやれそうだ。

(これなら、みんなの邪魔にならないかもしれない)。

私は少しホッとした気持ちになり、練習を再開するのだった。

何時も読んで下さる皆様ありがとうございます、文字の乱れはご容赦ください。

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