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カラーコート  作者: 真紗
65/77

拮抗×時間=狩りの時間

~side晴翔~

何とかキャッチできたボールを僕はすぐに健太に回す。状況は変わらず5-8。ただ、相手に行きかけた流れは完全に止まった。あとはアタッカー陣が流れを持ってきてくれる。(大丈夫、相手ボールになったら、また僕はキャッチすればいい)。ただ今は開成君のアタックを受けた衝撃を少しでも癒すため、少し休ませてもらおう。そう思い、僕は膝に手をついて束の間の休息を取るのだった。


~side木村コーチ~

(彼のキャッチはどこまで進化するんだ!?)。同じチームの選手、なおかつ入ってまだ一ヶ月にも満たない彼が、既にそれぞれのチームのエースアタッカーからキャッチをしているという事実に、私は今日何度目かの衝撃を受けていた。(彼だけじゃない、うちの選手たちみんな躍動している)。みんなできること、得意なことを必死にこなして、相手チームに食らいついている。(亮太もできることを必死にしているな)。彼にとっても庚午だけで出る試合は今日が初めてなのだ、必死にもなるだろう。(みんな、勝ち負けはいい、もっと、もっと楽しんでおいで)。私は今回は彼らに任せよう。そう決めて、試合を見ることに集中するのだった。


~side琉惺~

晴翔が止めてくれた流れと与えてくれたチャンス、絶対にものにしてみせる。健太に渡ったパスをいつでも受けられるように、しっかり前に出る。(晴翔は少しダメージがあるようだな)。そりゃそうだろう、あの開成のアタックをあの距離で受けたのだ。衝撃は相当のものだったろう。しかし、晴翔はしっかり止めてみせた。(なら俺のやることは一つだろ!覚悟を決めろよ、琉惺!)。俺は自身を奮い立たせて、健太に「ノーバン!」と大声で伝える。それを聞いた健太が、こちらに思いっきりノーバンのパスを投げてくる。取られないようにするため、それなりの速さで投げられたボール。(開成にできて、俺にできないわけがない!)。俺はしっかりと走り込みながらハンドキャッチの構えを取る。自分の心臓の鼓動がうるさい。ボールがスローに見えるような錯覚に陥りながら、俺は「取って、投げっ!る!」。しっかりと投げられたボールは、大町の選手に当たっていた。5-7まで来た。(あと三人!)。勝ち切るために、俺は再びカットに戻るのだった。


~side開成~

(すごい、すごいよ晴翔君!)。僕は感動していた。庚午のD1の選手でも取るのが難しいサイドクロスクイックアタック。僕が今投げうる最高の球を、彼は見事にキャッチしてみせた。

(ああ、楽しいな。次は何を投げようかな)。そんな風に思っていると、蓮が内野から僕に呼びかけて、グッドサインをしてからチョキを下向きにして振る。(ああ、時間切れか……)。僕は少し残念になるが、タイマーを見たら残り2分少し。(まあ仕方ないね、次の試合でまた対戦すればいいさ)。僕は切り替えて、琉惺がアウトを取るところを眺めた後、うちのボールになった球をパスして貰った後、晴翔君の隣にいた稲村さんを当てた。


~side晴翔~

琉惺君が大町の選手をアウトにするが、他の内野の選手がボールをキャッチして大町ボールになった。僕たちはすぐに守備体形になり構える。大町の選手はサイドにいた開成君にボールをパスする。

直後、開成君は美桜にアタックを放ち、簡単にアウトを取り内野に復帰した。これで4-8。美桜に当たったボールを慌てて拾い、僕は健太にパスを出す。健太はパスを受けた後、再び琉惺君に高速パスを出した。が、内野に復帰した開成君にカットされる。カットした直後、そのまま振り返り近くにいたモッ君にアタックを放ちアウトにする。あっという間に3-8にされた。

そしてボールは再び開成君の元に転がっていき、拾い上げた。剛君にパスを出し、剛君は三人になった僕たちを揺さぶる。そしてそのまま高速パスを内野に出した。三度開成君がハンドキャッチから高速アタックを打ち込んできて、亮君がアウトに。たった数十秒の間に三人当てられ、僕たちの内野には僕と琉惺君、たった二人になってしまった。


流れを盛り返しても、あっという間に取り返されるのもドッジボールの特徴だと思ってます。

文字の乱れ等ご容赦ください。

閲覧数が増えてニヤニヤしている作者は

面白かったら高評価貰えると単純なのでもっと頑張ります(笑)

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