休憩×邂逅=ドッジボールが紡いだ出会い
~side晴翔~
僕たちは次の試合の準備も終え、椅子に座って見学しようとしていた。次の試合は己斐と大町のD2だが、龍太郎君や虎太郎君は先ほどから出ずっぱりだ。それに気づいた大町の監督が「すいません、己斐の選手のことを考えてませんでした」と言い、休憩時間が設けられた。
僕たちはこの試合の後、さらにD1の試合もあるので十分に休める。そう思い、美桜や健太と先ほどのミーティングの続きをしていると、琉惺君が開成君を連れてこちらに向かってくる。
(えっ?次試合でしょ?)
そんな風に思ったが、休憩時間だからか、と一人で納得していると、僕たちの目の前に二人は来て、琉惺君が「晴翔、開成が君と話したいそうだ」と言った。僕と?ますますよく分からなくて首を傾げていると、「初めまして、僕は伊東開成って言うんだ。よろしくね」と、とても人懐っこい笑顔で挨拶されたのだった。
~side開成~
己斐の選手たちがしんどいだろう、という理由で休憩時間が設けられた。僕は良い機会だと思い、琉惺のところに向かう。「琉惺、試合お疲れ様」と声をかける。「開成、次試合だろ?こっちに来て大丈夫なのか?」と聞かれたが、少しくらい大丈夫だろう。「大丈夫でしょ?」と言い続けて、「ねぇ、あのキャッチのすごかった子、晴翔君?だっけ、と話したいんだけど、紹介してよ」と琉惺にお願いする。「それは構わないが、監督に小言言われる前に戻れよ」と言われる。心配性だな。大丈夫だよ、怒られたら、ごめんなさいって言えば許してくれるさ。そんな風に思いながら「いいからいいから」と琉惺を促す。
そして琉惺に紹介してもらったので、僕は「初めまして、僕は伊東開成って言うんだ。よろしくね」と自己紹介をしてから、気になっていることを早速聞いてみることにした。
~side晴翔~
開成君に「山岡晴翔です、よろしくね」と自己紹介をする。一緒にいた二人も「稲村美桜です、よろしくね、伊東君」と美桜が言い、続けて「俺は木下健太って言うんだ、よろしくな!そして、デケェ!」と、早速健太らしく挨拶していた。美桜に「こら、健太!いきなり失礼でしょ!」と叱られていたが、そんな二人を見て開成君は「よろしくね〜。身長はなんか勝手にでかくなるんだよね〜」と笑っていた。
そして僕の方を見て、「晴翔君って言うね?君に聞いてみたいことがあって来たんだ」と言い、続けてこう言った。「さっきのボールは、どうやったらキャッチできるのかな?何かコツがあったりする?」と聞かれた。
僕は素直に「ボールをよく“見れば”取れるかな?」と答える。開成君は少しだけ驚いたような表情をしつつ、「なるほど。つまり、さっきのボールも君は“見えて”いたんだね」と聞いてきたので、素直に頷いた。
そんな僕を見て、開成君はにっこり笑い、「この後、琉惺や君たちと試合するのが本当に楽しみになったよ」と言った後、急に目つきが変わり、「全力で対戦しようね」と微笑んだ。その目は、まるで捕食者のそれだった。しかし、すぐに笑顔に戻り、「じゃあそろそろ戻るね。また後でね」と戻っていった。
その背中を見送っていると、ポツリと琉惺君が言った。「あれが大町の怪物と言われる理由だ。あいつは試合中、別人だと思った方がいい」。
「一瞬すげぇ目つきだったな」と健太も言う。
「いいじゃない。それだけ真剣に試合に臨んでるってことでしょ」と美桜が言った。
「そうだね」と僕は答えて、「彼の球、キャッチできるかな?楽しみだな」と言うと、琉惺君も健太も美桜も笑い出した。
「えっ?なんで?僕、変なこと言った??」
そんな風に思っていると、琉惺君が「そうだな。楽しみだな」と言い、続けて健太が「楽しもうぜ、晴翔」と言った。最後に美桜が「そうね。楽しむこと、そして練習したことを一緒に思いっきりやってみよう、晴翔」と言う。僕はみんなを見て、笑顔で頷いた。
~side木村コーチ~
休憩時間になって少しすると、琉惺のところに開成君が来て、晴翔君たちと話しをしていた。少し話した後、開成君は戻っていく。その後、晴翔君が彼のボールをキャッチできるか楽しみだと言っているのが聞こえてくる。
私は亮太に「晴翔君のすごいところは、もちろんキャッチもあるけど、あの楽しめる気持ちかもしれないね。亮太も楽しめるともっと上手くなるかもね」と言った。
亮太も「うん!俺も琉惺君みたいになれるように頑張る!」と言った。
晴翔君ではないんだな、と私は少し苦笑いした。
夜勤ですが、天気が不安定なせいで古傷がとても痛く、あまり寝られませんね、この時期は不安定な日が続くと思いますが皆様も体調等にお気をつけください、それではどうぞ、文字の乱れはご容赦ください。




