表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カラーコート  作者: 真紗
48/77

開始×速攻=いざ才能が開く時

人数の確認も終え、いよいよ試合が始まる。

庚午のジャンパーは琉惺君だ。己斐は龍太郎君が出てきている。僕たちは紅白戦の時に習っている隊形になり、琉惺君を応援する。そして、主審がそれぞれの線審にホイッスルを吹き、準備を確認していく。体育館に響く甲高いホイッスルの音が、僕の心臓の鼓動と重なる。心臓が耳にあるのかと疑いたくなるほどバクバクしている。けれど、それは緊張とは違う。不思議な高揚感だ。新しいことに挑戦できる喜び、この試合を楽しみにしていた気持ちが、僕の体の中から溢れ出してくるようだった。

そうこうしていると、ついに主審がボールを真上に投げた。青いボールが照明の光を吸い込みながら、ゆっくりと宙を舞う。琉惺君と龍太郎君が、それぞれのチームの期待を背負って全力で跳び、ボールを奪い合う。今回は、龍太郎に軍配が上がった。高く跳ね上がったボールを、己斐の選手がすぐに取りに行く。僕たちは反射的に、教わった通りの守備隊形になる。

僕たちの準備ができるかできないかのタイミングで、己斐の選手がアタックを打ってくる。速攻の単発だ。ジャンプボール後は特に有効だからと、庚午のD1の選手たちもよくする戦法だ。ボールを奪った己斐の選手がアタックを打つ。その瞬間、琉惺君が降り立った場所の関係で、狙える場所は僕たち側の方だった。

(来る!)

そう思った瞬間に、ボールは僕に向かって、まるで一本の線のように真っ直ぐ飛んできていた。

side 山本監督

(己斐と大町の方達には感謝だな……)

私はそう思いながら、コートに向かっていく選手たちを見送った。

D2の人数はたった8人。外野に行く健太君を除けば、内野は7人しかいない。不利な状況だ。それでも私は、うちの選手たちだけで試合をさせてほしいとお願いした。己斐さんも、大町さんも、快く受け入れてくださった。己斐さんも10人しかいない、それでも受けてくれたことに感謝しかない。唯一フルメンバーを揃えられる大町も、人数を合わせましょうか?と言ってくれた。それは頑張っている大町の選手たちの出場機会を奪ってしまうことになるからと、丁寧にお断りさせていただいた。

感謝しつつ選手たちを見ていると、いよいよ試合が始まった。今回ジャンプボールは相手に奪われてしまった。しかし琉惺もただでは転ばない。ルールの上で最大限の駆け引きをする。琉惺はすぐに片側のアタックとパスの動線を塞いだ。(ジャンプボール後のジャンパーには当ててはいけない、)というルールを最大限に利用し、ボールの来る位置を限定させた。彼の動きは無駄がなく、洗練されている。

(彼の方を勿論空けるよね)

私は内心、ふふっと笑った。それは琉惺にとって最大限の信頼の証なのだろう。「彼なら」大丈夫だと言う絶対的な信頼。チームメイトとして、これほど心強いものはない。そんな琉惺の信頼を知ってか知らずか、傍目から見てもとても早い単発で投げられたアタックは真っ直ぐ彼の元へ向かう。抜群のタイミングとコースで投げられた球、きっと他のチームの選手たちは決まったと思っているだろう。

しかしウチの選手たちは誰一人として焦っていない。何故なら彼のキャッチの才能はみんな知ってるからだ。

(さぁ晴翔、君の才能をみんなに見せてやれ)

私がそんな事を思っていると、まるで体の方に吸い込まれるかのように彼の元にボールが飛んで行き、そして完璧にキャッチされたのを見て、私はこの日一番のガッツポーズをした。私の期待を、いや、それ以上に応えてくれるその姿に、思わず嬉しくなった。

文字数を中々書けませんが短くても毎日投稿はできる所までやってみます。文字の乱れはご容赦ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ