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カラーコート  作者: 真紗
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練習×本番=緊張も決意もいつもの僕達で

己斐と大町の試合は、6対10で大町が勝った。

大町は、開成君一人のチームではないことがよくわかる、そんな試合内容だった。安定した守備、そしてオーソドックスだけど堅実な攻撃。開成君の才能に目を奪われがちだけど、開成君がいなくても非常にレベルの高いチームなんだなと改めて思った。それは、一人ひとりが自分の役割を完璧にこなし、チームとして機能しているからだろう。

己斐は、琉惺君が言っていたように、ワンバウンドのパスから早いサイドアタックを打とうとしていた。しかし、ボールを取り損ねて後逸することが多く、その攻撃がなかなか機能していなかった。だけど、一度だけ決まった時のアタックまでのスピードは、開成君よりも早く見えた。まるで、ボールがコートを滑るように飛んでいく。

僕は「己斐のあの攻撃は、D2でもやってくるかな?」と琉惺君に聞く。

「間違いなく虎太郎、龍太郎の二人がやってくる」

琉惺君はそう言った。チームで一貫した攻撃を持つことは大事だと、鈴木コーチも言っていたっけ。己斐の攻撃は、まさにそれだ。成功すれば強力な武器になるが、ミスも多い。そんなことを考えていると、山本監督から集合がかかった。僕たちは監督のもとへ急いで集まった。

僕たちが集まったのを見て、山本監督は話し始める。

「さあ、D2の試合だよ。みんな大丈夫かい?」

正直、僕は既に心臓がバクバクだ。隣を見ると、健太も美桜も、いや、琉惺君以外のD2メンバーは一様に表情が固く見える。初めての試合で、しかも相手は強豪チーム。緊張しない方がおかしい。

そんな僕たちを見て、山本監督は穏やかな表情で言った。

「緊張するな、とは言わないよ。緊張したままでもいいから、練習でしてきたこと、習ったことを一生懸命やって欲しい。だけど、それ以上に……」

監督の言葉が止まったところで、みんなの声が重なった。

「楽しむ!」

その声を聞いて、指導陣は一様に表情を綻ばせる。その笑顔は、僕たちの不安を和らげてくれる魔法のようだった。

「そう、勝ち負けはいいから、全力で楽しんでね」

そうにこりと笑った後、監督は「じゃあ、ポジションを言うよ」と言って、それぞれの配置を言い始めた。

僕はモッ君の横、でその隣は美桜だ。健太は外野で、琉惺君はカットに入る。攻撃の配置は、センターアタッカーを琉惺君が、サイドアタッカーをモッ君とリョウ君が務めることになった。この布陣は、練習で何度も試した、僕たちD2のベストメンバーだ。

監督に「晴翔君、君は兎に角キャッチに集中してみてくれ」と言われたので、「はい!」と元気よく返事をした。監督は僕のキャッチを信じて、最大限に活かそうとしてくれている。その期待に応えたい。

続けて木村コーチが「キャッチを続けることで、相手のいい流れを止めることもできるから、頑張ってね」とも言ってくれた。たしかに、キャッチは相手の攻撃を止めるだけでなく、チームに勢いを与える。僕のキャッチが、チームの役に立てるんだ。

そんな話をしていると、審判の集合準備の声がかかった。

さあ、いよいよだ。

きっかけは、公園での偶然のキャッチだった。あの時、山本監督の息子、優吾さんが投げた豪速球を、僕は無意識のうちにキャッチした。それが、僕のドッジボール人生の始まりだった。その後、琉惺君に誘われた体育館での一幕、そして公式ドッジとの出会い。入部を経て、今日、初めての練習試合を迎えた。

僕は心臓の鼓動が早くなるのを感じながら、コート内に入っていった。体育館の照明が眩しく、お母さんや他の保護者たちの姿が見える。対戦相手の己斐の選手たちも、真剣な表情で僕たちを見ている。

(大丈夫、大丈夫……)

心の中で自分に言い聞かせる。隣を見ると、美桜が小さく微笑んでくれた。

「晴翔、いつもの調子でいこうね」

「晴翔、外野から見てるから思っいきり楽しもうな」健太が笑いながらいう

その言葉に、僕は大きく頷いた。そうだ、いつもの僕でいい。いつもの僕達なら大丈夫、練習でやってきたことを信じて、楽しむだけだ。

僕の始まったばかりのドッジボールの新たな一ページが、今、開かれようとしていた。

前書き無い方が読みやすい事に昨日気づいたので、これからは後書きのみ、順次不必要と判断した前書きは削除していきます。

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