辛勝×天才=好きこそ物の上手なれ
前話は失礼しました、修正しております、それでは短いですがどうぞ、文字の乱れはご容赦ください。
結局、試合は6対5で、なんとか庚午が辛勝した。
残り数秒のタイミングでサオリさんのアタックが決まり、それが決定打となった。勝ったことは嬉しいけれど、それ以上に開成君の実力に僕は衝撃を受けていた。開成君一人で、4人もD1の選手をアウトにしているのだ。4年生の開成君が、だ。
それでも、ただ圧倒されるだけじゃなかった。見ていてわかったこともいくつかある。彼の独特なアタックには、投げるときの腕の振り方や、ボールを離す瞬間の肩の動きに、ある種のパターンがあるように見えた。そして、その動きを、この後もう1試合、開成君が出るかもしれないD2の試合でしっかり確認してみよう。僕はそう決意し、試合を終えてこちらに戻ってきている選手たちを笑顔で迎えた。
~side 山本~
(なんとか勝てたか……)
私は心底ホッとした。今年のD1の選手たちは、贔屓目なしで全国を狙える力があると思っている。現に、隣県で行われた大会では、決勝まで安心して見ていられる試合ばかりだった。しかし、今日のこの結果はどうだ?1人差で、しかもほぼアウトを取ったアタッカーは、4年生の開成君だ。
(前回の大会の時よりも、はるかにレベルアップしている……)
開成君のプレーは、もはや技術の範疇を超え、感覚的なものにまで昇華しているようだった。守備の意識のわずかなズレ、視線の動き、そういった微細な変化を彼は見逃さない。そして、そこを的確に突いてくる。
(本当に4年生なのか彼は?)そう疑いたくなる程の才能、私は選手たちに改めて守備の練習を増やすことを伝えた。このままの練習をしていては、夏の大会には確実に勝ち筋が無くなってしまう。そんな危機感を抱きながら、選手たちに良かった点と悪かった点を話し、次の試合に繋げるためのミーティングを続けた。
~side 晴翔~
次の試合が始まったけれど、開成君は出ていない。
あれ?と思っていると、隣にいた琉惺君が言った。
「おそらく、D2の試合にも出るからだろう」
確かに、実際にやってみればわかるが、5分間とはいえドッジボールは相当に体力を使う。それを3回も続けるとなると、正直かなりきつい。(3セットマッチはあるけれど)あくまで開成君は、今日はD2で参加ということなのかもしれない。
確認したかったこともあったが、仕方ないと気持ちを切り替えた時、第2試合が始まろうとしていた。コートには、己斐の選手と大町のD1メンバーが並んでいる。その中で、琉惺君が己斐の7番と8番の選手も4年生だと教えてくれた。
「あの二人は、己斐の『虎太郎』と『龍太郎』。D2を牽引するツインエースだ」
琉惺君の言葉に、僕はまた驚いた。
(琉惺君を始め、僕の同世代、すごい選手多すぎない……?)
若干の理不尽さを感じていたが、そんなことは誰も知らないと言わんばかりに、2試合目開始のブザーが鳴ったのだった。
~side 開成~
「監督、なんで控えなんだがね?」
俺はまだ体力に余裕があるもんで、ちょっと不満だ。
「開成、この後D2でも出るんだから体力は温存しておかないと。D2の試合は全部出すから」
監督がそう言ってくれたで、俺は素直に従うことにした。
(虎太郎、龍太郎とは後でD2でか。楽しみだがね)
俺はウキウキした気持ちで試合に出てる二人のプレーを見とった。相変わらず息の合ったプレーを見せてくれる。見とるとうずうずしてくるもんで、この後一緒にプレーする、蓮と剛に次の試合のことを話しに行くことにした。
どこかのタイミングでアレルギー検査を受けねば、(食物アレルギーの疑いが浮上)




