可能性×可能性=金の卵達
昨日は甲子園素晴らしい結果でしたね、影を落とすようなこともありましたが、選手の皆様はお疲れ様でした。そんなこんなで続き、短いですがどうぞ、文字の乱れはご容赦ください。
タイマーのブザーが体育館に鳴り響き、全体の守備練習が終わった。たった5分間なのに、息は上がり、顔は汗でびっしょりだ。水分補給の掛け声を聞いて、僕たちは返事をして水筒を取りに行く。
結局、僕は一球もボールを落とすことなく、5分間を耐え切ることができた。意外なことに、最初は美桜に教えてもらっていた単発攻撃も、なんとかキャッチできるようになった。自分の感覚としては、意識の置き方で成功率が上がるという感覚だ。
もちろん、全部アタックが来るつもりで構えているんだけど、どこか「どうせパスだろう」という意識があったのかもしれない。おそらく今まで、そこを狙われて単発攻撃に対応できていなかったのだろう。意識をキャッチに集中させることで、いざアタックが来た時に問題なく対応することができた。
美桜も「最後の方は問題なかったね」と言ってくれた。改めて美桜に「ありがとう」と伝えておく。
そして、健太に「本当に今日習っただけなの?自分で練習してたとかじゃない?」と少しからかい気味に聞いてみたが、「そんなわけないだろ」と笑いながら返された。
しかし、それほど健太の外野はすごかった。来ないと思ったら突然アタック、5パスのリスクを冒してでも琉惺にパスをしてアタックをさせるなど、定石通りではないプレーもしてくる。今回、僕と美桜はたまたまアウトにならなかったが、他のメンバーは5年生も含めて全員が2回以上アウトにされていた。
美桜が健太に「なんかコツがあるの?」と聞いているが、健太は「いや、なんとなく今打たれたら嫌だな、みたいな時を狙ってるだけで」と答えている。健太自身もよく分かっていない様子だ。
そうこうしていると、キャプテンが「集合!」と叫んだので、僕たちは急いで山本監督の方へ向かった。
~side 木村~
(まさか、これほどとは……)
私は内心、絶句していた。目の前では、今日初めて私に外野を教わった健太がプレーしている。その表情は内野にいる時よりも生き生きとしており、思い切り楽しんでプレーしているように見える。
アタックかと思えば突然パスを出し、その逆も行う。守備の子たちが少しでもずれたら、健太は見逃さず、即座にそこを狙ってくる。何より、顔の横に目でもついているのかと疑うほどに琉惺の位置を把握しており、相手内野を動かして琉惺がアタックしやすい位置に誘導している。
(周囲の微妙な変化に気づけるからこそ……か)
息子の諒太も、親バカかもしれないが、晴翔君ほどではないにしろキャッチ力は高い方だ。しかし、健太はやすやすと当てていく。意識のずれすらも把握しているのかと思うほど、彼は隙を見逃さない。
そんなことを考えていると、息子の諒太が来て「お父さん、俺、今日構え方おかしい?」と不安そうに聞いてきた。
「そんなことはないよ」と伝える。そして、「また一緒に練習しよう」と言って安心させる。息子が不安になるのも仕方がないだろう。一球も取れなかったのだ。私だってそうなる。陽太と陸ですら、3回も当てられている。
(健太もそうだが、今年の4年生たちは化け物揃いだな)
山本さん曰く、スポーツには“黄金世代”というものがあるそうだ。おそらく、彼らが黄金世代なのだろう。大町の怪物、伊東開成。次代の大町二枚看板と言われる高村 蓮、剛兄弟。己斐の虎太郎、龍太郎。そして庚午の次代のエース、琉惺。
それ以外にも、他のチームの4年生は粒ぞろいだと聞いている。このメンバーに入れるほど、彼らも才能と可能性を秘めている。
(もっともっと頑張って、彼らを輝かせないとな……)
私は決意を新たに、健太を呼びに行くのだった。
そうめんだと思ってたらアッツアツのちゃんぽんでした、スタミナ着いたので頑張ろうと思います、異論は認める。




