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カラーコート  作者: 真紗
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入部×連絡=ピースの揃ったパズルの楽しさ

ようやく正式に入部したので少しはサクサク進むと…いいなぁ〜、(多分進みません)それではどうぞ、文字の乱れはご容赦ください。

おばあちゃんの特製お好み焼きを堪能し、美桜と健太と別れた後、僕は家に帰った。リビングのソファに座ってくつろいでいると、キッチンから母さんの声が聞こえてきた。

「晴翔、そろそろ靴とサポーター、見に行かない?」

「うん!行く!」

僕は元気よく返事をして立ち上がった。どうせなら今日のうちに買ってしまいたいと思っていたので、母さんの提案は願ってもないことだった。

向かったのは、僕の家から車で少し行ったところにある、全国展開している大きなスポーツ用品店。店内は天井が高く、様々なスポーツのユニフォームや道具が所狭しと並んでいた。バドミントンシューズのコーナーを見てみると、美桜が言っていた通り、軽そうなシューズがたくさんあった。

「晴翔、どれにするの?ハンドボールのシューズってどれかしら?」

母さんの言葉に、僕は目を輝かせながらハンドボールシューズのコーナーへと進んだ。棚には、グリップ力の高そうな、頑丈なシューズが並んでいる。

「これだよ、お母さん!この靴なら、しっかり踏ん張れるし脱げる心配も無さそうだ!」

僕が手に取ったのは、鮮やかな青色に白いラインが入ったシューズだった。ソールには複雑な模様が刻まれていて、いかにも滑りそうにない。

「へえ、かっこいいじゃない。でも本当にこれでいいの?」

「うん!これにする!」

サポーターも選び終え、レジに向かおうとしたその時、店内の一角から聞き慣れた声が聞こえてきた。

「お母さん、この靴がいい!この靴、めっちゃ軽くて走りやすそう!」

「美桜?!」

声の主は、美桜だった。その隣には、美桜とそっくりな優しい笑顔を浮かべた女性が立っている。美桜のお母さんだ。

美桜は手に白いバドミントンシューズを握りしめていた。僕の姿に気づくと、美桜は目を丸くする。

「は、晴翔?!」

「美桜も、靴買いに来たんだな!」

「うん、そうだよ!晴翔は?その靴、ハンドボールシューズだよね?もう決めたの?」

「もちろんだ!僕はこの靴にした、さっき試しに履いたんだけどしっかりふんばれるし、何より脱げない!!」

僕は得意げにそう答えた。美桜のお母さんが、微笑みながら二人の会話を聞いていた。

「あら、晴翔くん。さっき聞いたけど晴翔君も正式に入部するのよね?これからも美桜と健太君と一緒に頑張ってね。」

「あ、はい!一緒に頑張ります!」

美桜は僕の新しいシューズを見て、楽しそうに言った。

「ふふ、じゃあ私もこの靴にしよう。お互いに、新しい靴で頑張ろうね!」

二人はそれぞれの夢を乗せた新しいシューズを抱きしめ、レジへと向かった。新たな靴とサポーターの使い心地やどれくらいプレーが変わるのかに期待に胸を膨らませながら、僕たちは初めての買い物に満足していた。


〜side 山本〜

練習が終わり、昼食を済ませて午後の診療を終えた頃、ドッジボール用の携帯が静かに震えた。画面を見ると、晴翔君と美桜さん、それぞれの保護者からのメッセージが届いている。

『正式に入部することになりました。改めて、よろしくお願いいたします。』

その一文を読んだ瞬間、私は静かに、しかし力強くガッツポーズをした。

(よしっ!…これで、あの才能が本格的にチームの力になる!)

晴翔君のキャッチの才能は、初めて見た時から衝撃だった。だが、彼の真の才能は、その動体視力や空間把握能力だけじゃない事が今日わかった所だ。身体が弱かったと言っていた幼少期、病院のベッドの上で見始めたという、動体視力トレーニングの動画を今日まで毎日続けていると言う、その継続力だ。才能とは、磨かれなければただの片鱗に過ぎない。しかし、彼のそれは、地道な努力という名の継続によって、すでに本物になっていた。

(もしこのまま努力を続けていけば、「大町の怪物」に匹敵する、いや、それ以上になる可能性を秘めているかもしれない…)

私はそう思いながら、ドッジボール部員の情報が入力されたPCのデータを開き、昨日入力しかけだった晴翔君の欄を埋めていった。

入力を終えた後、再び携帯が鳴った。画面には、大町レイダーズ監督、と表示されている。

「もしもし、山本です」

「お疲れ様です、来週は練習試合よろしくお願いします。」

相変わらずこまめな方だな、と感心しつつ私は前回お断りさせて貰っていた件の変更をお願いする。

「すいません、前回お断りした4年生以下の練習試合の件なんですが新しく入部した子達がいて。可能になったのでぜひお願いしたいのですが…」

急なお願いにも関わらず、快くレイダーズの監督は引き受けてくれた。お礼を言い改めて来週はお願いします、と言い通話を終える。

電話を終え、私は静かに物思いにふけった。

(晴翔君、美桜さん、そして健太君。君達には、ドッジボールの本当の面白さを知ってほしい。練習だけじゃなく、試合という舞台で、仲間と一つのボールを追いかける楽しさを…)

だが、感傷に浸っている暇はない。来週の試合に向けて、4年生以下のメンバーの配置を考え始めた。

晴翔君は、まずはセンターのすぐ隣でキャッチに専念して貰おう。健太君は明日練習して貰い、出来れば外野をして貰いたい、あの広い視野で外野と言う、ある意味自分のペースで出来る場所は、彼にとって天職だろう、琉惺は司令塔、そしてメインアタッカーとして活躍してもらい、健太君という新たなピースが揃ったことで、琉惺を攻撃に専念させ、よりカット役としても動かせるようになる。

美桜さんは頭脳派だから、晴翔君の横でサポートさせたい。健太君は持ち前の元気と広い視野で外野からも声でチームを盛り上げられるし…いや、待てよ。あの二人の性格を考えると、別の配置もアリかもしれない。

(くそ…!悩ましい!だけど…この悩みが、たまらなく楽しいんだよな!)

私は、ワクワクしながら、何度も頭の中でフォーメーションを組み立て直すのだった。

全国大会、無事終わったようですね、ご出場された皆様はお疲れ様でした。明日以降も暑い日が続きますので熱中症等にお気をつけて、次は桜のカラーコートを目指して又頑張って下さい。

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