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カラーコート  作者: 真紗
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それぞれの悩み×才能?=山岡晴翔という少年

完成しました、家族サービスの合間に作成しているので文章の乱れはご容赦ください。

~side美桜~

「今日も疲れたね〜」

ドッジボールの練習を終え、私は何時もの三人で帰り道を歩く。最後の練習で晴翔が豪快に転んだときはヒヤッとしたけど、大した怪我もなく、本人はむしろ真っ直ぐ投げられた事が嬉しかったらしく、満面の笑みでガッツポーズまでしていた。そんな晴翔を見ていると、私ももっと頑張らないと、と心の中で強く思う。

今日の良かったことや反省点を三人で話していると、あっという間に分かれ道に着いた。

「じゃあ、また明日!」

健太と晴翔に手を振って別れ、私は家に帰る。玄関を開けると、鰻のいい匂いがして、一気に空腹を思い出した。

「おかえり、美桜。お風呂沸いてるから、先に入っちゃいなさい」

ママがにこやかに迎えてくれる。湯船に浸かると、練習で疲れた身体に温かいお湯がじんわりと染み渡る。今日一日の出来事を思い返しながら、少し長めにお風呂に入ってしまった。

リビングに行くと、パパとママが食卓で待っていてくれた。夕飯を食べながら、今日健太からもらったパンフレットの話をする。二人は楽しそうに話を聞いてくれて、私は嬉しくなった。

夕食後、宿題を終わらせてから、自分の部屋で健太からもらったパンフレットを開いた。

「ドッジボール専用のシューズってないんだな…」

パンフレットには、様々なスポーツのシューズが載っている。バレーボール用、バドミントン用、ハンドボール用…。それぞれのシューズの特徴を見比べながら、ドッジボールに応用できそうなものを探していく。

(なるほど、グリップ力や軽さなんかが競技によって違うんだな、、、)勉強になるなと思っていると、ふと、私の心の中に暗い影が差し込んだ。

(晴翔や健太みたいに、私は上手くなれるのだろうか。このまま二人と一緒にドッジボールを続けて、本当に同じ様に上手になれるのかな…?)

ドッジボールの練習は楽しい。でも、二人の凄い所を目の当たりにするたび、どうしても自分と比べてしまう。

晴翔は当初、キャッチは凄かったが他は私とどっこいどっこいといわれていたが、山本監督からアドバイスされて目に見えて他の動きも変わってきている、健太もそうだ、周囲の人の空気の変化に敏感だった自分の癖を見事に武器に変えて見せた。

どんどん上手くなっていく二人から置いていかれてしまうのではないかという不安が、私の中で膨らんでいく。

「…ウジウジ禁止!」

私は強く自分に言い聞かせ、頭を振ってネガティブな考えを追い出した。そうだ、私たちは三人で約束したんだ。悪い方に考えないって。

私は再びパンフレットに目を戻し、自分に合いそうなシューズに一つずつ丸をつけていく。

(私が2人に負けないのは、頭を使う事と理解力。それから、二人を信じる気持ちだ)

そう、私は私にできることを精一杯やる。

シューズの候補に丸をつけ終えた私は、ふと晴翔のことを思い出した。晴翔も健太に私と同じものを帰り道で貰っており晴翔は今頃、どんなシューズを選んでいるのかな。明日、パンフレットを見せ合って話すのが楽しみだ。

そんな事を思いながら私はまたパンフレットに目を落とすのだった。


~side山本~

今日も練習が終わった。選手たちを見送り、最後に木村コーチと「お疲れ様でした」と声を掛け合い、私は自転車に跨って家路についた。

玄関を開けると、妻と息子の優吾が「おかえりなさい」と迎えてくれる。

「ただいま」と答え、私はそのまま風呂場に直行して汗を流した。

湯船に浸かりながら、今日の練習のことを思い返す。ドッジボールという競技に真剣に向き合い始めた彼らの姿は、本当に頼もしい。

風呂から上がって家族で夕食を囲む。今年受験生の優吾は、結局私と同じ野球の道を志したようだ。県外の強豪校からスカウトも来ているが、まだ迷っているらしい。

「ゆっくり考えれば良い。お前が決めた道なら、父さんは応援するからな」

優吾にそう伝えると、少しだけ安心した顔を見せた。

夕食後、優吾が勉強を始めた頃、妻が温かいコーヒーを淹れてくれた。それを飲みながら、私は自室に向かい、パソコンを開き、今日の練習で気づいたことや、選手たちの情報をデータとして入力していく。

ドッジボールの指導者としては、まだまだ未熟だ。野球で培った経験を、どうにかドッジボールに活かそうと、投げ方や守備の応用を教えている。でも、それだけでは足りない。もっと彼らを成長させてあげたい。

だからこそ、日々のデータを取る。彼らがこのチームを卒業した後も、別のスポーツや人生の中で、この経験が活かせるように。そして、私のように怪我で夢を諦めることのないように。そんな願いを込めて、私はPCの選手データを開いた。


向井琉惺

サッカーで培った広い視野と無尽蔵のスタミナ、強靭なフィジカルを持つ。まさにオールラウンダーだ。開成君を除けば、間違いなく広島県No.1の才能とポテンシャルを秘めているだろう。

ただ、勝ち負けに異常なまでに囚われている。この部分をどうにかしてやれれば、他のスポーツでも必ず結果を残せる選手になる。

指導者として、メンタル、特にスポーツへの向き合い方を重点的に教えていかなければならない。


木下健太

アタック、キャッチともにそつなくこなせる。琉惺とは違い、ボールではなく人全体を見渡せる視野の広さを持っている。チーム競技では、ゲームメーカーとして非常に強力な武器になるだろう。

しかし、全ての能力が「そつなくこなせる」レベルで止まってしまっているのが課題だ。全体の底上げは必須になる。

指導者として、基礎能力の向上はもちろん、情報の取捨選択や、自分を信じてやりきる決断力を身につけさせたい。


稲村美桜(仮入部)

基礎能力や体力はまだ少し足りないが、それを補って余りある頭脳と理解力がある。おそらく、彼女を中心に戦略を組み立てれば、勝率はぐっと上がるだろう。さらに、人に伝える能力も高く、チーム全体のスキル向上も期待できる。

基礎的な部分はまだまだなので、健太君と同じく底上げは必須だ。

指導者として、基礎能力の向上と、スポーツにおける戦略の組み立て方を指導したい。(鈴木コーチに協力してもらおうか…)


他の選手たちの情報も次々と入力していく。そして、晴翔君の情報を入力しようとした時、私の手はぴたりと止まった。

正直なところ、私はまだ彼を測りかねている。今日の練習で、さらに彼のことが分からなくなった。驚異的な動体視力と空間把握能力はわかっている。だが、彼は本当に"運動が苦手"なのだろうか?そんな疑問が頭から離れない。

普通、あの程度の投げ方のコツを教えただけで、あんなに投げられるようにはならない。それに、彼が本気を出した時、指導を受けた後には、必ず靴が脱げている。これは、全力で、しかも下半身主導で体を動かせている証拠だ。運動が苦手な子は、靴が脱げるほど踏ん張ったり踏み込んだりすることは少ない。もちろん例外もあるが、彼は脱げた場面でも、身体がきちんと力をかけた方向に向いている。つまり、自分の身体をコントロールできているということだ。

(彼はもしかしたら…)

私はある仮説を立てた。そして、本人をよく知る美桜さんと健太君に、一度話を聞いてみようと決意した。今は、分かっている情報だけを打ち込むことにする。


山岡晴翔(仮入部)

基礎体力は低いので、体力向上は必須。能力は不明(要調査)。異常なレベルの空間把握能力と高レベルの動体視力を持つキャッチの天才。基礎的な体力が低いことと、少し体重が重すぎるため、成長に合わせてシェイプアップは必須。このままでは膝に負担がかかりすぎるので、怪我にも気をつけさせる。

…ここからはあくまで仮説だが、彼の能力はもしかしたら…

そこまで打ち込んだ時、扉がノックされた。慌ててパソコンを閉じ、「どうぞ」と答えると、妻が「もう遅いから休んだら?」と心配してくれた。気づけば、随分と遅い時間になっていた。

私は入力をやめて寝室へ向かう準備をする。その直前、少し閉じられたパソコンの画面には、こう記されていた。

彼の能力、それは“継続力“なのでは?と。

無限なお城のお話を観に行ってきました、感想は、長いよ!色んな意味で長いよ!久しぶりに体力使う映画でした、

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