表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カラーコート  作者: 真紗
24/77

才能×才能=怪物の存在

これが連休ぱぅわぁ〜、3話、出せました、文字の乱れはご容赦ください。

ターン練習の後は、いよいよ実際にボールを使った練習が始まった。

「次はボールを使います。ターンの練習の時と同じく、横一列に並んでね」

木村コーチがそう言うと、僕たちは先ほどと同じように並んだ。山本監督も加わり、二人で僕たちの正面に立つ。

「ボールを投げるのは僕と山本監督です。アタックに見せかけて、パスを投げたりもするから、しっかりボールを見て反応すること。ただし、決して無理はしないように。取れそうになければ見送っていいからね」

木村コーチの言葉に、全員が大きな声で「はい!」と返事をする。僕は不安で、思わず隣にいる美桜と健太の顔を見た。美桜は真剣な表情で、健太は少し緊張した面持ちで、それぞれ前を向いている。僕は小さく深呼吸をして、心を落ち着かせた。

「構えて!」

琉惺君の掛け声で、僕たちはキャッチの構えを取る。

最初に投げられたのは、木村コーチが投げた、僕たちの左側を狙ったパスだった。

僕たちはターンの練習で教わった通り、ボールの動きに合わせて反時計回りにターンする。

「もっ君に、合わせるだけ」

健太から小さい声が漏れた。彼が合わせるべき「もっ君」と呼ばれていた望月君は、真ん中にいる3年生の子だ。健太は、望月君の動きにしっかりと合わせてターンをしている。

他の選手と多少のズレが発生するが健太はお構い無しに望月君に合わせる、そこで初めて気付く、ズレているのは健太じゃ無く僕たちの方だったのだ、そしてそれは端にいる健太、反対側の琉惺君によって修正されていく、気がつけば驚くほど綺麗に揃ったターンを皆で行っていた。

「すげえ…!できてる、俺、タイミングがずれてない…!」

ターンの練習でみんなとズレてしまい困っていた健太、健太のが気づいたら、得意な事になってた件。

いや凄いな健太、両端がセンターの選手に合わせる事が出来るとこんなに綺麗に揃うのか、、その事に僕は感動した

その後も、山本監督と木村コーチがパスを繋ぎ時にはサイドに回って投げてくる。

僕たちは、ボールが飛んでくる方向を判断し、キャッチしたり、ターンしたりと、どんどん練習に夢中になっていった。

僕も、最初こそ戸惑ったけれど、すぐに慣れていった。投げられたボールの回転やコースを判断し、キャッチするのか、ターンするのかを瞬時に決める。その感覚が、少しずつ僕の中で研ぎ澄まされていくのが分かった。

そして、あっという間に練習が終わりの時間を迎えた。

木村コーチは「あちゃーアタック練習もしたかったのに」と呟いた後で、「仕方ないかー」と笑ったそして、

「はい、今日はここまで!水分補給!」

監督の声と同時に、僕たちは汗だくになりながらも、大満足の笑顔でステージへと向かった。

side木村

「いや、参ったな…」

私は思わず、そう呟いた。

「なにがですか?」

山本さんは、僕が思っていたよりも嬉しそうな顔で聞いてくる。

「健太君です。ターンの練習でみんなとタイミングがずれてしまっていたのに、ボールを使った練習では完璧にこなしていた。それも、望月の動きにだけ合わせていたんですよ?」

山本さんは「ですね」と笑っている。

「僕が彼に伝えたのは、『望月君に合わせる』というシンプルなことだけです。彼は、それだけで周囲の動きを遮断して、望月君の動きだけに集中できる。これはかなりの集中力と、視野の広さ、そして適応能力がないとできません。彼の才能は、おそらくチームの司令塔、つまり琉惺と似たタイプかもしれませんね」

山本さんは、そう言うと、次は水を飲んでいる美桜をちらっと見ると、再び私の方を見て頷いた。

「美桜さんも凄かった。彼女は晴翔君のキャッチ力には劣りますが、ターンの正確性はチームの中でもトップクラスです。頭で理解したことを、すぐに体で表現できる。これには驚きました」

僕は本当にそう思った。美桜は、ターンの説明を聞いただけで、すぐにその動きを完璧にこなしていた。そして、晴翔君のアドバイスを聞いてからは、キャッチの精度も格段に上がっていた。

「そして、晴翔君…」

私がそう言うと、山本監督も「えぇ」と頷きながら言葉を続けた。

「彼のボールへの反応は、やはり尋常じゃない。彼が今、他の子たちよりも遅れをとっているのは、ただ単純に体力がないから、そして、ドッジボールの経験値がないから。それさえ補ってあげられれば、彼はきっと、あの大町の怪物に匹敵する才能を開花させると思います」

大町の怪物、広島県No.1プレーヤーと名高い彼。普段は穏やかで優しいが、試合になると非情なまでに容赦のないプレーを見せる、まさにドッジボールの申し子。そしてまだ4年生という、正に怪物にふさわしい、その彼に匹敵する才能。

正直、それは少し大袈裟なのではないか、と思っていた。だが、今日の晴翔君の動きを見て、その考えは変わった。彼のボールに対する反応は、もはや才能としか言いようがない。

僕は山本さんの言葉に深く頷いた。

「あの3人は、とんでもないお宝ですよ。もし、彼らがこのまま入部してくれるなら…」

「きっと、チームは大きく変わります」

僕たちは、口を揃えてそう言った。

side晴翔

「はぁ、はぁ…」

僕はステージの上で、大きく息を吐いた。

「晴翔、大丈夫か?顔真っ赤だぞ」

健太が心配そうに僕の顔を覗き込む。

「大丈夫だよ…!汗だくだけど、なんだかすごく楽しい!」

僕は正直にそう答えた。

「わかる!俺も、みんなとタイミングを合わせて動くことができて、すっごく嬉しかった!それに、ボールをキャッチして、又ターンして、っていうのが、なんだかすごく楽しかった!」

健太はそう言って、僕の肩を力強く叩いた。

「私も。今まで、ドッジボールは怖いだけだと思ってたけど、みんなでやると楽しいんだね」

美桜も、普段は見せないような満面の笑顔で言った。

僕たちは、3人で頷き合い、喜びを分かち合った。

その時、お母さんたちが僕たちに「もう時間的終わりよ、早く水分取って片付けなさい」と言って、タオルと水筒を渡してくれた。

僕たちがお母さんたちに「ありがとう!」と言って、水分補給をしていると、山本監督が僕たちに話しかけてきた。

「どうだったかな?今日の練習は」

「すごく楽しかったです!」

美桜がそう答えると、健太も「僕、ターンが出来なかったんですけど、今日でできるようになりました!」と嬉しそうに報告した。

「それは良かった。晴翔君は?」

「楽しかったです、キャッチが特に」噛み締めるように僕は言う。

監督は、僕たちの返事を聞くと、にっこり笑って言った。

「それじゃあ、今日はこれで終わりにしようか。お疲れ様」

監督の言葉に、僕たちは「ありがとうございました!」と頭を下げた。

そして、他の部員たちも集まってきて、今日の練習は終了となった。

帰りの道中、僕たちは今日あったことを、あれこれと話した。

「それにしても、健太はすごかったね!ターン、完璧だったよ」

僕がそう言うと、健太は照れくさそうに「もっ君に合わせるって教えてもらったから」と答えた。いや健太仲良くなるの早すぎるって、、、少し僕が呆れていると。

「私も、晴翔のおかげでキャッチが上手になったし、監督に褒められたし…本当に楽しかった!」

美桜もそう言って、僕達は並んで歩いた。

僕は、美桜と健太の嬉しそうな顔を見て、心からそう思った。

(僕一人じゃ、こんなに楽しめなかったかもしれないな)

僕は、二人の温かさに胸をいっぱいにしながら、新しい日常が始まることへの期待を胸に、家へと向かった。

~side山本~

「お疲れ様でした、山本さん」

選手たちを見送った後、木村コーチが私に声をかけてきた。

「お疲れ様、木村コーチ。今日もありがとう」

私はそう言って、彼に頭を下げた。

「いえいえ、とんでもない。それにしても、あの3人は、本当に楽しみですね」

「えぇ。特に健太君には驚かされました。望月君に合わせる、と伝えただけで、あれほどまでに安定した動きができるとは。彼の視野の広さと適応能力は、ドッジボールでは大きな武器になります。そして、美桜さん。彼女の頭の回転の速さは、晴翔君の運動能力を補って余りあるものになるでしょう」

私がそう言うと、木村コーチも頷いた。

「そして晴翔君。彼は山本さんの言う通りでした。僕の7割の球を、当たり前のようにキャッチしてみせた。正面からの球なら、ノーミスです。ただ…」

木村コーチが何かを言いかける。私は、彼の言葉を待った。

「サイドに回られた時の反応は、少し遅れをとっていました。やはり、正面からの球しか見てこなかった弊害でしょうか」

私は彼の言葉に、静かに首を横に振った。

「いいや、違う。彼は、まだ『サイドからも攻撃がある』ということを知らないだけだ。彼の頭の中では、まだドッジボールは『正面から投げられる球をキャッチする遊び』なんだ。だから、横からの攻撃の対処法が、まだ定まっていない。しかし、彼の空間把握能力と動体視力があれば、すぐに慣れるだろう」

私がそう言うと、木村コーチは「なるほど…」と納得したように頷いた。

「彼ら3人には、大きな可能性があります。特に晴翔君の才能は、まさに原石。磨けば磨くほど、光り輝くダイヤモンドになるでしょう。あとは、彼らが、このチームに入りたいと思ってくれるかどうか…」

私はそう言って、体育館の入り口を見つめた。

そこには、もう誰もいなかった。

だが、私の心の中には、今日、あの体育館で見た、3人の輝く笑顔が、焼き付いていた。

夜は鶏肉とじゃがいものソテー、カーボは足りませんが今日は胸の日なので行ってきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ