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カラーコート  作者: 真紗
23/77

ターン×キャッチ=共感力の天才

お休み特権「もう飲んでしまったので行けません」を発動、そして完成しました、文字の乱れはご容赦ください。

木村コーチに促され、僕たちは言われた通りに並んだ。真ん中にいるのは3年生の子だ。僕たちはとりあえず端に並ぶよう指示され、素直にその位置につく。琉惺は、今日は晴翔君たちの反対側についてみて、と言われているようだ。(琉惺君、普段は違う場所なのかな?)そんなことを考えていると、木村コーチがターンの説明を始めたので、僕は慌てて意識を集中させた。

要点をまとめると、

* ボールに対して必ず体を正面にする(ここはキャッチと同じだ)

* アタックだった場合はキャッチする(常にアタックが来ると思って意識しておくこと、と念押しされた)

* パスだったり、アタックが逸れて当たらない場所だったりした場合、ボールが通過する方向にターンをする(真ん中の選手で考えると、左に投げられたら反時計回り、右に投げられたら時計回り)。つまり、パスの場合、場所によって時計回りに回る選手と反時計回りに回る選手が出てくるわけだ。

コーチは、ターンのやり方についても丁寧に説明してくれた。

キャッチの姿勢から、片足を少し引き(すでに引いているならそのままでOKらしい)、ボールを見てから、後ろに引いた足を前に一歩踏み出す。

「1、2、3」の「2」のタイミング(二歩目)で反転を開始し、「3」で完全に反転して、後ろに一歩下がる。

以上を繰り返すようだ。口で説明されても僕と健太は「???」と頭にハテナが浮かんでいたが、美桜はしっかりと理解できたのか頷いている。やだ、僕の幼なじみ、優秀すぎ……。くだらないことを考えていると、「じゃあ、実際にやってみようか」と木村コーチが言って、僕たちの正面にボールを持って立ってくれた。あれ?アタックするのかな?と思っていたら、「このボールを見てターンしてね」ということらしい。なるほど、と僕は理解し、琉惺君の「構えて!」という掛け声と共に、ターンの練習が始まった。

うん、知ってたさ。できないことくらい。僕が運動音痴だってことくらい、わかってたさ!

けどさぁ!一回目でさぁ〜、転けるなんて思ってないよ!こんなのってないよ!木村コーチだって、必死で我慢したけど「ブフォッ」って笑ってたもん!クソッ!僕はバツが悪そうに立ち上がり、「すいません!」と謝った。木村コーチは「ゆっくりでいいからやってみよう」と優しく声をかけてくれた。

その後しばらくターン練習を繰り返し、どうにかこうにかできるようになった僕。そのタイミングで、また水分補給の時間が設けられた。

足は……大丈夫、子鹿の一歩手前で頑張れてる。僕はなんとか平静を装うが、美桜に「晴翔、足震えてるよ」と笑いを堪えながら言われてしまう。「違うやい!これは武者震いってやつなんだい、多分!」と言うが、「意味が違う」とまた笑われた。クソぅ……。

しかし、以外だったのが健太だ。僕は単純に体が動かなかっただけで、少し練習したらどうにかできるようになった。だが、健太は、できるにも関わらず、みんなとタイミングが徐々にずれていくのだ。何度も木村コーチに言われるのだが、どうしてもうまくいかない。本人も相当悔しそうだ。今、木村コーチと少し離れた位置で話しており、深く頷いている。

そこへ山本監督が近づいていき、何かを健太に伝えた。健太は頷いてこちらに戻ってくる。「なんて言われたの?」と聞くと、「ターンの時のアドバイスをもらっただけだぞ」とだけ言って、喉を潤し始めた。詳しく聞こうと思ったが、すぐに集合がかかる。(まぁ、後で聞けばいいか…)そう思って、僕たちは木村コーチの方へ駆け足で向かった。


〜side健太〜

(クソッ)

俺は心の中で悪態をついた。悔しくてたまらなかった。さっきのキャッチ練習の時は、なんとかボールをキャッチできた。しかし、ターンの説明を聞き、いざ練習が始まると、俺だけが一人遅れたり、早くなったりして、気が付けばみんなとズレてしまっている。できないわけじゃない。言われたこともわかるし、体だって平気だ。なのに、どうしてもタイミングが合わない。

(誰に、誰に合わせればいいんだよ!?これは!?)

頭の中はもう大パニックだった。だってそうだろう?みんな違うタイミングで動くんだ。逆になんでみんなのタイミングが合うのか、理解に苦しむ。アップの時だってそうだった。「6年生の動きに合わせろ」と言われたのに、なぜか俺だけズレている。意味がわからない。

水分補給のタイミングで、俺は木村コーチに呼ばれた。「タイミングを合わせるのは難しいかい?」と聞かれたので、俺は深く頷いた。「誰に合わせればいいんですか?もっ君?りょー君?りんちゃん?かず君?それとも琉惺ですか?」そう聞くと、木村コーチは「もっ、もう名前を覚えたのかい?」と驚いている。そんなことは今はどうだっていい。誰に合わせればいいんだ!?俺は混乱の真っただ中だ。

そうしていると、山本監督がやってきて、穏やかに「健太君、落ち着いて聞いてくれるかな?」と言ってくれた。俺は頑張って深呼吸をして落ち着こうと努めた。少し落ち着いたところで、山本監督がこう言った。

「望月君に今回は合わせればいい。そして、次からはセンターにいる人に合わせてごらん」

俺が頷いていると、続けてこうも言われた。「基本的に合わせる時は、同じ動作をしている誰か一人に合わせればいい。それだけで解決する」

全員に合わせる必要はないのか?そんな疑問は残ったが、木村コーチの「水分を取っておいで、その後実際にボールを投げるから」という言葉で、俺は少し急いで水分補給に向かった。

親友の晴翔は心配そうに「大丈夫?なんて言われた?」と聞いてきた。そんな顔するなって。俺は心配かけまいと、「ターンの時のアドバイスをもらっただけだぞ」とだけ言った。

水分補給をしながら、先ほど言われたことを反芻する。(今回はもっ君に合わせる。他の奴は気にしない!)そう決めた頃、集合がかかったので、俺たちは木村コーチの方へと向かっていく。

(晴翔、安心しろ。ウジウジしないぜ!!俺だってやればできるんだ)

そう心に決意をしながら。


ほぼ飲まない自分の昼ごはんはカレーうどんでした、ご飯が進むね!!

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