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ギルドの個人倉庫

「そしてじろじろ見ないでよ。先はなんだったんだよ」


「あ、すみません、見てない顔で、ちょっと見ちゃいました」


「……なるほどね。

はい、新入生のルビーです。秋から入ります」


名前がルビーそのままだったらしいのだ……


「あ、おれはエンブリオと言いますギルドに入ったのは2年くらい前」


ルビーさんは驚いたようにちょっと眉毛を上げる。


「エンブリオね。エンブリオ先輩」


「名前でいいです」


「ならエンブリオ」


「よろしくおねがいします」


倉庫は図書室のすぐそばだ。おれはルビーさんを案内する。


「先生に紹介はされてたんだけど、私ひとりでギルドに来るのは今日が初めてなの。だから入学式まで色々ギルドのことを知っていきたいと思ったけど、本のことがより気になっちゃって。エンブリオは授業とか大丈夫?」


「はい、時間が余るので」


このあと昼飯と風の講義があるけど、実際時間は全然余裕だった。ただ気まずいと思って先に立ったのだが……このように捕まってしまっては仕方がない。むしろ、アルティの先輩としてちゃんとしなきゃだ。


「よかった。本を見たらだいぶ落ち着いたの」


「なるほど。魔術ギルドの図書室はどうですか?」


ルビーさんは頷く。


「うん、いい感じ。私、魔術理論のことそんなに知らないから……元々マギアの家系だった子にちょっと劣ると思うんだよな。だから自習してトップを取れるようにしたいから、あんな環境ができているなら凄くありがたいことだ。ここが倉庫なの」


トップか……確かにいい心構えだ。


「はい。魔力登録が行われたら、すぐここの場所も貰うことになる……と知ってます。魔術ギルドは存じのとおり、いろんな都市にあるので、自分が加入してるコトのものを貰って、他の支部の空間のためには金を払わないと、先に登録しないといけないのです」


「なるほど。家長が払ってるから……私も登録はできてるはず。あ、この(しるし)か」


おれたちのエーテルをわかって働く装置が、それぞれの本体と倉庫を繋ぐ糸のようなものを見せた。


「そうです。この糸のようなエーテルの次の、空いた場所に個人の物品を入れるといいのです」


「いやーここ、大きすぎるな。確かに自分の教科書や魔力素材とかを全部入れちゃって、授業ギリギリまでに来ると絶対遅刻すると言われた通りだ」


「学校のことをよく知ってますね」


「あ」


「?」


「家族に凄く平凡の学文とかが好きな人がいるから学んでるの」


「なるほど。先もめちゃくちゃ難しい本を読んでるように見えました」


おれたちはルビーさんの個人倉庫に歩いて行く。


「そうか……確かに。それも家の古いおもちゃのように慣れているものだ」


「すごい家だな」


ギルドの堂はこのように「個人はこれが便利だから」「ギルドは魔道具やそれぞれをここに置いた方が安心だから」だという理由で個人倉庫の活用をおすすめしてる。そして個人が戦場で命を落としたりした場合、その遺品は遺族の確認をしたあと、魔道具の種類だったら許諾を貰って、また魔術的な処置をして補給係に。また他のギルド員が使えるようにもするのだ。

破門になった場合も似たような処置にされるだろう。だから、ここの施設はいったん満員になることはそうとうないと思うけど、今よりもギルドが大きいものになっちゃうと、この倉庫ももっと増築しなきゃいけないかも知れない。


「聞くに、魔術理論は自然哲学の原理がいっぱい入るんだって。それは私はちょっと知ってる方だからアドバンテージもらえると思った」


「へーそれはいいな」


「ここか。今は何も持ってないけど。よし、開いた。私、家から通うから。寮ならドアロックがあるから普通なんだよね」


「そうです」


カコン、とドアが開いて、ルビーさんは中に潜ってすみまで触ってみた。


「ふうんなるほど!しょうがないと、ここで寝ても良さそうだな」


「そんな人はないです」


「ほんとー?結構ありえると思うけど」


「人の心が病んじゃいますよ。確かに工房や現場の住処と比べるとありえるとも思うけど、マギアはちょっとの精神的な原因も魔術に大きい影響を及ぶ。『なんで俺はこのような生活をしなきゃいけないんだ』とおかしくなっちゃうと困るからです」


「殺伐な理由だったな。言いたいことはわかった」


また這って、ルビーは自分の倉庫から出た。


「だから大きさは個人の空間として十分だとしても、ここで本格的に生活することはできません」


「なるほど」


キイーと、また自分のドアを閉まる。


「倉庫以外も知らないことがあったら教えますよ」


「まあ今はいいかな。入学の時に買った物品をどうするか悩んでいたから、教えてくれてありがとうございました。

このあとは入学式のあとでやってもいいかな」


「はい」


おれたちは倉庫の入り口まで出た。


「それじゃ、また会いましょう、エンブリオ。長い付き合いになったらいいね」


「これからもよろしくおねがいします」


ルビーさんと別れて、おれはやっと「平凡の学文とかにめちゃくちゃ詳しい非凡のもの」って、ステラ・ロサさんのような木のエーテルを持つと言う何とか設計士もいるのを覚えたけど、別に彼女がアリストテレスの本を爆速で読み終える人間だとしても彼とは別に関係がないだろうから、おれはそんなことより昼飯のことを考えることにした。

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