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メンテナンス

オートマトンが人間として生きて、子も生まれる話は確かに気まずかったので、私は話題を戻した。


「それで、今生まれてるオートマトンの子たちの話だ。あれらはその特製の心と体によって、普通の機体よりずっと長生きすると思われるから……」


「確かにそうです」


「あの後継機たちのいったんの目標というか、方向性を考えたんだ。

それぞれは、自分なりの探し物のために旅を立ってもいいと思ってる」


「旅ですか」


リソくんは自分の容器を覗きながら言った。


「それは、随分世界を楽しめるためだ。(わたくし)はこれからも平凡のものとして生きて『累の傾向』の通り知識を貯め、いつか自力で鋼系のライトというお方に会ってみたいと思ってるけど、それも最終点ではないし、今コアの定着を待ってる彼らはそのための道具ではない。

……自分が利用するための道具として他の機体を作る自動人形もいっぱいいると思うけど、彼らは違うのだ。

わたくしと同等で同格だ」


「まあ、一応『写』が繋がってる部分でですね」


その言葉に私は頷く。


「そして、彼らは基本の動作のためにはこの世界に散らばっている私の代替(スペア)としても全然回復ができるのだ。そのため、個人の負担も少ないはずだ」


「ふむ……それでも負担を感じるとしたら?」


「ここで暮らしても全然いいし、フィレンツェはやることがいっぱいだ。でも、基本の目標は大きくしておかないと、まあ、例を言うとここが戦場になって生きれなくなったら『あ〜何もかもがおしまいだ』になるだろう。

そういうのは避けたいと思って」


「そうですか」


「またの意義としては、今暮らしてるわたくしも『写の記憶は……むしろ生活が楽しめなくなる面もあるかも知れない』とか弱音を言ってたくらいだし、世の中の所々の体だけの私の(うつわ)が本当にうまく維持されてるかを確認する必要もある。

心だけじゃなく、体の確認も必要なのだ。

こういうのも私が自分でやらないといけないことだが、それらが無事であるのは後継機たちにも非常に大事なことだ。だからそれらをチェックしてもらい、全部ではないとしても機体のメンテナンスを行うのもいいと思ってる」


「確かに誰かに『これは不思議な木材だな』と持って行かれると困るもんだ」


「そう言うのは仕方ないな……想定範囲だよ。

薪として、具材として破壊されたら、そのチェックはいったんできる仕組みになっているとしても、ここは『健在』の場合だ。本当の本当に動くものなのかわからない。

そして、何千年生きながら細工もちょっとずつ変わってたので、『この子は膝の構造が古いな』とかを思った場合は改造しても全然いい」


「その、ずっと気になってるのが、それぞれの子は属性に絞っているため、レグノの旦那との体の互換性がよくないと思われますが、元々今胴体を準備したのもそのためじゃないですか?

なのにどっちの旦那の体にも一応入れると言うのがちょっと理解が難しい」


「それはそうだろう。難しい概念だ。

いったんあの子たちはわたくしたちの計画通りなら、属性1つを原点として絞って、写の記憶の中の権限が混ざらないようにしたものだ。これはわかるな」


「はい」


「実は、区分されるとそれでいいのだ。元々わたくしのコアの半分こを分けた時、それぞれの属性に近い部分を分けたんだろう?つまり、『写』には元々その全ての属性のエーテルが流れることができる。だから後継機のどっちもどっちの代替の体に入れる。ここで『なら胴体はなんで作ってる』になるけど、それは自分が自分だと認識する基準になるからだ」


「自分だと認識する基準ですか」


「もし土に絞ったトパーズが1つの代替の方を体にするとしよう。この場合、元々重くて硬くて、今の私たちはわからないなんらかの自分の改造をずっとやってた体…の、そのイマジナリアも写の記憶を通って代替に入るのだ」


「なら自分の体と心が単に合ってないだけだと思いました」


「そうじゃないのだ。平凡の技術者としてわたくしたちには苦手な……思うままにできちゃう非凡のものとしての仕組みによって、その代替の方がトパーズの胴体だったものに近づくのだ。エーテルを貰ったらその部分体を重くする、背が小さかったらその分を調整する」


「確かに年の見た目が変わる話と似てるかも知れない」


「そうだな。

でも、部品の整合性と機能もまた加算して大事なのがオートマトンだから、『トパーズ100%』には及ばなくて、自分の土のエーテルを戻すためには他もやることがあると言うことだ。

材料、エーテルの消費が多い」


「つまり、なんの処置もしてなかった代替も『土の機械人形として』目覚めることができるということですか?」


「慣れてるとな。自分の中で『僕はもともと何々したカタチのもの』のイマジナリアが固まっているとな」


「確かにそう言う『自分の元の姿』ができてないと普段の生活も手をドドン!と変えて元に戻すのも大変です」


「そう、同じ仕組みだ」


「なるほど」


「そして、その慣れるためにも自分の初めての体は大事だ。あのコアたちに普通のアルベルト・レグノのスペアを点けて起動しても働く。でも『元々こんな体で生まれたんだな』という塊ができちゃうから。それを防ぐための最小の処置が、私たちが今やってた胴体を準備することで……」


「はい」


「自分が固まってたら、『いや〜はやくエーテルを確保して改造からやって行きましょう』という自分の体のあるべき姿の確信が立っているのだから」


「結構ハードル高いですね」

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