馬車のお帰りだ
そのドルイド、ステラ・ロサさんは実は特別な人で……まあ、おれのとても特別な人で合ってるけど(だから先まで仲間たちにいっぱいからかわれた)でも、その意味だけではなくて、彼女は普通の人間ではなくて……普通のドルイドでもないのだ。
彼女は「桜」のドルイドであり、(桜はどんな花なんだろう?)神秘的な事情がある人なんだから。
そんな彼女の事情は、世界にナニカ夜空から落ちた隕鉄の粒が散らばっていて……その中で特別な欠片を探さないといけないと言うことだ。それはどこにあるかも知らなくて、どうやらドルイドさんはそれが目の前にあっても、あることをわかることもできない。その理不尽すぎる使命をあたえてるのは、彼女の使い魔としての立場の術師みたいな感じの、影々の狼、ブイオさま。彼はドルイドさんに「座標の衛星」という名前を与えてそれを望んでいる。彼がなぜそれを望むかを言うと、そのスターダストこそが彼の一部だからだ。
そのスターダストがどこにあるのかをブイオさまがすぐにわかると便利なものであるが……それはいったん活性化をして「星のエーテル」を発する前はわからないらしい。その活性化してるスターダストとやらは魔術理論では説明ができない不思議なものだ。例を言うと、今このおれの首にずっと垂れている指輪の首飾りもその1つなんだ。これ、「活性化したスターダスト」なのだ。だけど、ぜんぜん魔力素材や魔道具ではない、平凡の装飾品なんだけど。これらはブイオさまの一部の粒みたいなものだから……彼以外には扱う方法自体がわからなくて、彼はそれがいっぱい集まると質量というものが戻ると言った。
それが、今回の「奇怪巨木」の事件でも同じだった。奇怪巨木は、夜空からのチカラを得て変わった植物。もしかするとそれは、ブイオさまのスターダストからチカラを得ていて化けた結果かも知れないから。ブイオさまだけが近づいたスターダストのことがわかるので、もしドルイドさんがここの戦場に来ると、それが発見できるかも知れない。それが大魔術に関して彼女が望んだこと。
スターダストは先も言ったとおり、活性化する前にはブイオさまもわからなくて、活性化をしても、ブイオさましかわからない。正確に言うと、一回はおれを襲ったこともある「深紅の悪魔」という怪物がその活性化をしているのならめちゃくちゃ遠くからもその気配がわかるけど、それと違うほかのものがチカラを得たのなら、ブイオさまがわかるような感覚もないと言った。とりあえずめちゃくちゃ複雑だ。
それをもし彼女のマントの影としていつも一緒にいるまま、ドルイドさんが大魔術に参加してブイオさまが見つけ出せるようになったら、彼はなんと、魔術でも闘技でもないなんらかの方法で、すぐその欠片を制御して手に入れることができると言った。(それは、もっと不思議なエーテルの理屈があるはずだ)それを調べるためにも、ドルイドさんはこっちに来ようとしたのだが……もちろんそんな目的で動くのは、魔術ギルドに雇われている平凡の薬師としては不謹慎だしおかしいから全部秘密。彼女はただ占星術師のアストラ・ネロさんを補佐する形で、ギルド長の「轟」に乗って、大魔術の戦いが終わった夜に来てから、その明日の朝にまたすぐ帰ったんだけど、その間の短い時間、ブイオさまはスターダストが探せたのかな?
それとも、元々それはここの事件とは別に関係がなく、スターダストはここにはなかったのかな。わからないことだ。
わからないことだけど、おれもおれなりにドルイドさんのチカラになりたいと思って、別にエーテルの素材としては役に立たないかも知れないけれど、珍しいカタチの素材はちょっと拾って……ここに来る時に持っていた魔力素材がだいたい無くなった分、広くなっているカバンの中にそんなよくわからない草木をいっぱい挟んでいる。
ドドドドドド
それがいったん、「スターダストを貰ったもの」としておれが最近の何日やったことだけど。デュラの人たちと違って、ここに来ているおれはフラマだから。(水の大きい浄化魔術には参加したけど、それは普通にスフィアにチカラを合わすだけの、工事現場よりよっぽど簡単なことだ。おれがデュラとして今回の平凡の技術者さんたちと息を合わせるとかぜんぜんできないことだった)それ以外は何日をただ待つような生活をして、気が緩くなっているせいか……馬車の揺れにすぐ眠りに落ちた。
夢の内容は、あまり覚えてない。
ただ自分が一回「灰色の呪い」に感染されて見たいつもの「ムー大陸」の夢がちょっと変更されたへんな夢を見たと感じるのだが……それはいつもの通り。
もう自分の感覚だけど、ぜんぜん他人の経験と感情で、凄く寂しくて、
悲しくて、後悔。
それはおもちゃを失っただけの幼稚な感情だとも思われるけど、めちゃくちゃ長い事件の強烈な行いでもあった。
失われたのは、家族なんだろうか?それとも師匠と弟子みたいな関係?使い魔と親しいどうぶつ?
どんなことであっても、その偽りの絶対宇宙戦争とやらは、もう終わってると思いますよ。




