東方地底秘話14話
覚無がそう言い終えると同時に視界は飛び、
旧地獄街道らしき場所にいることが分かった。
とは言ってもこの視界を自由に動かすことはできない。
さっきから周りを見回している。
何をやって……
「え……」
服の右腕の部分が血で赤く染まっている。
右手の指先からは血がポタポタと滴り落ちている。
「なんで……」
「ん?何が見えてるの?教えてよ」
「血が……」
「でしょうね。あなたの意識は知らないけど
大体私と同じことをしているはずだから。」
覚無も人狩りを……。
スッと視界が変わる。
この時から既にあの移動をしていたのか…。
その変わった視界には……死体。
死体。更に死体。どこを見回しても死体しかない。
軽く30人以上が倒れ込んでいる。
猛烈な吹雪の中で、その場所だけは赤い雪が積もっていた。
「うわあ〜、これは酷いなー」
記憶の俺は声が聞こえた方向に顔を向ける。
「いやいや、君を捕まえに来たわけじゃないから、ね?」
「………」
再びスッと視界が変わる。
「あれ?どこに行った?」
男は記憶の俺を見失っている。
変わった視界の先は………男の背後。
ドン。男の後頭部に弾幕が直撃する。
「うわああああ!」
男が降り積もる雪の上に倒れ込んだ。
「や、やめろ、頼むっ、やめてくれ!」
ザリッ。ザリッ。ザリッ。
徐々に男との距離を縮めていく。
「…………………………邪魔」
ズドン。ビシャアアアアアア。
新たに降り積もる雪が血で赤く染まる。
まさか……ここにいる全員を俺が殺したのか?
「そんな……」
「解ったでしょ?あなたの素顔が」
また視界が変わる。
あの場所から離れたのだろうか。
また死体がある。
しかし……死体の散乱が激しい。
両側に民家があるのだが、壁を貫通していたり、玄関に叩きつけられたりしている死体ばかり。
更には、雪の中に埋もれて手だけが飛び出している死体まである。
歩みを進めていくにつれて増えていく死体の数。
終いには死体を避けて歩くことすら困難な状況になっていた。
血はまだ固まっていない。
殺してすぐということか。
ドパン!
「今の……銃声?」
「じゃあ、もうすぐで会えるね!やった!」
数多の死体を目の当たりにしては全く喜べない。




