東方地底秘話8話
「私は未在持子だよ。
なぜここだけ建物が違うかって言うと、私の能力ね。これは最後の質問にも関係しているの。
私の能力は『未来を見る、見せる程度の能力』だよ。
この店は未来の人里の状態に合わせたんだよ。
ちなみに犯人を未来で見れば簡単に捕まえられるからさ。
未来は1分後であろうと数十年だろうと制限はないからね。
そして最も重要な話。
長〜い話になるけどね。
まず、私があなたを知っている理由はサコが私を知っているから。
昔から、お互いに知っているたの。
だけど、忘れてしまった。いや、消されたんだよね」
俺は…持子を知っているだと?
「なあ、あの時計のことについて教えてくれないか?」
「帰ってきたんだよ」
「話の通りなら、俺は帰ってきたぞ?」
「サコだけじゃないんだよ。覚無ちゃんも帰ってきたはず」
「覚無……?」
「…古明地覚無」
「古明地だと?そんなわけがない。その話は1度も聞いたことがないぞ?」
「信じれないと言うのなら、未来を見せてあげる。覚無ちゃんの姿を」
古明地覚無。一体どんな姿をしているのだろうか。
「目を閉じて。そして5秒後に目を開けて」
0……1……2……3……4…………5。
「地霊殿のところみたいだね」
……そこには、腰まである長く美しい黒髪の少女がいた。
「これが……覚無か?」
「そうだよ」
黒い目と黒い導火線。そして黒い瞳。
白のワンピースを着ている。
「覚無のことも知っているんだろ?
教えてくれよ」
「私がマフラーを着けている理由は覚無ちゃんが関わってるかな」
確かに、店内でこの時期にマフラーを着用するなど普通ではない。
「私が小さかった頃にね、私は家に帰るために歩いていたんだ。
でも、その日はとても寒い吹雪だったんだよ。
あまりの寒さに、私は木の下に座り込んでいたの。
そしたら、誰かが近づいて来て私にマフラーをくれたんだよ。
それが覚無ちゃんなんだ。
そして、家まで送ってくれたんだよ。
私は、それが忘れられなかったから今でもこんなところでマフラーを着けているの」
「覚無はとても優しいのだな」
「この話だけを聞いたらね」
「どういう意味だ?」
「その日に私が通っていた道は、覚無ちゃんが村人を狩っていた場所。
助けてくれたときは返り血まみれの姿だったの」
「な………!?」
「それなのに、私は助けてもらった。なんでって聞いたら『一生の親友だ』って。
それだけを言って帰っていっちゃったの。」




