第18話 Sideカエ 浅見の策略
「カエ、どうしてここに?外に出られるようになったのか?」
千鶴は、はっとしたように尋ねてくる。
「え?管理者候補になったの。これからは中央で訓練と仕事」
浅見から何も聞いてないのだろうか。そういえば、先ほどもひどく驚いていた。
「えっ!?どこに住むの?」
「……」
その言葉で、私は気付く。浅見にやられた。
「家は決めたか?寮とか?」
「…まだ、決まってない」
絞り出すように、答えた。
「え?荷物持ってきてるのに?仕事はいつから?」
「明日」
「明日!?」
私は頭を抱えた。
「…浅見が。とりあえず身の回りのものを持って千鶴の家に行けばなんとかなるって……」
怒りのあまり、声が震えた。
「!?」
千鶴も絶句している。ただ、今頼れるのは千鶴しかいない。
「家は探すから。しばらく置いてもらってもいい?」
「!?」
千鶴は言葉を失っている。
「無理なら……」
どうしよう。
私が悩んでいると、千鶴が私の両肩を掴んだ。
「いや、いいよ!全然いい!むしろ探さなくていいから!!」
「え、いいの?」
千鶴は何度も頷いている。
「ずっと、ここに居ていいから!!」
さっきの沈黙は何だったのか。
そう思うほどの勢いだった。
よかった。
私は安堵し、つい笑みがこぼれるのだった。




