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マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの  作者: @000ーooo


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46.祠との再会

 年度末休暇は、マリーはまた実家に帰った。そしてまた父や兄と供に魔獣討伐に明け暮れた。マリーが以前作った爆発する矢は好評であった。


 魔獣の強さに応じて使う矢を、爆発力小の矢、爆発力中の矢と使い分けができ、弓で矢を射るだけなので、これまでの弓と変わらないのに倒せる魔獣は、ビッグボアのようにある程度強い魔獣まで倒すことが出来る。さすがに、地竜のように外皮が固い魔獣には効果が薄いが、それでも牽制にはなるそうである。


 あと、爆発力大の矢はやはり、素早く動く魔獣には狙いがつけられないので、使う場面は少ないそうである。しかし、1度に20台のバリスタを同じ方向に向けてセットしておき、そこに囮の肉や家畜を置いておいて、魔獣が肉を食べに来たところを一斉に発射する方法だと魔獣を倒せるらしい。だからこれも使い方を工夫すれば役に立つそうだ。


 矢が無くなって来たというので、マリーの異空間でコピーして、爆発力小の矢は2万本、爆発力中の矢は1万本、爆発力大の矢は5000本、さらにバリスタを50台作った。


 これらの武器を渡すと、父が

「これでうちの領地もしばらく持ちこたえられる」

と喜んでいた。


 名残惜しかったが、年度末休暇が少なくなってきたのでまた王都に戻った。


 王都に戻ると、寮で同室のエルザはぐったりした顔をしていた。領地で魔獣討伐に明け暮れていたそうである。反対にアンナ、ディアナはすっきりした顔をしている。


 今は下級貴族の子女は魔獣討伐で余裕がない。反対に商人の子女はすることがないそうである。

「魔獣が頻発するのだから商隊の護衛が大変なのじゃないか」

と聞いたところ

「商隊の護衛は冒険者に依頼するので、暇」

とのこと、「お嬢さんが」と思ったが口には出さなかった。


 領地だと、魔獣討伐に明け暮れるので夜はすぐに寝てしまう。何かを考える余裕などないが、寮では体は元気である。夜1人で考える時間が出来る。


 夜、1人ベッドの上で祠のことを考えてみた。マリーが学院に来るまでは毎日のように祠に祈り、祠からいろいろ教えてもらっていたのに、学院に来てからは王都の町内の祭りで1度会った後、寮の庭で前世の記憶を返してもらった時に会ったきりで、その後は会っていない。


 そして魔獣の氾濫が頻発するようになったのもちょうどこのころである。私が前世の記憶を返してもらったことと、魔獣の氾濫はもしかして関係しているのだろうか。それと魔獣の氾濫と祠の姿が見えないことも関係しているのだろうか。疑問は尽きない。


 次の日寮の庭に出ると祠があった。久しぶりである。涙が出てきた。

「よっ、マリー」

「久しぶり、祠さん」

「俺も忙しくてな、マリーに会えなかったが、今日は無理やり時間を作って会いに来た。これから大事なことを言う。心して聞け」

そう言って、祠さんの話が始まった。


「この世界には今危機が訪れている。魔獣の氾濫がそれだ。これはこの世界の人間に何とかしてもらうしかない。俺も頑張っているが、難しい。これからも魔獣の氾濫は続く。そして、今後はその規模が大きくなってくる。マリー、命を大事にしろよ。決して死ぬな。俺は今回はマリーを救いたいと思っている。前世、知世は死んだ。同じ過ちを繰り返したくない」


「教えてほしいのだけど、広はどうしている」

「広は、今は言えない。言えばたぶんこの世界がさらに複雑になる。それに邪魔が入るかもしれない。しかし、決してマリーを泣かせるようなことにはならないようにしたい。これも、俺がしたいと思っているだけだ。無理かも知れない。その場合はマリーから広の記憶を消す」


「広の記憶は消さないで」

「いいのか、悲しいだけだぞ」

「それでもいい、悲しくても広と過ごした記憶はなくしたくない」

「そうか、わかった」


 もっと聞きたいことはいっぱいあったが、祠の姿は次の瞬間には消えていた。

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