4.魔法の練習1
その日は寝る前に図書室に行った。そして本を異空間に入れて「コピー」と頭の中で唱えてみた。すると、異空間で本が1冊できた。そこで片っ端から図書室の本を自分の異空間に入れて本をコピーしていったが途中でコピーできなくなった。
すると急に頭が痛くなって、我慢できなくなった。やっとの思いで自分の部屋に戻って、ベッドに横になると、その後の記憶が無くなった。
しかし、次の日の朝は清々しい気分で起きられた。
「気分爽快、よく寝た」
それが起きてからの第1声だった。
下から、母の呼ぶ声がする。
「マリー、早くしなさい。今日は教会で魔法を教えてもらうのでしょう」
「いけない、そうだった」
素早く身支度をすると下に降りて行った。そして食堂で家族そろっての朝食をとった。父が
「今日からマリーも魔法使いの仲間入りだな。しっかり神父さんの言うことを聞いて早く魔法をマスターするようにするのだぞ。しかし、いつもブルクハルトに置いてけぼりを食らって、泣いていたマリーがもう魔法使いとは月日の経つのは早いものだ」
すると、ブルクハルトが
「いつもじゃないですよ。たまにはマリーも連れて行きましたよ」
「そうだな、いつもじゃなかったな、雨の日とか家の中で遊ばないと仕方のない日はマリーを連れて行ったな」
「そうですよ、俺もマリーは可愛いい妹ですから」
「でも、ブルクハルト兄さま、可愛いい妹の割には、置いてけぼりを食らったことの方が多かったように思いますが」
「それは晴れると、森へ行くだろう。そうすると危ないから、これも妹を思ってのことだ」
「そうですか」
「そうだ」
「早くしなさい。そんなことを言っていると時間に遅れるわよ」
母の催促する声がする。
そそくさと朝食をお腹に駆け込むと、マリーは家を出た。昨日は馬車で行ったが、今日は徒歩である。家の前の通りは5月の新緑で青々としている、風もさわやかである。
「うーん。いい風、今日は頑張るぞ」
「ただ歩いて行くだけでは物足らない」と思って、昨日祠に教えてもらった鑑定を掛けながら歩くことにした。左側の家を見て、頭の中で「鑑定」、すると頭の中に「家」平民が住む家、古い、築○○年、あちこち壊れている。修繕の必要あり」と出てきた。
「鑑定は便利だが、知り過ぎるのも問題がある」と思った。
しばらくして教会に着いた。昨日はスキル授けの儀式のことで頭がいっぱいだったので、教会をじっくり見ることはしなったが、改めて教会を見ると、この教会も先ほどの家と同様古い。
鑑定をかけると一杯不具合が見つかりそうで鑑定をかけるのをやめた。
教会の前の広場にはみんなが集まっていた。一部の近くの村から来た子供を除いてみんな顔見知りである。
「おはよう」
「おはよう」
軽快な挨拶を交わしていく。
「昨日はよく眠れた?」
「眠れたわよ。それはもうぐっすりと」
まさか異空でのコピーのし過ぎで、「倒れるように寝た」とは言えない。
「私は、授かったスキルのことで、頭がいっぱいで中々眠れなかった。それで今日は寝不足」
「そう、それは大変ね」
他人事である。
しばらくして全員がそろうと、神父さんの魔法の講義が始まった。
「まず、最初は魔力を感じることからしましょう。私があなた達の手を掴んで魔力の出し入れをします。それで魔力を感じるようにしてください」
そう言って神父さんは子供たちの手を取って作業を始めた。30人もいると中々マリーの順番がやってこない。後ろの方の順番待ちの子供たちはあくびをしている。
やっと、私の番が来た。神父さんが手をつかんで魔力の出し入れをしてくれた。昨日鑑定やコピーの魔法を使ったので、すぐにこれが魔力だとわかった。すると神父さんが
「さすが、御領主様の娘さん。魔法の才もあるのですね」
と言われた。
そして、すぐに次の子のところに行っていしまった。「分からないふりをすれば、もう少し構ってくれたのかな」と思うと、「失敗したな」と思った。しかし、「神父さんをだますのも悪い」と思って、「これはこれでよかった」と思った。
人数が多かったせいで、今日はここまでとなった。明日は魔力を動かす練習だそうだ。その後実際に魔法を使う練習とのこと、先は長そうである。




