3.祠の魔法の教授
マリーは家に帰ると、祠を拝んだ。いつもように、手を合わせる仕草(二礼二拍手一礼)である。すると祠が語り掛けてきた。
「スキル授けの儀式はどうだった」
「生活魔法だった」
「そうか、それはよかった。本当はそれ以外にもあるのだよ。『ステータスオープン』と頭の中で唱えてみてごらん。頭の中に表示されるから。それからこれから私と話をする時は頭の中で話すといいよ、声に出すと変な人と思われるから」
「わかった。これからは頭の中で唱える。ステータスオープン」
すると頭の中に
「生活魔法(、言語理解、鑑定、ステータス隠蔽、異空間収納)、ただし、( )の中は他人に見えない」
と出てきた。
「いっぱいある」
「そうだよ、だからマリーがスキル授けの儀式に行く前に隠した。こんなにあると、マリーが悪い人に狙われるから」
「ありがとう、祠さん」
「それじゃ順番に説明していくね」
「はい、お願いします」
「まず、生活魔法これは生活に使う色々な魔法が使える。しかし、魔法の威力が小さいので、一般的に戦闘には不向きと言われている。
しかし込める魔力を大きくすると、一般の攻撃魔法と同じ威力が出せる。マリーの場合魔力量がほかの人と比べると桁違いに大きいから、込める魔力を少なくしないといけない。唱えるときは魔力量少な目と唱えるように。
それからマリーの場合、詠唱は必要ないから。一般的に詠唱した方が魔法の威力は大きくなるが、魔法発動までの時間がかかる。無詠唱は時間がかからないが威力が小さい。
マリーは魔力量が大きいから、無詠唱で込める魔力を増やせば普通の魔法とそん色ない魔法が使える。どれくらいの魔力を込めるかは経験では調べていくしかない。
魔力量は魔法を使いきって寝ると増える。だから毎日寝る前に魔力を使い切って寝るとこれからも魔力量は増えるから。毎日頑張ってね。
次に言語理解、これはいろいろな言語が分かるスキルだよ。この国の言葉だけでなく外国の言葉も習わなくてもわかる。これがあると国語や外国語の試験は完璧にできる。
次に鑑定、これは、物の価値を調べるスキルだ。隣の草を見て、頭の中で『鑑定』と唱えてみてごらん。草の価値が分かるから」
そこで、マリーは隣の草を見て頭の中で「鑑定」と唱えた。すると、頭に中に「草:雑草、利用価値なし」と出た。
「便利、物の価値が分かると、買い物をするとき便利ね」
「それだけじゃないよ。人に向けて『鑑定』と唱えると、その人がどんな人かだけじゃなく、その人の持っているスキルや能力までわかる。
将来商人に成ったら、偽物をつかまされたり、ぼったくられたりすることがなくなるから。
次にステータス隠蔽、これは自分の持っているスキルや能力を隠す能力。今私がマリーにかけたから、将来新たな能力を得た時は自分で隠すようにしてね。
それから、最後の異空間収納。これはすごく便利、このスキルは持っていると狙われ易いから絶対に人前では見せないようにしてね。
このスキルは物を異空間に収納しておくスキルで、その空間は自分の自由に使えるので、例えば時間を進めたいときは、その空間を時間の進む空間にすればいいし、止めたい時は時間が止まった空間にすればいい。ただし、生き物は入らないから生きた人間や動物は収納できない。
それから、この空間に収納した物は自分で調べられるから、例えば、本をこの空間に収納しておくと、頭の中でこの本が読める。暗記物の試験だと100点が取れる。
それから、この空間に材料を入れておけば、その空間で物を作ったりできる。また、その空間に入れた本や物をコピーすることもできるよ。ただし、その空間で作業するにはかなりの魔力を使うが、マリーは魔力量が多いから気にしなくていいと思う。だから毎日この空間の中で何かの作業をして魔力を使い切って寝るようにするといい」
これを聞いて、
「ひょっとして、私って最強」
「生活魔法なので、あまり戦闘向きじゃないけど、商人に成ったり職人になったりする場合はかなり有利だと思うよ」
その日の夕食は、マリーが普通のスキルを授かったというお祝いで、すごく豪華だった。ただ、祠に自分の隠れたスキルを教わった後だけに、後ろめたいものを感じるマリーだった。




