23.魔獣の頻発と冒険者活動
その年は秋から冬にかけて各地で魔獣の氾濫が頻発した。少し異常である。各地に派遣された騎士団は大忙し、また領主もこれまでの従士だけでは足らないので、優秀な冒険者を常時雇用してそのまま領軍の従士に召し抱える者も出てきた。
当然怪我人も増える。そうなるとマリーが仕事している工房にもポーションの依頼が大量に来るようになってきた。
冒険者ギルドでマリーが納品すると受付で
「マリーさん、おばあさんに『これまで納めていたポーション、次からはこれまでの2倍にして』と言っておいてくれない。ここの工房のポーションは質がいいので人気なのよね。すぐになくなってしまうの」
「わかりました、伝えておきます」
次の日は、寮の同室の者と冒険者活動の日である。あれからもマリーは同室の者の面倒を見ていた。正直って単独の方が動きやすいのだが、こう魔獣が出る状況では放っておくと命が危ない。
次の日の朝早く寮を出て、ギルドまでやって来た。もう依頼の受注はアンナたちに任せている。自分でできることと出来ないことを判断することも必要である。
「今日はゴブリン3体の討伐を受注します」
アンナが高らかに宣言する。
「私手伝わないわよ」
「どうして、マリーも私たちのメンバーでしょ」
「だって、私がしたら一瞬だもの」
「そんなあー」
「頑張ってね」
その後、ゴブリンのいる森にやって来た。
アンナ、ディアナ、エルザが前を行く。マリーは後ろから付いて行くだけ。そのうちゴブリンが3体やって来た。
ゴブリンは私たちの姿を見ると女子4人、当然獲物認定したようだ。こちらに向かってやってくる。
アンナ、ディアナは詠唱を始めた。エルザは剣を抜いて右端の1体に向けて切りかかっていった。
残り2体がアンナとディアナに切りかかってくる。アンナとディアナの詠唱はまだ終わらない。たぶん間に合わないと思い、私はゴブリンを剣で威嚇した。ゴブリンの動きが止まる。
やっと詠唱が終わったようでアンナとディアナがやっと魔法を放った。そしてゴブリン2体は倒された。
「アンナとディアナ、まだ詠唱しているの。学院では無詠唱って言われているでしょう」
「だって、詠唱しないと魔法が弱くって、とてもゴブリンなんか倒せない」
「でも、私がゴブリンの動きを止めなかったら、貴方達死んでいたわよ」
「それは感謝している」
「ダメだ、この人たちは、最初から私ありきで仕事している」
ゴブリン3体の討伐完了ということで、この後のことを協議したら、まだ討伐を続けることになった。
今度は私が狩ることになった。少し行くとコボルトが出てきた。数が多い10匹。私は槍を取り出して、コボルトの群れに向って行った。
コボルトは私を取り囲んで攻撃するために散会した。そこで私は、素早くその群れの中で一番大きそうなコボルトの足に槍を突き刺した。
そうしたら背後に回ったコボルトが飛びかかってきた。それを地面に転がって避けると短剣を取り出してそのコボルトの足に投げつけた。
そして再度槍を持つと残りのコボルトの足を突き刺した。するとまた違うコボルトが飛びかかってくる。それを避けながら再び短剣を投げつる。
この繰り返し。動けるコボルトがいなくなった時点で、槍でとどめを刺していった。コボルト10体の討伐完了。
これを見ていた、アンナ、ディアナ、エルザが
「すごいものね。慣れているというか、見ていていても危なくなかった。それにマリーって、どうしてあんなに素早く動けるの。それに後ろから飛びかかってくるコボルトを避けるときなんて、まるで後ろに目があるみたいだった」
「あなた達も訓練すればもっと早く動けるようになるわ」
「そうかな、私には無理のような気がする」
「でも、出来ないと死ぬわよ」
「そんな、脅さないでよ」
その後も、ゴブリンやコボルトを狩って、その日は終了となった。最終的にゴブリン10体、コボルト20匹を倒した。




