9 あなたは誰?
「■■、なにかいているの?みせて!」
「いいよ、ヒナ」
「わぁ、きれい。やっぱり■■はえがうまいね。」
「ありがとう」
「しょうらいはがかになったら。」
「まぁ、かんがえとくよ。」
「おまえ、ヒナにちかづくなよ。きもちわるいんだよ。」
「はは、厳しいこと言うね。」
「なにわらってんだよ。」
「いや、なんでもない。」
「お、高そうなブレスレットじゃん。お前にはもったいないから貰っておくぜ。」
「返せよ、ヒナのだろ。」
「あ?下級生が何言ってんだ。引っ込んでろ。」
「いいよ■■。危ないよ。」
「人のものを盗んでじゃいけないって教わらなかったのか?」
「上級生に逆らってはいけないって教わらなかったのか?」
「残念、まじめに勉強していないんだ。」
「けが大丈夫?」
「惨めになるだろ。結局奪い返せなかった。大事なものなんだろ。ごめん。」
「謝ることじゃないよ。」
「ごめん。」
「え!私のブレスレット。どうしたの?」
「いや~、向こうが飽きちゃったみたいで返したもらったよ。」
「そうなの?けがしてない?」
「はは、心配しないで。転んだだけだから。」
「中学は私立に行くんだね。」
「うん。勉強したいことがいっぱいあるから。■■は?」
「まぁ公立でのんびりとやっていくよ。がんばってねヒナ。」
「うん、別々でも頑張ろう。」
「うん。」
「あれ、■■。高校一緒だったの?連絡してよ。」
「...」
「ねぇ、どうしたの?」
「いや、はじめましてじゃないですか?」
「え?」
「本当に覚えてないの?」
「昔のことはさっぱり覚えてなくて。すみませんヒナさん。」
「ヒナ、さん...。」
「おいヒナに近づくなって言ったよな。」
「人気者だね。君と違って」
「あ゛?黙れぇぇぇ!」
「おはよう。」
「...」
「ここはどこだって?夢の中?それとも死後の世界?」
「...」
「ちょっと違うな。まぁ俺が直接話す場所を用意したってわけさ。」
「...」
「ごめんごめんw。会話できなかったなお前は。」
「...」
「お前の記憶を覗いてふと疑問に思ったんだよ。なんで"草間ヒナ"のこと忘れていたんだ?」
「...」
「まさか 俺が近くにいると彼女に迷惑がかかるから忘れたふり とかw」
「...」
「おいおい、中二病もほどほどにしろよ。俺にもそういう時期あったけど。」
「...」
「気になっているだろ?俺が誰かって?」
「...」
「え?しょうがないな、俺はお前の旅をサポートするものだ。前にも話したんだけどな。」
「...」
「聞いてないって?だって暴走してたじゃんお前。」
「...」
「人一人死んだくらいでそう悲しむな、どうせもっと死ぬんだから。」
「...」
「そんな目で俺を見るな。態度だけはいっちょ前だな。心がぐちゃぐちゃなくせに。」
「...」
「俺はもうお前をサポートしない。あとは自分の力で俺に辿り着け。」
「...」
「理由がないって?じゃあ面白いことを教えてやろう。この世界はループしている。」
「...」
「どうだ?やる気、沸いたか?」
「...」
「精神状態はそうだな、...マジでどうしよう。ん?」
「...」
「俺があまり気にする必要はなさそうだな。じゃ、バイバイ。」
「...ん」
「あ~、起きた!良かったぁ。」
「んん」
「ここはね、今私たちが住んでいる場所。寮みたいなところかな。つまり私の部屋ってわけ。」
「うっ」
「ごめん、勝手に入れちゃって。無理行って私の部屋にしてもらったんだ。」
「...」
「私たちは今、魔王攻略のために日々頑張っているよ。」
「...」
「ごめん、思い出したくなかったよね。あんな邪険にされた後だし。」
「...」
「ねぇ、いったい何があったの?」
「...」
「そうだったね。」
「...」
「ねぇ■■、気分転換に外へ行かない?私たちが来た時とは街並みが一風変わった感じになっているからさ。」
「...」
「ほら、私の手を取って。行こう!」
「うっ」
「ほら、見て、綺麗でしょ。」
「...」
「魔法石をつなげてライトアップしているみたいなの。まるでイルミネーションみたいだね。」
「...」
「それに街並みも前よりもきれいになっているし。」
「...ん」
「転移された時よりもにぎやかになって楽しいね。」
「...」
「ねぇ、この後花火が上がるみたい。よく見える場所を知っているからさ、そこに行かない?」
「...」
「わぁ~、綺麗。」
「...」
「ほらいろんな色の花火が上がっているよ。地球で見た時よりも輝いて見えるよ。」
「ん」
「この世界に来てどうだった?」
「...」
「私は、驚きの連続だったよ。」
「...」
「ねぇ。」
「...」
「なんで私たちなんだろうね。理不尽だよ、本当に。」
「...」
「みんな躍起になって魔王討伐を目指しているけどさ。」
「...」
「意味、あるのかな。よくわからなくなっちゃった。」
「...」
「■■がさ、つらくなる必要があるのかなって。」
「...」
「いっそのことさ、抜け出しちゃわない?」
「...」
「これ以上何かを失うくらいなら、いっそのことね。」
「...」
「ダメ、かな?」
「...」
「ごめん、いきなり。」
「...」
「ほら、手をつないで。戻ろう。」
「...」
「...振られちゃったね、私。」
「私、ちょっと外にいるから、先に寝といてね。」
「...」
「おやすみ。」
「...」
俺はベットから起き上がると、ここから出る準備を始めた。
(俺の旅はまだ終わっていない。)
外から賑やかな声は途絶えそうにない。
(いっっっ、つ)
やばい、小指を角にぶつけた、
声が漏れかけたが忍耐力のほうが勝った。
(申し訳ない、ヒナ。)
感謝の意を伝える暇は、あるかも?
(夜逃げは得意なんだ。)
俺は最後の荷物であるライフルを持ち、部屋を出る。
途中嫌な奴とすれ違った気がするが、覚えていない。
(俺が近くにいると迷惑をかけてしまう。)
まさに彼が言っていた通り中二病が治っていなかった。
「うっ」が緊張
「ん」 が驚き
「...」 が興味ない
最近の小学生ってオシャレだよね。髪染めとかピアスとか。びっくりしたよ。




