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50/53

50 時は繰り返す。終わりの始まり。

目を覚ませばそこは境界線だった。

暗く、感覚のない世界。


「俺は、俺はぁぁぁぁぁ!」


何も、ない。

世界。


『君は、もう来るとは思っていなかったんだけどね。』


『放つもの』の声が聞こえる。

もう、謝罪の言葉すら。


「俺は、どうすれば。あの時助ければ良かったのか?」

『どうだろうね、でも彼女が君の勇気を埋めるものにならないといけない。』


着々と終わりの時間が迫っているのを感じる。


「クラスメイト達は?」

『先に元の世界に戻ったよ。』

「戻った?」

『そう、戻った。精神は元の世界に戻さないといけないからね。だから時期に君も戻れるよ。』


転移者は死んだら元の世界に戻るってことか。


「ははw、死を恐れた俺が馬鹿みたいだな。」

『違う、それは自然な反応だよ。』

「それでも、足りなかった。」

『確かにそうかもね。』


『放つもの』さえ俺にかける慰めの言葉がなくなっていた。


「そろそろ、いくよ。」

『うん、短い間だったけど楽しかったよ。』


遠くから時間を告げる鐘の音が聞こえた。

そして白い光の穴が出現した。

そこを覗けばいつもの光景が広がっていた。


「じゃあね。」

『うん____危ない!』


突如俺の背後からたくさんの時計が落下してきた。

大小さまざま。

しかしどれも同じ時間を表している。


「おい、これはどういうことだ。」

『分からない。ほかの転移者たちはそんなことは起きていなかった。』


そして今、その時計が逆回転し始めている。


『何が起きているのか、私にはわからない。初めてのことで。』


何千年もいた『放つもの』でさえ初めての出来事だったみたいだ。


「これは。」

『時計が、時間が、戻っている?』


(時間が逆行しているのか。)


まさ________









(意識が。)


突然、異世界に引き戻された。


「よく来てくれました異世界の皆さんいや地球の皆さん。今日、創世期74年11月29日、私の名前はカイ・ライル・アリセイン。この国の王だ。いきなりですまないが君たちには魔王を討伐してもらう。光栄に思え。君たちは重要な使命を与えられたのだ。」


(あ、ああ?)


目に余るほどの金の装飾。

まぶしいすぎるあの、王城。


(時間が___巻き戻った。)


どうやら時間を逆行してしまったようだ。


「運命には、逆らえないってことか。」


結局は奴の道に進まなければならないのか。

一週目で拾えなかったものを回収していこうかなと思って。



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