50 時は繰り返す。終わりの始まり。
目を覚ませばそこは境界線だった。
暗く、感覚のない世界。
「俺は、俺はぁぁぁぁぁ!」
何も、ない。
世界。
『君は、もう来るとは思っていなかったんだけどね。』
『放つもの』の声が聞こえる。
もう、謝罪の言葉すら。
「俺は、どうすれば。あの時助ければ良かったのか?」
『どうだろうね、でも彼女が君の勇気を埋めるものにならないといけない。』
着々と終わりの時間が迫っているのを感じる。
「クラスメイト達は?」
『先に元の世界に戻ったよ。』
「戻った?」
『そう、戻った。精神は元の世界に戻さないといけないからね。だから時期に君も戻れるよ。』
転移者は死んだら元の世界に戻るってことか。
「ははw、死を恐れた俺が馬鹿みたいだな。」
『違う、それは自然な反応だよ。』
「それでも、足りなかった。」
『確かにそうかもね。』
『放つもの』さえ俺にかける慰めの言葉がなくなっていた。
「そろそろ、いくよ。」
『うん、短い間だったけど楽しかったよ。』
遠くから時間を告げる鐘の音が聞こえた。
そして白い光の穴が出現した。
そこを覗けばいつもの光景が広がっていた。
「じゃあね。」
『うん____危ない!』
突如俺の背後からたくさんの時計が落下してきた。
大小さまざま。
しかしどれも同じ時間を表している。
「おい、これはどういうことだ。」
『分からない。ほかの転移者たちはそんなことは起きていなかった。』
そして今、その時計が逆回転し始めている。
『何が起きているのか、私にはわからない。初めてのことで。』
何千年もいた『放つもの』でさえ初めての出来事だったみたいだ。
「これは。」
『時計が、時間が、戻っている?』
(時間が逆行しているのか。)
まさ________
(意識が。)
突然、異世界に引き戻された。
「よく来てくれました異世界の皆さんいや地球の皆さん。今日、創世期74年11月29日、私の名前はカイ・ライル・アリセイン。この国の王だ。いきなりですまないが君たちには魔王を討伐してもらう。光栄に思え。君たちは重要な使命を与えられたのだ。」
(あ、ああ?)
目に余るほどの金の装飾。
まぶしいすぎるあの、王城。
(時間が___巻き戻った。)
どうやら時間を逆行してしまったようだ。
「運命には、逆らえないってことか。」
結局は奴の道に進まなければならないのか。
一週目で拾えなかったものを回収していこうかなと思って。




