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22 操る男

「...!...ろ!」


うーむ


「...きろ!起きろ!」


(うーん、眠い。)


「ゴミ君、早くしろ!」

「うるせぇよ。」

「なにをボケボケしているんだ。」


早朝、まぶしい光はあんまない。

太陽が昇り切っていないようだ。

時計を見たら、えーと6時?早くね。


「なに?早くね。」

「はぁ、準備があるんだよ。早くしろ。」


(言われてねょ。)


昨日の腰が低い姿勢はどこ行った?


「まだイグサは寝ているぞ。」

「君の、そういえばなんだ?」

「友人だ。」

「にしてはだいぶみすぼらしい格好をしているな。」


(そういえば奴隷商人からもらったコート以外与えていなかった。)


盲点である。


「服、あるのか?」

「自分で探せ。俺には関係ない。」


(お前が気にしたことだろ。)


「ちょっと待て、服を買ってくる。」

「店が開いているわけないだろう。」

「ふざけんなよ!なんでこんな時間に来たんだよ!」


(もっと寝させろ!)


「だ!か!ら!準備だって言ってんだろ!」

「昨日の姿勢はどこ行った!」

「黙れ!くそ、なんできかないんだ。」


悔しそうな顔をしながらにらんでくる。


(話を聞けるタイプじゃない。)


「とりあえず、服を何着か譲ってくれるか聞いてくる。」

「はwそんな都合よくいくわけないだろ。馬鹿だな。」


(プッチーン。)


「覚悟はできているな。」

「ゴミ&ゴミが俺に勝てるとでも?」

「王都の時を忘れたか?チンピラA」

「知らないな。かかって来いよ!」


(先手、必勝ぅぅぅ!)


机に置いてあった拳銃?を手に取りイケメン野郎に投げつけた。


「人間は学習する生き物だ。」


当然のように銃を薙ぎ払った。


「いっ、痛い。」


金属で作られているから当たり前である。


(何も学習していないな。)


痛がっているすきに距離を詰め顔面に振りかかる。

野郎は血を吹き出しながら飛んでいった。

きれいな軌跡を描いている。


「馬鹿だな。」


壁に叩きつけられたが幸い壁は壊れなかった。


「勘違いするなよ、俺が上だ。俺の実力を見せてやる。」


スキル発動の合図もなく小物が浮き始めた。


「おいおい、ずるだろ。」

「戦場では誉め言葉だ。いけ!」


一斉に飛んできた。

少ない部屋で駆け回って逃げるしかない。


部屋中に次々と物の落下音が響く。


「当たらねぇよ。」

「気づいているか?端に追い詰められていることに。」


いつの間にか部屋の隅にいた。


(考えて逃げるべきだった。)


「終わりだ。」


箪笥がこちらに向かって飛来してきた。


(考える暇m!)


左手だけで受け止めようとしたが無意味だった。


「あ゛、あぁ。」


タンスに体を押しつぶされ、全身に痛みが走る。


「ははw死んだか?」

「まだだ。残念だったな。」


左手が動かないが知ったことではない。

やるんだ。


「俺の勝ちだな。」

「いやお前の負けだ。」


俺は全力で野郎にむかって走り出す。


(攻撃手段は、体当たりだ。)


心の中で、スキル発動 体当たり。


「醜いな。」


相手が殴る構えをしている。


(しかし残念俺は......。)


「ドロップキックだぁぁぁぁ!」


そのまま野郎ごと壁に突っ込んだ。


幸い、壁は壊れなかった。

ちょっと、ほんのちょっとヒビは入ったけど。


「特攻か。馬鹿なことを。」

「攻撃を読めなったお前の頭に問題ある。」


「ねぇ、うるさい。」



ベットからイグサが起きだした。


「黙って。」


スキル発動『フローズン』


一瞬にして部屋は銀世界と変わっていた。

足元は雪が積もっており、俺らというと。


「足が、凍っている。」

「おい、え?」


そしてイグサは二度寝を始めようとしている。


「ちょちょちょ、イグサ、解除してくれよ。」

「頼む、えっと、イグサちゃん?」

「......うーん、わかった。」


眠そうな目をこすりながら解除をしてくれた。

世界に温かみが!


野郎は不思議そうな顔をしている。


「回復、できない?」

「ポーションをやるよ。」


腕の痛みは残ったが違和感が残っている。


「おい、イケメン野郎。結局何をしようとしたか忘れちゃったじゃねぇか。」

「あ、あぁ。服だろ、俺の服を何着かやるよ。身長同じぐらいだろ。」


(何を呆けているのだろうか。)


ボーとしている。

さっき何かあったのだろうか。

ん?喧嘩?じゃれあいだよ。


「おい、で、服はいいとしてその準備ってのは何をするんだ?」

「一応身分と、あとはどんなスキル、クラスを所持しているかの登録。」

「はぁそれだけか?」

「あとは、はぁ、片腕での戦闘まだ慣れていないだろ。だからその時間を、と思ったんだが。」


ちょっと照れくさそうに、していない。

なんで?もっと照れてもいいんだよ。


(案外気が利くな。)


「最初から言えよ。」

「お前が話を聞かなかったからだ。」


(存じ上げないな。)


「それに、知りたいこともあってな。まぁもう解決したけど。」

「ならいいか。」


興味ないしね。


「できれば、イグサを担いでもらいたいんだけど。」

「起こせ。」

「はい。」


イグサは幸せそうに眠っていたのでなんだか申し訳なくなった。

顔がとても可愛らしい。


「イグサ、起きて。」

「俺もこんな感じだったぞ。」


邪魔な横やりが。


「ん?ユー、おはよう。なに?」

「もう行くよ。」

「分かった。」


眠そうな態度から一変すぐに起きた。


「本当に友人か?」


(奴隷以上友人未満のよくわからない関係だ。)


「ほら、早く案内しろ。」

「チッ、ついてこい。」


そのまま荷物を持って部屋を出た。

しかし、廊下には滞在客が俺たちをにらんでいた。


「君たち?学生さんかな。もういい年齢なんだから、やっていいことと悪いことの判別がつかないのかな?」


大人の静かな説教ほど怖いものはない。


「宿泊料金は払ったか?」

「ああ。行くぞ!」


イグサの手を引っ張りながら全力で走り出した。

イグサはボケっとしている。


「待てごらぁぁぁぁ!」


ありえんほど速く走っている。


(すみませんでしたぁぁぁぁ!)


何とか宿から脱出をし野郎について行った。


「どんな場所なんだ?」

「学園の内部に、まぁ、コロシアム的なのがあるんだ。そこでやる。」

「そもそもなんでやるんだ?てかなんでここにいるんだ?」

「そう矢継ぎ早に質問をするな。説明してやる。」


(だいぶ態度が温厚になったな。一応こいつ聖騎士だよな。威厳ないな。)


品格のない奴が何か言っている。

誰だろう。


「俺たちは王の護衛できたんだ。交渉をするみたいで、その護衛に。」

「いいのか、護衛から外れて?」

「別に死んでも、世継ぎがいるからな。何となる。」


(思いれはないんだな。それもそうか。)


「で、なんでやるんだ?」

「実力試しってところかな。だいぶ成長できたし、いい勝負だと思う。」

「何年生とやるんだ?」

「知らないな。多分全員4年だと思うが。」


(4って大学か。)


「お前は早々にリタイアしてかまわない。あとは俺らが全勝するから。」

「ガンバ。」


そのまま会話が途切れ沈黙のまま歩いている。

イグサは眠そうだ。





「ここだ。」


(なんか、でかい。)


それぐらいの感想しかない。


「あ、そういえば、ヒナは来ているのか。」

「ああ、戦闘後の治療役としてな。」


(まずい、見られたらどうしよう。)


めんどいことになりそう。


「おい、顔を隠せる服はないか?」

「ローブか、探せばあると思うが。」

「なんでそんなに服を持っているんだよ。」

「おしゃれだからな。お前と違って。」


(やっぱ、おしゃれ好きってバカなんだな。)


馬鹿が馬鹿に何を言っているんだか。


「こっちが俺たちの寮だ。」


相変わらず豪華だ。


(好待遇だな。)


本来は俺もここにいるはずだったのかな。


野郎の部屋はさっきの宿の部屋の二倍の広さがあった。


「死ねよ。」

「ドンマイ。外れくじを引いたお前が悪い。」


無事ローブを貸してもらって顔を隠せる。

ついでに腕もね。


「さて、登録しに行くか。」

「なれなしいな、ゴミの分際で。」


肩を組んだがお気に召さなかったようだ。


イグサはベットにダイブしていた。


イケメン野郎、名前、優作。


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