2 異変?
見渡す限り中世のような石畳の街が広がっていた。
(よっし、本で見た異世界だ。中世チックでにぎやかだ。)
見たところ聞こえる限り日本語で話していて、見える限り日本語で表記されている。
(これがご都合主義ってやつか。便利だからいいけど。)
建物がぼろいように感じられるが、人々が活気盛んだったのであまり気にならなかった。
しばらくすると裏路地から???に話しかけられた。
「あなた様、奴隷に興味はありますか?」
「は?」
裏路地から漂う、埃臭い匂いが鼻をかすめた。
「その、奴隷を所有されますと炊事、洗濯、戦闘の補助まで……この機会にぜひ」
(もしかして城から出るところを見られたのか。)
「すみません今手持ちがなくて。」
「大丈夫です。安い個体もいますし、高い個体を買いたいとご所望なら負債も。」
「いやぁ~」
俺は押しに弱かった
「こちらです。」
小さな明かりがついた、ところどころ湿っている場所に連れていかれた。
鉄格子の向こうに奴隷が多く閉じ込められ、特に若い女性が多かった。
言葉を発さず、虚ろな目でうめき声をあげるものが多くいた。
(顔がかわいい子が多いな。特にこの『イグサ』って子。俺の癖に刺さった。)
「どの個体をご所望ですか?」
「いや~」
(しかし安易に買ってしまうと旅に支障が出る可能性もあるし...。)
迷っていると、商人の表情がだんだん苛立っていくのが感じ取れた。
(今更断れないし、でも当たりはずれあるだろうし。)
俺は決心した。
「今回はご縁がなかったということで」
「そうですか、残念です。」
俺は即座に逃げる判断をした。
しかし商人のほうが一瞬早かった。。
スキル発動『バインド』
俺は体が硬直し動けなくなった。。しかもいつの間にか手にはダガーを握っている。
(判断が早い。ハハ、死んだかこれ。)
「残念です。」
「ちょっと待ってください。」
「買う気になりましたかお客様。」
「示談金を払うというのはどうでしょうか。」
「クク、高くつきますよ。」
結局半分ぐらい金を持っていかれた
(くそっ、バカだった。)
俺は裏路地を出て目に出た図書館に入っていった。
少しでも気を紛らわすために。
(なになに?)
目についたスキルの本と取ってみた。
『ディス イズ ア ペン:口から強烈な風を放つ
誰が発見したかわからない謎のスキル
派生スキルもある模様
隠し効果:派生スキルと一緒に使用した場合、後に発動したスキルのほうが高火力になる』
『エクスプロージョン:自身のHPを1にする代わりに広範囲に爆発する
対象は絞れない
隠し効果:発動後数秒間だけ無敵状態になる』
にナニコレ
『ディストラクション:備考なし』
(英語で破壊って意味だから何か壊すのかな?備考がないけど。俺も、俺も欲しい強いスキル。)
ある程度読んだが、とあるスキルが載っていなかった。
(あれ、封印のスキルの名前すら載っていないぞ。珍しくて著者すら知らなかったのかな。)
なんて眺めていると、???が話しかけてきた。
「あんちゃん、スキルに興味があるのかい?スキルにはな隠し効果があるからな。弱いと思っていたスキルでも内なる何かを秘めている可能性があるからな。」
(そうか、???の言うとおり俺のスキルにも強い効果があるかもしれない。よくある弱いと思っていたスキルが強くなるぱたーんだ。)
「あの、このディストラクションってどんなスキルなんですか?」
「それがわからないんだ、その本は寄贈されたもので著者も不明なんだ」
「あ、そうなんですね」
「ちなみに強いスキルは強いクラスでしか扱えないぞ。主に転移者が使っているイメージがある」
「なるほど」
(俺は?俺はどうなの?ねぇ。転移者だよ。)
俺のことを気にもせず???は話し続ける
「未知のスキルはたくさんあるからな。もし何か見つけたら教えてくれよ」
ふと疑問に思った。
(俺のスキルはどうなんだ。本に載っていなしもしかして。)
「あの僕のスキルが封印ってやつでこの本に載っていないんですが、も、もしかしてまだ知られていないスキルなんじゃないんですか。」
「残念ながらあんちゃんそのスキルはもうある。効果は相手のスキルを一時的に封じ込めるやつだろ。高望みをしないことだな。ハハハ。」
悲しみと同時に疑問が頭をよぎった。
(ん?どういうことだ。世間一般に知られている封印のスキルの効果とは違うみたいだな。じゃぁなおさら不思議だな。
どうして何でもスキルが載っていそうなあの本に封印さんが載っていないんだ。
まぁ隠し効果があるかもしれないし何とかできる可能性があるな。)
戦闘能力がゴミ以下である俺は多少でも力を得るために武器を買いに行った。
「いらっしゃい」
???が話しかけてきたが無視して武器を眺めていた。
店内は基本剣や鎧で埋め尽くされていたが、一際目に入るものがあった。
(ン、銃?剣とか斧とか弓ではなく銃?単発銃だからあまり銃の技術は発展していないみたいだけど。)
「すみませんなんで銃があるんですか。相場は剣とか斧じゃないんですか」
「剣より銃の方が威力が高いだろ」
「いや、そういうことじゃなくて 仕入れ先はどこですか?」
「どこだったけな、企業秘密だ」
「そうですかw」
企業じゃねぇだろ、とツッコミを入れたくなったが我慢した。
(まぁこの異世界が少し発展していることが分かった。)
奴隷商人に半分持ってかれたせいで痛い出費だが生き残るためにはしょうがない。
店主らしき???に金を渡して店を出た。
「ありがとうございました」
(異世界といえば冒険者ギルドだよな。モンスターの討伐にいきたいし、サラッと中を見ていこうかな。)
中に入ってみると入り口に依頼がたくさんあった。
(なになに[スライム][ゴブリン]に[ワイルb]って、おい押すな見えないだろ。)
冒険者の群れに押し出されて俺はギルドから出された。
奪われた金を少しでも回収するためにモンスターがいそうな森へ向かった。
(うおwこれがスライムか殴っても勝てそうd うっ、痛い。)
スライムが体当たりしてきた
(スライムごときが調子に乗るなよ。)
“バンッ”
(スライムごときに一発使っちまった。おっ何かドロップしたぞ。これが噂の魔法石ってやつか。
この世界の動力源かなんかな?)
リズムよく倒していこう
“バン”、”バン”、”バンバンバン”
俺は素手では倒せないがために銃でどんどん倒していった。
(ふぅ、疲れたな。でもたくさん倒せたし戻って換金して少しでも元を取ろう。)
「グ ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ」
近くから咆哮が聞こえた。
逃げよう
「キャー、」
悲鳴も聞こえた。
逃げよう
「誰か!」
助けを求める声も聞こえた。
逃げよう
俺は帰って寝た、なんてことはできないお人好しなので助けに行った。
どっかのお嬢様らしき人とそのメイドが馬車に乗っていた。
中には食料かな、運んでいてどこかにお忍びで旅でもしている雰囲気だった。
護衛がいないし。
「大丈夫ですか、ん?いやだいじょばないかも。」
そこには2メートル級の馬鹿でかいクマがいた。
(俺死ぬのかな。でかいな。ハハハ、奴隷商人で学んだはずなのに。)
「クレア落ち着きなさい。このわたくしがこの下劣な害獣に劣るわけないですわ。」
「お嬢様!」
どうやらメイドの名前はクレアらしい
(しかしですわwww。マジかこの世界に ザ・お嬢様キャラ がいるとはwww。スー、俺の助けいる?)
「そこの男、わざわざ助けに来たんだからしっかり戦いなさい。男なんだから。」
「あ、はい。どうしますか?」
「わたくしがスキルを放った隙にあなたは脳天をその銃で打ち抜きなさい。」
「善処します」
「いきますわよ。」
スキル発動『インフェルノアロー』
(なんかスゴソウナスキル。クラスが大魔導士なのかな。あ、早く打たなきゃ)
しかし残念なことに銃弾は的外れな方向へ飛んで行った。
「くそ、外した。」
「何をしているの。早く次を打ちなさい」
「待って、今打ちますから」
俺は緊張と焦りによってまた外してしまった。
「チッ、いったん逃げますわよ。クレア立ちなさい。行きますわよ」
「すみません。」
銃って反動すごそうだよね。




