1 時は繰り返す。終わりの始まり。
この物語は一人称視点の物語です。
視点は主人公「俺」以外一切変わりません。
ですから三人称視点のように、主人公の目線ではなく、もっと客観的に物語を見てほしいです。
「...て...きて...起きて!」
???がなにかいっている
「寝てないでプリントを出して!」
???がなにかいっている
「プ・リ・ン・ト・を!」
「僕ですか?あっすみません、どうぞ。」
???がうるさいので内心舌打ちをしながら俺はプリントを渡した。
「ヒナ、何してるの?あんな奴、気にかけなくてもいいのに。さっさといこう。」
「大丈夫、終わったから今行く。」
どうやらヒナというらしい。すっかり忘れていた。人の名前を覚えるのが苦手だ。
曇り空の今日、教室は空の静けさとは裏腹に喧騒に包まれたていた。
(学校早く終わらんかな。眠いんだよ。うるさいな。)
このクラスは一人一人の個性が強すぎてまとまりがない。
ゆえに落ち着きがなくうるさい。
(どうでもいいか。今は寝ることが最優先だ。あと少し休み時間が残っているから寝...ん?)
「なんだ」「床が、床が光っている」「えっ、なに」
(なに床が光ってる?何馬鹿なこと言ってんだ。床が光るわけ、え、床が、まさか異世界転せ...。)
(うっ、どこだここ。定番だと城の中だと思うのだが。)
天井が見えないほどの部屋に転移?させられた。金色の装飾が多すぎて目が痛い。
(しかし広いな、こんな金あったら俺はゲームに課金しているだろうな。あれ、あそこにいるのは王様かな。チッ金持ちが。)
「よく来てくれました異世界の皆さんいや地球の皆さん。
今日、創世期74年11月29日、私の名前はカイ・ライル・アリセイン。この国の王だ。
いきなりですまないが君たちには魔王を討伐してもらう。光栄に思え。君たちは重要な使命を与えられたのだ。」
「え、魔王?」「無理だよ」「なんで俺たちが」
どうやら王様に魔王討伐を命じられた?半強制的な気がする。
(え、魔王?無理だよ。なんで俺たちが?まぁ王様落ち着け、ただの一般高校生ができるはずがない。)
なんて考えているときに王が
「とりあえず君たちにはクラスが割り振られているはずだ。確認してくれ。
指で空をなぞれば見れる。」
(えっw、なんか恥ずかしいな、でもどうせチート級のクラスだろ、もしくは最初は弱いけど後から強くなるパターンかな。おれTUEEEEEできるのか。)
『クラス』
『ノーマル:使えるスキルが1つしかない。
固有の能力を有していない。 』
『使用可能のスキル』
『封印:封印を解かなければなにも役に立たない。
※封印を解く条件は本人にはわからない。 .』
クラスがノーマル、唯一のスキルが封印、使えない、
(オワッタ。で、でも封印さえ解ければ...。条件がわからないって。
どうすればいんだよぉぉぉ。さてみんなはどんな感じなんだ?)
「大魔導士か」「聖女?」「守護者!」
(あれ俺だけか、こんな外れくじを引いたのは。だれか少しスキルを分けてくれ。)
ん、???が話しかけてきやがった。
「君のクラスどうだった?」
「僕はノーマルってやつ。一つしかスキルが使えない。」
「そうなのか。僕も一緒だ。同じ仲間同士がんばろう」
「ありがとう。がんばろう。」
???がどこかへ走っていった。
(まさか同士がいるとは。少しは不安が減ったな。でもどうしよう。ちゃんとついていけるのか。)
俺が自分を心配する暇もなく王は
「とりあえず7日ほど自由時間にする。好きにしてくれ。」
何もしないが本音だが、さすがに表面上何かしなくてはいけない。
(異世界観光でもしようかな。あれさっき思ったことと矛盾しているような。)
間髪を入れずイケメン野郎が
「とりあえずみんなのクラスを教えてくれ。魔王討伐に役立てたい。」
(なんてほざいている。リーダーぶりやがって。こっちの身にもなってくれ。)
「ねぇ、優作のクラスはなんなの?」
「俺は聖騎士だ。ヒナは?」
「わたしは聖女ってやつ」
「使えそうだな。みんなはどうだ?」
(ほら、どうせ決まっていたことだ。このまま二人がくっついて、魔王を討伐してハッピーエンドだろ。実につまらない。今回の主人公はあいつらか。しかしどうして、せめて封印以外だったらどうにかなったのに。)
「俺は守護者。」「僕は聖職者。」「私は...」
(まずい、このままだと痴態を晒すことになる。嘘をつくか?いややっても意味ないな。)
ついに俺の順番が回ってきた。
(追放系はあまり履修していないんだよ。どうすればいいn)
「君のクラスは何だい?」
「ぼ、僕ですか?ノーマルです」
イケメン野郎が眉を少しひそめた。
「...ちなみに使えるスキルは何だ。それ次第だ。」
「封印ってやつです。でも封印を解かなければ何の効果もない。」
「つまりゴミスキル&ゴミクラスってわけか。」
クラス中の視線が俺に集まる。どれも冷たい視線ばかりだった。
(そこまで言わなくてもいいだろ。こっちの身にもなってくれ)
「おまえは魔王討伐の足手まといになる。ここから出て行ってくれ」
「えっ、そこまで言わなくても」
「静かにしていろヒナ。魔王討伐は命懸けだ。足手まといは必要ない。」
「ちょっと!言い方に問題があるよ。それにいてもいいじゃない。
私が守るから!」
イケメン野郎の瞳孔がかすかに大きくなった。
(部屋が暗かったのか?)
「チッ、ヒナ分かってくれ。」
(ありがとうヒナさん。わざわざ庇ってくれるなんて。見直しました。でもいいんだ。)
「いいですよ別に、僕はどっかに行きます。」
「でも、」
「そうだよ。」「そんな奴気にかけなくていいんだよ。」「足手まといだろ必要ない。」
クラス中が俺を責め立てている。あのノーマルの奴も同様だ。
(同士だと思っていたんだが。悲しい。これが同調圧力ってやつか。)
ただ一人ヒナさんだけが攻めなかった。
「みんながみんなどうして、ひどい。」
「決まりだな、いやまて、一応弾除け代わりとして使えるかもしれないから
魔王討伐の時には来いよ。
ゴミでも役に立つ。」
「はい。」
「わたし出ていく、こんなところにはいられない。」
周囲に動揺が走った。
(みんなヒナさんは出て行ってほしくないんだな。俺は?ねぇ俺は?)
「おい、まてよ」
「僕のことは大丈夫です。自分の腕を磨いて魔王討伐の役に立ててください」
「どうして...」
(7日ではなく恒久的に自由になっちゃった。まぁこれで異世界観光ができる。
なんでみんな揃って俺を排除しようとするんだ。ヒナさんだけだ庇ってくれたの。)
相変わらず冷たい視線が俺に降り注いでいる。
(うっ、それはそうと聖騎士と聖女コンビが崩れたな。この物語のヒロインは誰なんだ。
関係ないしさっさと出ていくか。)
「じ、じゃぁさようなら」
「...。」
(さぁおさらばだ、グッパイクソども、一人を除く。
誰かに見られているような気がしたけど気のせいだ。
さよなら、そしてこんにちはこの世界。)
「あ、王様少しだけ旅の資金をw」
(お金は必要だしね。)
王から俺は余分に旅の資金をもらった。どうやら少しは同情心があったらしい。
主人公の一人称が「俺」や「僕」に切り替わるのは、心の中では「俺」って言ってしまうけれど、人と話すときは敬意を払って「僕」ってなってしまうというイメージです。
伏線回収どうしよう。




