26「仮面」
「――ついに辿り着いたか」
馬を走らせながら精霊騎士達を引き連れていた私は、目の前に佇む巨大な屋敷を見上げた。
この屋敷に宿敵、ラスキア大将軍がいるのだ。
しかし、一つ疑問に思ったことがある。
「――お前達、ラスキア大将軍の兵は見たか?」
「見ていません……」
近くにいた精霊騎士の男が不安げな表情で言った。
それを聞いた私は顎に手を添え、目を怪しみに細めた。
――なぜラスキアは自身の兵を出兵していないのだ。
見たのはせいぜい、ミアだけだった。
他の精霊騎士たちは何事もなく、こうして私の元に集まっている。
もしや、ラスキアは何か企んでいるのか?
私は途端に、目を見開いた。
「お前達、周囲から来るぞ!」
「「「「――――ッ!!!!!!!」」」」
しかし、私の叫びは精霊騎士に届くには遅かった。
「――切っ!!!」「――断っ!!!!」
次の瞬間に、私の背後にいた精霊騎士の大半が八つ裂きにされた。
私は咄嗟に魔法陣を展開し、『魔殲球』を放った。
漆黒の球体が放たれ、土埃が宙を舞う。
次に爆発音が聞こえ、突風と共に視界が晴れると、煙幕の向こうには白と黒半分の色をした仮面の者が現れた。それも、一人ではなく二人。
体躯は小柄で、仮面の不気味さがその体つきに合っていない。
髪色は黄緑の色をしていて、髪型がまるで少女のようだった。
私はそれらの特徴から、瞬時に察した。
「ラスキア、大将軍……っ!!!!」
そう、服装や仮面をしている以外の特徴が、ラスキアと酷似していたのだ。
私は魔法陣を左右に展開し、『魔殲鏖花』を放った。
全てを無に帰す漆黒の光線が、仮面の少女へとものすごいスピードで襲いかかる。
しかし次の瞬間、予想を裏切る事態へと発展した。
「飽燗術式――『審漓叡擡』」
少女はそう言うと、光線に向かって手を翳した。
すると、光線が灰のようにボロボロと地面へと崩れ落ちた。
私は少女の唱えた術式が、あまりにも技術の高いものだと理解した。
「流石はラスキア大将軍、やるじゃないか」
「――」
少女は沈黙したまま、何も反応しない。
私は微笑みながら、彼女を睨み付けた。
「リキア大将軍、私達も戦います」
精霊騎士の女が言った。
それに、数名の精霊騎士も頷いて。
私はその言葉を耳に、制帽を被りなおすと、
「いいだろう。だが――足は引っ張るなよ」
そう言い、私は目元の緊張を緩めた。
どうも、焼き鮭です。投稿頻度が少なくてすみません。
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